マイスターです。
中国の大学風景を描写している、ちょっと興味深い記事を見つけました。
メディアのサイト「中国情報局」に掲載されていますが、元々は、中国語で書かれたブログ記事のようです。それを「中国情報局」が日本語に翻訳して紹介しているのですね。
そのため、どこまで内容に信憑性があるのか保証はできません。でも、「こんなこともあるのかな」というくらいの気持ちで読む分には、面白い内容です。
その辺りにご留意いただきながら、お読みください。
【教育関連ニュース】—————————————–
■「保護者溢れる新学期の大学」(中国情報局)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0719&f=column_0719_010.shtml
(元ネタとなったブログ)
■「今年新生怎么去学校报到?(中国語)」(扈加葉的BLOG)
http://blog.sina.com.cn/u/4c16df1a01000avg
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昨年の大学入学の際、多くの親が付き添った光景が報道され、まだ多くの人々が記憶に留めているであろう。浙江大学では5000人の新入生に対して20000万人の親や友人が付き添い、北京大や清華大では、泊まる場所を探せず、教室の入り口や道端で夜を明かす保護者も出現した。
大学の食堂でも付き添いの親が多すぎて、食事を提供できないところもあった。新入生が入学手続きに来る数日間、校内は人で溢れ、一部の大学では新入生の入学時期の付き添い者の自粛を呼掛けざるを得ない状況であった。今年も同じような光景が見られるのだろうか。
(略)
この現象の出現自体、私は悪いことではないと思う。中国の経済発展と人民の生活水準が向上した表れであり、加えて交通も発達し、一般の家計にもゆとりが出てきたということである。また80年以降に生まれた一人っ子たちは自分で処理する能力はあまり高くなく、家から遠く離れた大学に送り出すのに両親は不安を覚えるという理由もある。
ある母親は、子供は10年あまり苦労を重ねてきたので、せめて今後4年間生活する場所を確認しておきたいと述べ、またある親は子供の自立性を信じていないという問題ではなく、やはり大学まで送りたいと言う。これは子供の問題ではなくて、親の問題である。
(上記記事より。強調部分はマイスターによる)
中国は広いです。
そして、色々な人がいます。
そのためなのか、たまに、マイスターの想像を超えた話を見つけます。
いつまでもそばで子供の世話を焼き続ける、子離れできない保護者のことを「ヘリコプター・ペアレンツ」といいます。
以前にもブログでご紹介しましたが、最近はすっかりマスメディアにも登場するようになってきました。
(過去の関連記事)
・“ヘリコプター・ペアレンツ” いつまでも子供から離れない親(2006年05月04日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50190571.html
大学に入学しても、キャンパスまで着いていくというのは、私達の感覚で言えばまさにこの「ヘリコプター・ペアレンツ」。
ただ中国の場合、もともと子供に対する親の接し方や考え方が、特徴的です。
欧米のそれとは全然違うでしょうし、日本と比べても「全体的に、ちょっと過保護・過干渉かな」という気がします。
以前にも、↓こんなニュースをご紹介したことがありました。
(過去の関連記事)
・「一家総出で大学新入生に付き添い 天津駅混雑」(2006年09月10日のニュースクリップより)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50242286.html
また、既に何度もご紹介したと思いますが、↓こんな光景もしばしば見られるようです。
■「統一大学入試、会場から出る受験生にどよめく親」(中国情報局)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=0607&f=national_0607_002.shtml&pt=large
何度見ても、インパクトのある光景です。
忘れられません。
このような特徴が、民族としての家族観から来るものなのか、「一人っ子」であるがゆえの溺愛ぶりから来るものなのか、はたまた「大学」に対する人々の認識の違いから来るものなのか、その辺りの詳細は、マイスターには分かりません。
第一、他の国、他の家族のことですから、余計なお世話は言いません。
ただ……それでも個人的には、やっぱりどこかアンバランスな印象を受けます。
中国はこれから、科学技術力や世界への政治・経済的な影響力、軍事力などで、日本を超えるプレゼンスを発揮していくことになるだろうと、少なからぬ方々が考えているのではないでしょうか。でも、そういった世界のエリート達が通う大学は、保護者であふれていたりするわけです。
どうなのだろうか、という気はします。
冒頭のブログの筆者は、記事を以下のように結んでいます。
両親にとっては、自分の子供はやはり永遠に子供なのだろう。しかしやはりまず子供一人で旅立たせ、その後にゆっくり訪問するのが良いと私は思う。
(上記記事より)
同感です。
と、色々と書きましたが、日本も他国のことは言えません。
過保護・過干渉かなと思う保護者の方は少なくないと思いますし、大学生になっても親離れ・子離れできない家族もたくさんあるでしょう。
一体どのような手段を執ったら、彼等を一人前の大人にできるのか。
そして同時に、簡単には退学しないようにするサポートができるのか。
それぞれで、ノウハウを蓄積していきましょう。
以上、マイスターでした。