「米博士号取得者の6.6%、非認証大学で取得」?

マイスターです。

どきっとするようなタイトルですが、これは韓国の状況を報じるニュースのものです。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「米博士号取得者の6.6%、非認証大学で取得」(中央日報)
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=90491&servcode=400&sectcode=400
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この5年間米国で博士号を取ったと学術振興財団に申告した人のうち6.6%が非認証大学で学位を取っていることが、調査により分かった。学術振興財団が23日に伝えた。

同財団がこの日、国会・教育委員会の柳基洪(ユ・キホン、ウリ)議員に提出した資料によると、03年1月から先月まで、米国で博士号を取得したと申告した4199人(324大学)のうち276人が米教育省が認めない学校で学位を取っているとのこと。同財団が「米教育省が認める大学」を確認できるオフィシャルサイト(http://ope.ed.gov/accreditation/Search.asp)で確認し、分かったもの。

柳議員によると、非認証大学の博士のうち少なくとも2人は韓国内の4年制大学の教授に任用され、現在在職中だ。博士276人が学位を取った非認証大学は計23校で、アメリカワールドユニバーシティー(AWU)とミッドウエスト神学大学がそれぞれ39人で最も多く、コアン神学大学38人、バーナディアン大学28人、ヘンダーソンクルスチャン大学27人などだ。

非認証大学出身の博士のうち、牧会学科などキリスト教関連の学位を取った人が140人で、半分を越える。

(上記記事より)

アメリカには、「ディプロマ・ミル(学位製造工場)」と呼ばれる機関が多数、存在します。
表向き「大学」を名乗っていても実際にはまっとうな大学教育を施しているとはいえない機関や、そもそも始めから、お金で学位を販売することを目的にしてつくられた機関などです。

(参考:過去の関連記事)
・アメリカで流通する「ニセ学位」(2005年10月04日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50064702.html

このような団体は、まっとうな認証機関から認証評価を受けておりません。
そのため、そこが発行する学位には、ほとんど社会的な価値が認められないのです。

「学士」「修士」「博士」といった学位の肩書きにつられて、ニセ学位とわかりながら買うケースもあれば、いんちき大学であることに気づかず入学し、「卒業」して学位を得てしまっているケースもあるでしょう。

いずれにしてもこのような場合、「博士」や「修士」「学士」といった学位に見合うだけの能力を本人が得ている可能性は、非常に少ないわけです。
こういった学位を履歴書に書いて、社会で活躍しているような方がいるのは、問題なのですね。
(しかもそれが、大学教授や医師、弁護士などといった、社会的に影響力の大きい専門職だったりすると、なおさらです)

で、韓国です。

韓国は日本に比べて留学志向が強いと言います。
が、アメリカに留学して学位を得た韓国人留学生の6.6%は、こうしたニセ学位なのだそうです。

その数、実に276人。
決して小さな数字ではありません。

韓国が、国としてどのように対応していくか、要注目です。

そして、日本の留学生について同じような数字が出ているのか、気になります。
日本も、国内では「大学」と名が付いていればとりあえず、そうあやしい団体ではない……という認識をお持ちの方が多いと思います。
実際には、どうなのでしょうか。
(どなたか、既出のデータなどご存じでしたら、教えていただければ幸いです)

以上、マイスターでした。