ニュースクリップ[-10/15] 「大学入試センター試験 出願数、やや減って53万弱」ほか

マイスターです。

さっき起きたと思ったら、あっという間に休日が終わっている……なんていう日、ありますよね。
今日の自分がまさにそれです。

週の終わりということで、一週間「大学職員.network」上にてご紹介し続けてきた大学関連ニュースクリップの中から、いくつかを選んでご紹介したいと思います。

センター試験の受験者数、微減。
■「大学入試センター試験 出願数、やや減って53万弱」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1013/TKY200610130291.html

来年1月に行われる大学入試センター試験の出願が13日、締め切られた。大学入試センターによると、この日午後5時までに到着した願書は52万8898人分で、昨年の同じ時点より4204人分減った。
志願者のうち現役の高校生は、前年度より5034人増の42万4579人。一方、高校既卒者らは9238人減り、10万4319人だった。
(上記記事より)

センター試験の受験者も減っているのか、少子化だなぁ……と思ってよく見ると、減ったのは浪人生です。現役高校生の受験者はむしろ増えてます。

18歳人口は減っているのに、センター試験の受験者は増えている。つまり、これまでならセンター試験を受けることのなかった学力層の高校生達が出願しているということですね。

ところで前も書いた気がしますが、センター試験って平均点が60点になるように問題を作成するんですよね。でも、受験生全体の学力が低下しても、それは変わらないんでしょうかね。問題の難易度を年々、落としていくのかな?

消費者契約法施行「前」の学費の返還は……?
■「11月27日に最高裁判決、大学前納の入学金返還訴訟」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20061013AT1G1301W13102006.html

大学入試に合格後、入学を辞退した元受験生が、計11大学を相手取り、前納した入学金や授業料の返還を求めた訴訟の上告審で、最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)は13日、原告側、被告側双方の意見を聞く弁論を開いた。判決は11月27日に言い渡される。
弁論で原告側は「前納金を返還しない特約は、浪人したくないという学生や、子の幸せを願う親の立場を利用しており、不公正」と訴えた。
2001年4月の消費者契約法施行後は入学金を除き返還を命じる判決が定着しているが、同法施行前や4月1日以降の辞退では下級審の判断が分かれており、最高裁が統一判断を示す見通し。
(上記記事より)

業界人にとっては気になる裁判の結果が、11月27日に出るようです。消費者契約法が施行される「前」のことに関わる問題ですから、判決が与える影響力は大きいはずです。マイスターは法律に詳しくないので裁判の結果を待つだけです。

もっとも、大学が受けてもいない授業の代金を2~3月のうちに受験生から集めて返還しないでいたのは、消費者側に弱みがあるのを知りながら、そこにつけ込んでお金集めをするためだったと、個人的には思います。
もし、主要ないくつかの大学が、「本学では受験生の選択肢を拡げるため、授業料は4月以降に振り込んでいただくようにしています」という方針を打ち出していれば、競争原理が働いて、こういった習慣は早くになくなっていたはずです。
しかし実際には日本の大学のほとんどが、横並びに、おいしい利益を得続けていました。消費者を守るための法律ができるまで、こういった取り組みをする大学がほとんどなかったのは、恥ずかしいことです。

株式会社が大学に参入したりすると、大学人達はこぞって企業の商業主義を批判します。でもマイスターに言わせれば、消費者の弱みにつけ込み、やってもいないサービスの対価を要求してきた従来の大学の方が、よっぽど商業主義的だったと思います。
大学は、消費者の当然の利益に自ら配慮できる組織であってほしいです。

学科の名称を現代風にする動き。
■「イマドキ学科で受験生増を、九州の大学で新設続々」(読売オンライン)
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_06101454.htm

ナノテクノロジー(超微細技術)や高度医療、環境など、最新技術に対応できる人材を育成しようと、来年4月、工学部に新しい学科を作る大学が増えている。技術革新や受験生の関心の変化がめまぐるしく、「土木や機械、建築など、旧態依然の学科名では受験生を集められない」(私立大学長)ためだ。理科離れや18歳人口の減少など、工学部を取り巻く環境も厳しく、「看板」を掛け替えて受験生の人気アップを図る。
(上記記事より)

学部学科の名称を、現代風にする。どこの大学でも、内部で一度や二度は議論をしたことがあるのではないでしょうか。
名称変更を訴える若手教員&職員側と、名称維持を唱えるベテラン教員側、みたいな構図がちょっと目に浮かびます。

携帯電話用カメラの小型化に活用されるなど、21世紀の基盤技術とも言われるナノテクノロジーを集中して学べるよう、崇城大(熊本市)は応用化学科を「ナノサイエンス学科」に変更する。
これまでもナノテクは教えてきたが、学科名変更に合わせてカリキュラムもナノテク中心に構成。ナノテクを理解するうえで必要な材料組織学や分子デザイン学のほか、環境やバイオまで幅広く学習する。
(上記記事より)

