オープンキャンパス 求められる保護者向け対応

マイスターです。

就職内定を出した学生の保護者を集めて、保護者向けの説明会を行う……最近では企業がそんな取り組みを行ったりもするらしいです。

保護者向け説明会に熱心なのは、主にベンチャー企業。

○優秀で野心あふれる学生さんが、ベンチャー企業の内定を得る。他の大きな企業からも内定を得ているが、ベンチャーに行こうと決意する。

 ↓

○しかし、親は「そんな聞いたこともないような、いつつぶれるかもわからない会社なんて反対だ。○○銀行の内定があるだろう、そっちでいいじゃないか。大企業ならつぶれる心配もないし、安心だぞ」みたいなことを言う。

 ↓

○長く親と言い合っているうち、子供も「そうなのかな」と迷い始める。
結局、周りの友人達が大手に行くのを見て、やっぱり大手にしようと考え直す

……といった流れを食い止めるのが目的みたいです。

具体的には、保護者(特に父親)に対して、社長自らが自社のビジネスについて説明する機会を設けるのです。そこでは調子の良い形式的な挨拶をいうだけではなく、悪い点も含め自社のおかれている現状について、ビジネスモデルと経営状況について、人材育成方針について、そして労働環境などについて、真摯に、ストレートに説明するのです。

すると、

「なんだ、結構いいところに目をつけている会社じゃないか。トップも若いがしっかりしているし、感心した。ここなら問題ないだろう」

と保護者も安心し、かえって子供以上に、その会社のファンになってくれたりするのだそうです。
ベンチャー企業は人材が命。優秀な人材を一人でも多く集めなければなりません。一度内定を出した学生が他社に逃げてしまうのも防がなければなりません。
そこで賢い経営者は、保護者を味方につけるのです。保護者がバックアップしてくれれば鬼に金棒。入社まではおろか、入社後働き出してからも、何かと物事がスムーズに運ぶようになるのだとか。
雑誌か何かでこの話を知ったときは、なるほどなぁ、と思いました。企業間の熾烈な人材獲得競争を勝ち抜くために、ちょっと頭を使ったというケースです。

親が子供の就職先に行くなんて……という気もしなくはありません。ただ別に親が子供の代わりをするという話ではありませんしね。しょっちゅう親が来ていたらそりゃあ問題ですが、最初の一回説明をするくらいならいいのかな、とも思います。
子供はとっとと親に安心してもらって仕事に打ち込む環境を作りたいし、親も安心できる会社なのかどうか詳しく知りたいし、企業は内定者をつなぎとめたい。一回の説明会でそういった諸々の懸念事項が吹き飛ぶのであれば、メリットは大きいでしょう。

……と、前振りはここまで。

最近↓こんな動きがあるようですので、ご紹介します。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「受験生獲得、まず親から オープンキャンパス競争激化」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200704160225.html
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受験生獲得にはまず親をつかめ――。保護者対象のオープンキャンパスや説明会、保護者用の大学案内などを作る大学が増えている。大学全入時代を迎え、大学間競争が激しくなる中、保護者にターゲットを定める動きが目立ち始めた。
(略)
オープンキャンパスや入試説明会では近年、親子参加や親だけの参加が増え、熱心に質問する姿が目立つという。同大入試課は「保護者に大学の取り組みを体感してもらうことで、安心して選んでもらうことにつながる」と話す。

受験生向けのオープンキャンパスの中で保護者対象の説明会を設定する大学も増えている。関西学院大(兵庫県西宮市)の場合、受験生対象の説明会が入試内容や学部・学科の紹介が中心なのに対し、保護者対象は、大学の教育方針や学生の住環境、卒業後の進路、奨学金などを中心に説明しているという。

受験生向けとは別に、保護者用の大学案内をつくる大学も出ている。

中央大学(東京都八王子市)は昨秋、「保護者の皆様へ」というリーフレットを作成した。「司法試験などの資格に強い」「他の私大に比べて学費が安い」など他大学との比較データを盛り込んでアピールしている。

経済産業省の委託でベネッセコーポレーションが実施した調査では、「進路選択の際に意見を参考にした相談相手」として、「高校の先生」の70%に次いで「母」の68%が多い。女子では母が最も多いという。

(上記記事より)

というわけで大学も、保護者に対する説明を手厚くする傾向があるようです。
就職と違って、大学の場合「保護者が学費を払う」というケースが大半でしょうから、さらに説明の重要性は高まります。さらに、進学先選びに関して保護者の意見を参考にするというケースも多いようですから、これではもはや、保護者を放っておくほうがおかしいくらいではないでしょうか。

上記の記事では、「親にも大学の取り組みを体感してもらう」というアプローチが紹介されています。これが大学選びにどれほどの効果が発揮されるかはわかりませんが、例えば文系出身者しかいないご家庭にとっては、理工系の授業や実験を体験することが進路理解の第一歩になったりするのかも知れませんね。

また、

関西学院大(兵庫県西宮市)の場合、受験生対象の説明会が入試内容や学部・学科の紹介が中心なのに対し、保護者対象は、大学の教育方針や学生の住環境、卒業後の進路、奨学金などを中心に説明しているという。

……とこのように、親にはお金が絡むリアルな話や資格・就職実績に関係する内容を中心に話すという路線をとる大学もあります。大事ですよね。こういった方針で保護者に説明を行う大学は少なくないと思います。

ただマイスターは、今後はお金や就職のことだけでなく、「教育内容」についても保護者の関心が今以上に高まってくるように思います。

学力低下や少子化、ニートの増加などに伴い、「大学の教育力」というテーマは世間でも大きな話題として取り上げられています。伝統ある有名大学であっても教育力は低いのではないか、なんてことについて、あれこれと思いを巡らしている保護者の方は多いのではないでしょうか。
何しろ今では、ビジネス雑誌や総合誌、新聞、ネットニュースをはじめ、あらゆるメディアが大学の問題を追っているという状況です。受験生の子を持っていれば、我が子が志望する大学の「中身」がどうなのか、気になるのが普通でしょう。

今後はお金や就職だけでなく、GPなどの特色ある取り組みや、留年率の高さ、学生の語学力などについても、保護者から具体的な質問や要望が大学に寄せられるようになるような気がします。

加えて、AO・推薦入試の拡大という動きもありますよね。今や優秀な生徒は、早い段階で複数の大学から合格を得ていることも珍しくありません。
入学後もちゃんと、補習をはじめバックアップの体制が整っているのかどうか。挫折しそうな学生にきちんとフォローをしてくれる仕組みがあるのかどうか。熱心な保護者なら、そんなことを気にかけそうです。

保護者の目は受験生本人よりシビアですから、こういったことについて、大学は今後より厳しく評価されるようになるのではないでしょうか。

そこで、保護者に対して有効な働きかけを、ひとつお教えします。
それは、「トップの説明」「教員の説明」です。
学科長などの責任者が、真摯な姿勢で自分達の取り組みについて説明を行う。おそらく、これに勝る保護者対応はありません。

逆に言うと、責任者が説得力も魅力も感じない説明をしたら大変です。「○○大学の先生の方が真摯な感じで言葉も力強かったし、信頼できるな」とすぐに比較されます。お気をつけください。

このほかにも、どうやったら保護者と受験生本人の心を掴めるのか、様々な工夫の余地があると思います。
各大学の皆様、試行錯誤しながら、オリジナルのノウハウを積み重ねていってください。

以上、マイスターでした。