ニュースクリップ[-8/14] 「大学全入、まだ先の話?文科省調査で予測下回る」ほか

マイスターです。

先週日曜日分のニュースクリップをお届けします。
(しばらくネット接続が困難な場所におりましたので、予定をちょっとずらさせていただきました)

全入時代の到来がちょっとだけ先に。
■「大学全入、まだ先の話?文科省調査で予測下回る」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060811ic02.htm

大学・短大の志願者数に対する入学者数の割合は今春、89・0%で、文部科学省の試算値95・1%を大幅に下回ったことが10日、同省の学校基本調査(速報)で分かった。
同省は、志願者数と入学者数が一致する「大学全入時代」が来春に到来すると予測し、大学関係者の注目を集めているが、到来時期が遅れる可能性も出てきた。
(略)
文科省は、少子化の影響により18歳人口が減少するため、志願者数が大きく減る一方、入学定員は横ばい状態で推移するため、志願者と入学者の総数が近づいていく、と予測していた。ところが今春は、景気回復の影響で、家庭の経済状態が改善するなどしたため、現役生の志願者数が文科省の予想を上回ったという。(上記記事より)

数値上、志望者の100%がどこかの大学・短大に入れる状態となる「全入時代」の到来が、思っていたより遅れているという報道です。景気が回復したため、現役志願者が増えたのが原因だという分析。大学関係者にとっては、ちょっとだけ嬉しいニュースかもしれません。
もっとも「ほぼ全入」であることには変わりありません。全員が入学できるようになるのも、時間の問題です。ここは、「100%になる」という前提で、改革を粛々と進めていくべきかと思います。

それぞれの大学進学率。
■「大学進学率、過去最高の45%・学校基本調査」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060810AT1G1003B10082006.html
■「大学・短大・進学率最高の53・6% 県立高普通科 387人が区域外に(滋賀)」(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006080900036&genre=F1&area=S00
■「大学進学率、依然全国ワースト2位(岩手)」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news2/20060811wm01.htm
■「県立高校卒業者の大学等進学率が過去最高に(栃木)」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news2/20060705wm04.htm
■「大学進学率、過去最高38.2%(青森)」(東奥日報)
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2006/20060811083956.asp
■「大学進学率初の50%超 就職率も3年連続増(埼玉)」(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/00/stm/20060812/lcl_____stm_____000.shtml

学校基本調査速報によると、今春の高卒者と浪人生を合わせた大学・短期大学への進学率は52.3%で前年度比0.8ポイント上昇し、過去最高を更新した。大学進学率も45.5%で同1.3ポイント上昇し、こちらも過去最高になった。
短大への進学率は6.8%、専門学校への進学率(現役)は18.2%でそれぞれ同0.5ポイント、同0.8ポイント低下。短大、専門学校から4年制大学に、高校生の進学先がシフトしているようだ。
NIKKEI NET記事より)

大学・短期大学への進学率は52.3%で、言うまでもなく過去最高です。
四年制大学だけを見ても45.5%。「これまでは大学に行くことがなかった層」の高校生が大学に進学するようになったというわけです。大学で行われる教育を質的に変化させていかなければならないと思われます。が、さてこの状況に、各大学はちゃんと対応できているでしょうか。

各県のメディアも、自県の進学率を大きく報道しています。
大都市圏で全国平均を上回る県が出ている中、30割代の県も。低い県は、「上げなければ!」と目標値を設定しているようですね。
数値が上がると「各校のきめ細やかな進路指導の成果」などと、ちょっとうれしそう。

行政は、進学率の上昇を目標にしていて、
大学は、進学率の上昇を驚異に感じている、というわけですね。

難民の教育を支援する企業
■「ナイキ、難民の子供たちに教育とスポーツを」(日本繊維新聞)
http://www.nissenmedia.com/today/index.php?no=9972

ナイキジャパンは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とともに、難民の子供たちに教育とスポーツの機会を与えるための啓蒙キャンペーン「ninemillion.org」を開始する。18日にキャンペーンの日本語サイトを開設するとともに、渋谷で2週間にわたり難民の子供たちの写真展を開く。戦争や民族紛争によって現在900万人の子供が難民となっている。
(上記記事より)