↑このように名称だけでなく、カリキュラムも現代のニーズに合わせて変える場合は理解しやすいですよね。
しかし中には、本当に「ただ看板を掛け替えただけ」というところもあるのではと思います。その場しのぎですね。
どうせなら、実のある変更をしたいものです。

東大と慶応大、両方の病院で研修できるプログラム。
■「慶応と東大、新研修プログラムを実施 大学超えた「『たすきがけ臨床研修』」(慶応塾生新聞)
http://www.jukushin.com/article.cgi?k-20061008

本塾大学病院(以下慶應病院)は来年度より、医師国家試験の合格者(研修医)が受ける初期臨床研修において、東京大学医学部付属病院(以下東大病院)と連携することを決定した。二年間の研修期間中に、各大学で一年ずつ交代に研修を受けるコースを新設。各大学から定員五名ずつ計十名を募集する。
(上記記事より)

記事では新制度のメリットとして、「研修医が特徴の異なる二つの研修プログラムを経験できる」、「新研修参加者は従来の研修医では得ることができなかった新たな人脈を広げることができる」という二点が挙げられています。

マイスターは、↓このような現状に対する率直な危機意識もあるのではないかと思います。

■「研修医、大学病院に不満『雑用多い』・厚労省調査」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060901STXKE032831082006.html

「母校の大学病院で研修を行う研修医は、実はあまり恵まれた研修生活を送っていない」ということが、一般にも知られてきています。
もともと大学病院は診療だけでなく、研究と教育も行う機関とされています。にもかかわらず大学病院が、研修の満足度で市中の民間病院に負けているというのは、本来あってはならないことです。

今後は大学病院の研修プログラムにおいても、教育効果を高めるための工夫が必要になりそうです。

高級ホテルのランチをキャンパス内で。
■「学食に高級ホテルランチ 神戸学院大学新キャンパス」(神戸新聞)
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/kz/0000137067.shtml

神戸・ポートアイランドの神戸ポートピアホテルは来年四月に神戸学院大学がポーアイに開設する新キャンパスにレストランをオープンさせる。同ホテルが大学に店を出すのは初めて。学生が対象のため価格は抑えながら、ホテルならではの素材や調理法の食事を提供することにしている。
同大によると、新キャンパスには、当面三千五百-三千六百人程度の学生が通うという。同ホテルは学生たちにホテルの存在をアピールするとともに、将来の利用につなげるため出店を決めた。
(上記記事より)

神戸ポートピアホテルのレストランは、どこもおいしそうですが、高いです……。学生向けに価格を抑えるとありますが、実際にどのくらいの価格帯になるのかが気になるところです。
ちなみにマイスターが学生の時は、なにしろお金がなかったので、「400円以上はぜいたく、500円以上は厳しい」という感覚でした(安い学食よ、ありがとう)。
もっとも、神戸学院大学の学生さん達は当時のマイスターに比べればずっとお金を持っていそうですから、もうちょっと豊かな食生活を送れると思います。
毎日とはいかないかもしれませんが、学生価格でホテルのシェフによる料理が食べられるのはうらやましいです。

■「ポートアイランド新キャンパス|新キャンパス基本設計」(神戸学院大学)
http://www.kobegakuin.ac.jp/~kikakubu/shintoshin/design.html

「将軍様」の大学が60周年だそうです。
■「金日成総合大学が創立60周年」(朝鮮新報)
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2006/04/0604j1012-00001.htm

本ブログでご紹介するのは非常に珍しい、北朝鮮のメディアによる報道です。

これは核実験を行う前のニュースです。ただ、たとえ実験後だったとしても、こういう行事は予定通り行っていたんじゃないかなぁ……と思わなくもありません。形式的なセレモニーを何よりも重視する国、という印象があります。
かの国では大学すらも、国威をアピールするためのメディアです。

労働新聞1日付は、「金日成総合大学創立60周年を熱烈に祝賀する」と題する社説を掲載した。
また、大学創立60周年に際して、大学の歩みを回顧するテレビの特集番組が放送されたほか、さまざまな記念行事が行われた。
一方、朝鮮記録映画撮影所では、金日成総合大学を題材にした記録映画「偉大な師の大学」も制作された。映画では、大学が歩んできた発展の歴史が当時の記録映像とともに映し出され、政治、経済、文化などさまざまな部門で活躍している卒業生の誇らしい姿も紹介されている。
(上記記事より)

しかし、国の全機関が連動して動くというのは、なんだかすさまじいですね。大学の広報活動はさぞスムーズであることでしょう。(というか、そもそも広報活動をしなくても、指導者階級の子息は自動的にいくつかの大学に進学するんでしょうかね……)

以上、今週のニュースクリップでした。

今週も一週間、本ブログを読んでいただいて、ありがとうございました。
明日以降も、どうぞよろしくお願いいたします。

マイスターでした。