大学キャンパスの3次元CGを「Google Earth」上に構築するコンテスト

Google Earthで世界各国の観光地を見るのが趣味、マイスターです。

旅行会社のチラシを見るのが好き、と言う人には、ぜひお勧めしたい。何よりお金がかからないのが最高です(小市民の発言)。

ご存じない方のために簡単にご説明しますと、Google Earthというのは、地球上の地表写真を瞬時に表示させるソフトです。
地名などを検索窓に入れると、はるか上空からぐぐー……っとその場所に近づくアニメーションで、その場所の衛星写真を表示してくれます。交通機関やホテル、観光名所などの表示を出す機能も備えており、とても便利で楽しいソフトです。
著名な建築物などは、なんと3D表示もできます。

「世界中の情報を整理し尽くす」のがGoogleの目的だそうですが、このGoogle Earthはその中でも主に、地理情報を担当するプロジェクトなのだと思われます。そのうち、この地理情報システムとGoogleが蓄積した他の情報、または全世界のユーザーが制作した情報が組み合わされ、とてつもないインフラになるのでしょう。
百聞は一見にしかず。皆様もぜひ一度お試しあれ。

ところでGoogle Earth の最新版では、3D表示がさらにリアルになったみたいです。

■「Google Earth 4 – 新機能 さらにリアルになった建物の 3D 表示」(Google)
http://earth.google.co.jp/earth4.html

大学のキャンパスをこのGoogle Earthマップ上に3Dモデルで構築したら、ちょっとしたキャンパス体験になるよなぁ……

などと考えていたところ、↓こんな企画を見つけてしまいました。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「『あなたの大学を3Dで』――Google、コンテストの作品受付開始」(ITMedia NEWS)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0701/27/news004.html

■「Welcome to the Build Your Campus in 3D Competition!(英文)」(Google)
http://contest.sketchup.com/entry.php
————————————————————

あなたの大学のキャンパスを、3Dでデザインしませんか――米Googleが1月25日、「Build Your Campus in 3D」コンテストの作品募集を開始した。

参加者は北米の学生であることが条件で、1人でもチームとしてでも応募可能。Googleの3Dデザインソフト「SketchUp」で3D作品を制作し、Google Earth上での場所を指定して提出する。応募作品はすべてパブリックドメインとなり、Googleの「3D Warehouse」で公開されるほか、Google Earth上でも見ることができるようになる。
(「『あなたの大学を3Dで』――Google、コンテストの作品受付開始」(ITMedia NEWS)記事より)

Google主催の、大学キャンパス3Dモデルコンテストです。審査員には、ゲームやアニメーション、建築デザインなど、3Dモデリングに関わる専門家の方々が並んでいます。非常に興味深いですね。
チームとしての参加も可能だそうですから、情報科学やデザイン関係の大学で、教育の一環としてこのコンテストに取り組む方々も出てくるのではないでしょうか。

「北米の学生」であることが条件なので、残念ながら今回のところは日本の大学生達は参加できないようです。
でも、ひょっとしたらそのうち、日本でも同種の取り組みが行われるようになるかもしれません。

少し話は逸れますが、「web2.0」というキーワードを、おそらく皆様もどこかで耳にされたことがおありでしょう。web2.0の特徴の一つは、ユーザー参加型だということです。平たく言うと「コンテンツはユーザーが作る」ということですね。

(過去の関連記事)
・仮想社会の中で、リアルな動きを起こそうとする人々
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50259424.html

↑以前の記事で、オンラインゲーム「Second Life」のことをご紹介いたしました。
この「Second Life」も、ゲーム世界に登場する各種の小道具や建物、アミューズメント施設などは、すべてユーザーが自ら作成したものなんです。

一つの世界に存在するものすべてを企業が用意してあげることは、ほとんど不可能です。大勢のスタッフが必要になりますし、お金も時間もかかってしまうでしょう。
でも、ユーザーに3Dモデル作成キットを提供し、「ほら、これで好きなものを作ってよ」と促せば、参加しているユーザー達が少しずつ世界を拡げていってくれるのです。企業はインフラを用意することに徹するというわけです。
この方がユーザーもアクティブに活動しますし、お金もかかりません。ユーザーは時に提供企業の側が予想もしないような制作物を作ったり、勝手にイベントやサービスを始めたりします。そうやって、サービスが爆発的に拡がるのですね。
このダイナミズムが、web2.0と呼ばれるサービスに見られる特徴の一つなのです。

話を戻しますと、冒頭のGoogle Earthの企画にも、

「スキルと好奇心を持っている若者達に、コンテストを通じてツールの使い方に慣れてもらいたい。今後のGoogle世界の構築に参画してほしい」

という意図があるに違いありません。

キャンパス制作コンテストは、そのためのきっかけ作りの一つでしょう。

ですから北米の後は、韓国や中国、そして日本など、世界各国で同じような企画を行うんじゃないかと、マイスターなどは考えるわけです。

情報系の大学にとっても、こうしたコンテストはいいチャンスです。
教育上、学生が取り組むプロジェクトとして手頃です。また、

上位5~7チーム(50人まで)は、Google本社に招待され、3Dモデリングに関するワークショップや本社見学ツアーなどに参加できるという。
(「『あなたの大学を3Dで』――Google、コンテストの作品受付開始」(ITMedia NEWS)記事より)

……という特典も魅力的でしょう。学生の皆様にとって、大いに制作意欲をかき立てられるコンテストであると思います。

学生だけではありません。大学当局にとっても、こういったプロジェクトに学生が参加することにはメリットがあります。
学生がすばらしい3DモデルをGoogle Earth上に構築してくれれば、何よりの大学広報になるからです。PR活動に熱心なアメリカの大学関係者達が、これに目をつけないはずがありません。
(先日、NHKが放映していたGoogleについての特集番組によると、Googleのキーワード広告において、英語で「オンライン大学」というワードを順位の最初に表示させる場合、ワンクリックおよそ5,000円ほどの金額がかかるらしいです……)
Googleは今や「Googleでヒットしない情報は、世の中に存在しないのと同じ」と言う人もいるくらい、社会に対して大きな影響力を持つサービスです。ですから仮にコンテストで結果がふるわなかったとしても、大学関係者達はどうにかして自校のキャンパスをGoogle Earth上に表示させようと試みることでしょう。

とりあえず、日本で同種のコンテストが開催される際には、自校の学生さん達に参加を呼びかけることをお勧めします。

と、様々な人達の思惑を想像しながら、冒頭のニュースを読んだマイスターでした。