■ninemillion.org
http://ninemillion.org/

ナイキの試みです。
難民がいる国の状況をビジュアルと数値で見せつつ、寄付を募るサイトです。
同社のような国際企業はどこも社会貢献活動に力を入れていますね。活動のPRも、うまいなと思わせるものが多いように思います。

大学も、十分な人数のスタッフさえいれば、こういう活動を行えるのでしょうね。

経団連会長の「大九州大学」構想。
■「経団連会長が『大九州大学』を提唱」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0814/TKY200608140220.html
■「経団連会長『大学統合で研究開発力強化を』」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060813AT3K1300913082006.html

日本経団連の御手洗冨士夫会長が、全国の国立大学法人をブロック単位に統合・再編する私案を提唱している。大分県出身の御手洗氏は特に、九州各県の国立大学法人を統合する「大九州大学」構想を主張する。
御手洗氏は13日、大分市で開かれた会長就任祝賀会での講演でこの構想を披露。月刊誌「文芸春秋」8月号への寄稿で触れた際に、法学部、経済学部を九州大、理工学部を熊本大、医学部を長崎大に集める案を示した。
13日の講演で御手洗氏は「九州各県の国立大学法人をそれぞれの主要学部に特化し、世界に冠たる研究機関として大九州大学に発展させれば、世界中から優秀な人材が集まり、新技術・新産業が育つ」と語った。
Asahi.com記事より)

University of California」の、「UC System」みたいなものかな、と勝手に想像するマイスターです。

確かに、九州大学クラスの研究大学なら、それもアリかも知れません。
もっとも、長崎大学や熊本大学はそれぞれ、その県の人材育成を担っている総合大学であるわけで、そういった機能をどのように継承するかということも、考えられなければならないと思いますけれど。

独立行政法人になったけれど。
■「大阪市立大の職員募集、関市長が『遺憾』」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200608110216.html

市政改革の柱として、今年度から5年間、職員の新規採用を原則凍結している大阪市の関淳一市長は11日、事務職員の募集を始めた同市立大学の金児暁嗣(さとる)学長と市役所で会い、「改革の精神に反し、遺憾だ」と伝えた。市立大は今年4月、公立大学法人として市から独立しており、関氏は採用の停止までは求めなかったが、採用試験の実施方法などについて再考を求めた。金児学長は「募集は中止しないが、応募資格は見直したい」と応じた。
(上記記事より)

法人として独立した以上、独自に採用活動を行いたい、大阪市立大学。
一方、独立された側にあたる大阪市ですが、市長の方針で職員の採用を原則、凍結しています。ですから、大阪市立大の職員募集に対して抗議しているというわけですね。
記事にあるように、法人として別の組織ですから、人事も独立しています。とは言え、市政と完全に切り離されたかというと、そういう訳でもないでしょう。
これはなかなか複雑な問題ですが、一番良いのは、当事者同士で事前に考えを伝えあっておくことでしょうね。

他の自治体でも、こういうトラブルは起きえます。皆様もご注意を。

英語嫌いの親。
「保護者半数以上が英語嫌い 訳読中心の授業が原因か(山形)」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news2/20060808wm00.htm

中学・高校生の時、英語の授業は嫌いだった――。県教委が、小・中学生の子どもを持つ親を対象に、かつて自分が受けた英語の授業の感想などをアンケートで尋ねたところ、回答した親の半数以上が良い印象を持っていないという結果が出た。県教委は、「英文を音読して訳す授業の仕方が原因だったのでは」と分析。過去の授業の問題点を洗い出し、今後はリスニングや実践的な会話などに力を入れる方針だ。
(略)
従来の英語教育が“不評”だったことについて、県教委は、読み書き中心の内容にあると判断。「保護者は、会話を中心にした授業で、日常的な平易な英語を使えるようになることを望んでいる」として、報告書に反映させる方針だ。
一方、今月3日に有識者が集まって開かれた「県英語教育推進会議」では、「小学校では会話中心の楽しい授業でもよいが、中学校では高校入試を意識して、読み書きも重要になる」などの意見も出された。県教委は「各年代に合わせた教育方針を立てるが、いずれにしても会話や聞き取りを重視したい」としている。
(上記記事より)

