大学生の時、近所のおこちゃま達に「ナイスミドル」というアダ名をつけられたことがあるマイスターです。
ちょっとショックでした。
【教育関連ニュース】——————————————–
■私大の定員割れ、過去最多 全体の3割、160校(Asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0725/007.html
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大学関係者であれば外せないこのニュース。
定員割れの私大は年々増加しています。
「全入時代」
「ユニバーサルアクセス」
などと言われる昨今。
毎年更新されるこうした「過去最多!」というデータが、私たちに変革を迫ってきていますね。
(見ないふりをして過ごす人もいますけど…)
定員割れの大学は、昨年度の155校から5校増え、過去最多を更新した。ここ数年、定員割れの大学は全体の3割程度で高止まりしている。定員充足率については、最高だった大学が243%にのぼる一方で、最低の大学は14%となっており、大学ごとに大きな格差があった。(上記記事より引用)
「定員充足率」とは、「定員に対する、入学者の比率」です。
なので、最高の243%というのも、これはこれで問題です。
本来受け入れ可能な数の、2倍以上が入学してしまったわけですから。
なお定員充足率が低くなる理由は、学校によって違うと思います。
志願者が多くても、定員を守るために多くは合格させられず、結果的に他大学へ行ってしまった学生を差し引いた歩留まりを見誤った学校。
本当に志願者が集まらなくて、定員割れを起こしている学校。
様々なケースが考えられるからです。
ただ、
「ここ数年、定員割れの大学は全体の3割程度で高止まりしている」
ということですから、本当に定員割れの大学が多いのでしょう。
短大の場合、定員割れは、昨年度の164校から6校減って158校だった。全体の約4割を占めているが、約6割に達していた5年前に比べて持ち直している。(上記記事より引用)
とありますが、これには若干、統計のトリックが含まれています。
定員割れを起こした短大が次々と四年制大学に改組・転換していることもあって、短大の全体数は減り続けているからです。
■「短期大学の設置者別学校数(~平成16年度)」(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/04073001/004/002.htm
5年前と比べて、15%くらい、短大数が減っているんですね。
毎年、20校近いペースです。
そのすべてが、定員割れを起こしていた短大とは言えません。
国立の医療系短期大学など、定員を十分に確保していた短大も混じっています。
とは言え、定員を集められず行き詰まっていた短大がかなりの割合で含まれていると推察されます。
つまり、「持ち直した」のではなく、単純に、定員割れの短大が四年制大学に変わっただけです。
なので、「短大は5年前と比べて2割持ち直した」というのはおそらく、正確ではないでしょう。
・参考「私立大学『欠員率』(2001年度入試データ)」(雑誌:『選択』)
http://www.sentaku.co.jp/backnumber/not_member/html/s0206124.htm
※定員割れ私大ワーストランキングの上位に、近年、短大から転換された女子大が多く含まれています
筑波大学 大学研究センター長の山本眞一氏が、自身のwebサイトで大学の定員充足率について述べられていました。
実質志願率の高い順に大学を並べると、上位100 校のグループでは32 パーセントの入学定員に対して、志願者数の54 パーセントを集め、合格者、入学者についても定員におけるシェア以上の数を確保しており、定員充足率にもゆとりがある。
しかし下位校になると、全体に占める定員数に対して、志望者、入学者数が少なくなり、定員充足率は下がっていく。
氏は、そんな傾向を指摘しています。
「18 歳人口が2割減れば、志願者数もそれに近いだけ少なくなると考えるのが当然であるが、そのしわ寄せは、各大学に満遍なく及ぶのではなく、人気のない大学には厳しく、そして人気の高い大学には緩やかであると考えるのが自然であろう。」
(http://www5a.biglobe.ne.jp/~syamamot/shiritsudaigaku%20ketsuinritsu.pdfより引用)
頭ではわかっていても、実際に数字が出てくると、焦燥感が生まれますね。
焦燥感を感じている学校は、まだマシかも知れません。
感じていない人が業界にはまだまだ多いようです。
定員割れの大学は、まだしばらくは増加していきそうです。
私のサイトへのコメント投稿ありがとうございました。
トラックバックが重複していますね。1件削除していただければ幸いです。申し訳ありません。
それにしても、マイスターさんの分析力には、驚くばかりです。さすがですね。同じ大学職員として、あなたのその頑張りに敬意を表します。これからも、いろいろご指導くださいね。よろしくお願いします。(^o^)
トラックバック、ありがとうございました!
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身に余るお褒めのお言葉!
もう、そのお言葉だけで、1年くらい更新する元気がでます。
ありがとうございます!
指導どころか、こちらの方がみなさまから学ばせていただいてます。
おかしなことを書いてしまったときは、ぜひ、ご指摘ください。
今後も、ご期待を裏切らないよう、がんばって更新していきたいと思います!
どうぞよろしくお願いいたします!