ニュースクリップ[-7/20] 「北大が地方議員向け勉強会 全国初、議会活性化目指す」ほか

マイスターです。

さて、日曜日になりましたので、今週も一週間の教育ニュースの中から、いくつかを選んでご紹介します。


【地方政治の活性化に大学院が貢献。】
■「北大が地方議員向け勉強会 全国初、議会活性化目指す」(47NEWS)

北海道大公共政策大学院(札幌市)が、全国の地方議会の議員や議員志望者を対象に、財政再建団体の夕張市を訪問したり、厳しい財政問題への対応や地方議会の在り方について学んだりする勉強会を8月27-29日に開催する。
地方議会の活性化が目的で、同大によると、大学が議員向けの勉強会を開くのは全国で初めて。同大は今後も定期的に開いていく計画だ。
勉強会は、社会に向けて学習の機会を提供したいという大学側の考えと議員からの要望で実現した。宮脇淳教授らが地方分権改革の動向や自治体財政のチェックポイントなどについて講義。参加者全体での討論も行う。

(上記記事より)

政治・行政の人材を養成する公共政策大学院が、ここ数年、各地の大学で増えてきています。
北海道大学公共政策大学院では、このように地方議員向けの勉強会を企画しているとのこと。
日程の詳細は↓こちらから閲覧できます。

■「2008地方議員向けサマースクール:概要日程(PDF)」(北海道大学公共政策大学院)

大学院の教授陣による講義に加え、最終日には財政再建団体となった夕張市を訪ね、地域再生課長や市議会議長などから話を聞く機会もあるなど、充実した内容。
公共政策大学院の主旨に合った企画だと思いますし、社会に対して大学院の存在感を打ち出すことにもつながると思います。

【生涯学習の現状。】
■「生涯学習「したことある」が47・2%で微減 内閣府調査」(MSN産経ニュース)

内閣府は19日、「生涯学習に関する世論調査」を発表した。
この1年間に文化活動や趣味、スポーツなどの生涯学習を「したことがある」と答えた人は47・2%で、前回調査(平成17年5月)の47・6%よりわずかに減った。「していない」は51・4%だった。文部科学省生涯学習推進課は「伸び悩んでおり、厳しい数字だ。結果を分析し今後の普及啓発につなげたい」としている。
具体的な内容(複数回答)では、「健康・スポーツ」が22・5%で最も多く、「音楽や美術」(19・8%)、「パソコン・インターネット」(14・0%)、「文学や歴史」(10・2%)と続いた。
生涯学習を行っていない人の理由のトップは「仕事が忙しくて時間がない」で45・4%。次いで「家事が忙しくて時間がない」が18・9%、「きっかけがつかめない」が16・4%。
また、生涯学習で得た知識や技能、経験を社会的に評価すべきだと考えている人は前回より7・9ポイント増え、66%にのぼった。
(上記記事より)

生涯学習を行っている人は微減。少なくとも、増えてはいないという結果が出ました。
18歳人口が減少する中、キャリアアップに熱心な層や、シニアなどを対象にしたコースの拡充に関心を寄せている大学は少なくないと思いますが、なかなか状況は進まないようです。

生涯学習を行っていない理由が紹介されていますが、「学ぶ時間がない」方が多く、また「学んだ成果が評価されるようにすべきだ」と考えている人が増えているとのこと。
日本では、両方とも、我が身に置き換えて、納得される方が多いのではないでしょうか。

「ワーク・ライフ・バランス」という言葉がありますが、「ワーク・ラーニング・バランス」みたいな概念も、これからの社会では結構、重要なんじゃないかと思います。
(「ラーニング」が、現状のワークとライフのどちらに帰属するのか等、実践するとなると議論も多そうですけれど……)

【退職後に大学に通って夢を実現。】
■「72歳で夢の教壇に 南区の女性、退職後に教員免許」(京都新聞)
■「元神戸鋼社長が薬学博士に=82歳、糖尿病性白内障を研究」(時事ドットコム)

両方とも、元気の出るニュースです。
努力を重ねて高い目標に辿り着いたお二方の素晴らしさはもちろんですが、大学という学びの場が、様々な方の夢の実現のステージになっているということも、改めて実感します。

【大学教員、小学生に放射線を講義。】
■「放射線を学ぶ/川崎・南菅小」(カナロコ)

二〇〇八年度、国からエネルギー教育実践校に指定された川崎市立南菅小学校(多摩区)で十八日、一回目の授業として、六年生六十一人が実験を通して放射線について学び、身近に存在することを確かめた。
(略)授業では、武蔵工業大学原子力安全工学科(東京都世田谷区)の准教授と大学院生計四人が講師を務めた。六年生は放射線が通過した後を目視できる簡単な実験に挑戦。放射線がプラスチック製の容器の中を通過すると、冷やされた水蒸気が飛行機雲のような線を描く仕組みで、六年生はじっと実験装置に目を凝らし放射線が通過する様子を眺めていた。このほか、放射線測定器を持って校内を回り放射線の濃度を調べた。
(上記記事より)

川崎市立南菅小学校は、経済産業省が二〇〇二年に始めたエネルギー教育事業の実践校。
上記の取り組みも、その一環です。

今回、派遣された専門家は、大学の原子力安全工学科の教員。珍しい取り合わせです。
小学生としては、とても貴重な学びの体験になりますね。

【目指せ世界制覇。】
■「豊橋技科大が世界制覇宣言」(東日新聞)

豊橋技術科学大学ロボコン同好会「とよはし☆ロボコンズ」(顧問=鈴木新一・機械システム工学系准教授、浜田光誉リーダー、24人)がNHKロボコン2008で優勝し16日、豊橋市役所を訪れ、早川勝市長に報告した。日本代表として、来月インドで開かれる世界大会(ABUアジア・太平洋ロボコン)に出場する。早川市長から「ぜひルビーの優勝杯を持ち帰ってほしい」(笑い)と激励された。
(略)
世界大会は8月31日にインド・プネ市で開かれ、17カ国18チーム(開催国インドから2チーム)が出場する。一行は8月28日に出発、9月3日に帰国する。
(上記記事より)

目を惹く記事タイトル。内容はおなじみ、ロボコンに関するものです。
豊橋技術科学大学は、国内大会の優勝常連校。「世界制覇」宣言も、裏付けとなる自信があってのことでしょう。

「世界制覇」できる分野があるということは、その大学に通う学生にとって大きな誇りであり、励みになることでしょう。優勝にも、学内から期待がかかることと思います。
チームの健闘を祈ります。

以上、今週のニュースクリップでした。

今週も一週間、本ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。
来週も、お互いがんばりましょう。

マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。