日本人は何年英語を勉強しても満足な会話ができないとよく批判されますが、そもそも、「英語が嫌い」な人が多いのですね。山形県教委が、小・中学生の子どもを持つ親に対して行ったアンケートの結果では、親の過半数英語嫌いだそうです。
日本全国を見ても、「英語は嫌いだった」と答える人は少なくないのではないでしょうか。マイスターも、高校生の時は、英語はあまり好きではありませんでした。どれだけ勉強しても、英会話ができるようになるというイメージがまったくわきませんでしたので。

読み書き能力も重要ですから、教える必要はあるとマイスターは思います。しかし、現在のやり方では、「英語が嫌い」という人を量産し続けるだけではないでしょうか。

有識者が集まって開かれた「県英語教育推進会議」では、「小学校では会話中心の楽しい授業でもよいが、中学校では高校入試を意識して、読み書きも重要になる」などの意見も出された。

と記事にはありますが、読み書きを教える理由が「高校入試」というのは、なんだか悲しいですよね。

ブラジルで、海外留学をする学生が激増中?
■「外国の大学で学ぶ・伯人留学生が四年で倍増」(サンパウロ新聞)
http://www.spshimbun.com.br/content.cfm?DO_N_ID=12187

外国の大学での留学希望者が増えているが、これに伴い短期の外国語専門学校への入学者も増えている。文化交流を本業とするエージェントの協会BELTAによると、二〇〇三年に外国で勉強していたブラジル人学生は三万四千人いたが、今年はこれが倍増、七万人となる見込みでこの傾向は当分続くと見られている。BELTAのタチアナ・メンデス会長によれば、外国語専門学校への入学希望者の増加は外国の大学への入学希望者の増加を意味し、まず言葉を覚えてから外国の大学へ入るのがより効率的という見地からきている。
ちなみに二〇〇四年のブラジル人の留学先は二五%がカナダ、一六%がイギリス連邦、一六%がアメリカ、一二%がオーストラリア、一〇%がスペイン、九%がニュージーランド、一二%がその他となっている。
また、全世界のブラジル人の留学生数は二〇〇二年に四万二千人、二〇〇三年に三万四千人、二〇〇四年に四万二千人、二〇〇五年に五万四千人、今年は七万人になると推定されている。
(上記記事より)

すさまじい増え方です。かの国で、いったい何があったのでしょうか……。
詳しく分析したら、日本にとっても何かヒントになるところがあるかもしれませんね。

以上、ニュースクリップでした。

パソコンが壊れたので、新しいのを秋葉原で買いました。
秋葉原で電化製品を買うときは、値切るのが普通。というわけで、熱心に値切り交渉しました。結果的にはあまり値引きされませんでしたが、対応してくれた若い店員さんは、一所懸命上司に交渉してくれたりして、とても好感を持てました。

Microsoft Officeのアカデミックパックも買って、最後に品物を受け取る際、店員さんがにっこりと笑顔で一言。
「実は私、○○大学の学生です」
マイスターの勤務先の学生さんでした。アカデミックパックを買う際に教職員証を提示したので、そこで気づいたみたいでした。
学生さん相手に、値下げ交渉をしてしまった自分……別に、失礼なことをしているわけではありませんが、でもちょっと恥ずかしかったです。

それにしてもその店員さん、教職員証を提示する前から、とても親切な対応でした。お客様サービスに従事する人間として、かくありたいものだな、と思いました。勉強になりました。
(その後、お店の公式アドレスに、「親切な対応をありがとうございます」というメールを出しましたが、通っている大学の職員だということはもちろん秘密です)

今回も、本ブログをご覧いただき、ありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

マイスターでした。