先日は、父の誕生日でした。
マイスターが贈ったプレゼントは、↓これのギフトセット。
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/0604410_11.htm
大人気商品のため、両大学のキャンパスでは売り切れているそうですが、お台場の黄桜直営店で買うことができます。
ビールとしては安くはありませんが、古代世界から輸入するための船賃がかかっていると考えれば、お手頃価格でしょう。
さて、日曜日ですので、ニュースクリップをお届けします。
私立大学が、公立中学校を付属校化しました。
■「私立大、系列外の中学高校と連携 生徒先取り」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200607120008.html
東京ドーム(東京都文京区)に近い中央大学の後楽園キャンパス。その一角にある付属の中央大学高校と、隣の文京区立第三中が、提携による中高一貫校化を進めている。09年度から三中の一定数の生徒が無試験で中央大高に進めるようにする計画だ。今後詰めるが、進学の枠は2けた台の見通し。私立高と公立中との一貫校化は全国で初めての試みという。
中央大学高からは、一定の基準を満たせば、ほぼ全員が中大に進学できる。このため、三中の生徒は、中央大学高、さらに希望すれば、一度も受験を経験せずに中大まで進むことが可能になる。
三中は全校生徒95人で、中3はわずか15人だ。少子化に加え、学校選択制のため小規模校は敬遠されがちで、特色を出す必要があった。いまでも、三中生だけには中央大学高から無試験の特別推薦枠(若干名)がある。文京区はこれを拡充させ、中大に一貫校化するよう働きかけていた。
(上記記事より)
一般生活者の皆様が思っているよりも、大学合格者に置ける推薦入学の割合は、おそらく高いです。
この少子の時代、学生をいかに確実に集めるかというのは、大学にとって最大の関心事。これは、どんなにレベルの高い大学についても言えることです。
上記の、「公立学校を付属校にする」という中央大の試みの裏にも、そんな事情があるのだと思います。
ただ……これは、ちょっと慎重に考えないといけないことだと思います。公立学校を特定の私学の付属校にするというのは、公立教育の本来の在り方に反するように思われるからです。
確かに中央大にとっても、この公立中学校にとっても、生徒やその保護者にとっても、付属校化は魅力のある選択でしょう。
しかし公立中学校はあくまでも、税金で運営される、区民の皆様のための学校です。その地区に住んでいれば自然に入学することになるという性質のものです。なのに、「この中学校の生徒に限り、全員エスカレーターで中央大学高校に進学でき、そこから無試験で中央大に進学できる」というのは、なんだか無理のある話ではないでしょうか?
それに、本来付属校というのは、一貫教育だから実現できる教育上の理念であるとか、目指す学園の在り方だとか、そういうものが先にあってこそ意味のある存在だとマイスターは思うのです。しかし今回のこのケースは、中央大学高校にとっても、中央大学にとっても、入学者獲得以上の意味があるとは、あまり思えないのです。
研究費の不正流用に関する報道ばっかりです。
■「昭和大学の女性職員、研究費を不正流用」(産経web)
http://www.sankei.co.jp/news/060714/sha063.htm
■「早大・松本教授、バイオ企業と2484万架空取引疑い」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060712i513.htm
■「青森公立大流用の80万「旅行や飲食に使った」(青森)」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news2/20060713wm05.htm
■「国立天文台教授が科研費で『神頼み』、お札購入に流用」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060711i201.htm
■「青森公立大旅費不正流用問題で、元課長逮捕(青森)」(読売オンライン)
■「大学研究費不正受給、申告すれば罰則軽減…文科省検討」(読売オンライン)
そんな業務はやってません。
■「教育委名乗り振り込め詐欺」(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/ibg/20060712/lcl_____ibg_____003.shtml
十日午後二時ごろ、水戸市内の無職女性(80)方に、教育委員会を名乗る男から「(教師をしている)お宅の娘さんが幼稚園で女子園児を殴ってけがをさせた」などと電話があった。電話には男のほか、保護者や園長、弁護士を名乗る男が出て、「二百万円を振り込め」と指示。女性は振り込んでからだまされたことに気付き、十一日早朝、水戸署に被害届を出した。同署は振り込め詐欺事件とみて調べている。
調べでは、女性の長女は、市内の公立幼稚園教師で電話には長女を名乗る女も出たが泣き声ばかりで話はしなかったという。
(上記記事より)
あらためてマイスターからご注意を。
教育委員会は、こんな業務はやりません。
しかし…教員の不祥事が続いている状況を踏まえての詐欺ですね、これ。
奨学金が返せません。
■「14万人が1年以上滞納 育英奨学金返済、05年度末」(西日本新聞)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20060712/20060712_041.shtml
日本学生支援機構(旧日本育英会・横浜市)の育英奨学金の返済を1年以上滞納している人が2005年度末時点で、14万2000人と過去最高だったことが12日、同機構の調査で分かった。不良債権として扱われる3カ月以上の滞納も18万5000人に上った。
滞納理由を「無職と失業」と答える人が増加傾向にあり、奨学生の多くが卒業後も経済的に厳しい状況に置かれている実態が浮き彫りになった。
(上記記事より)
経済的に困っている学生さんの学費を助ける奨学金。日本学生支援機構のものは、その中でも一番メジャーな存在ですよね。
そんな同機構の奨学金で、借りた額を返済できず、滞納している方が増えているとの報道。「一年以上滞納」でも14万人ですから、少しでも滞納したことがあるという方は、さらに多いのでしょう。
ところで、大学卒業後、勤め始めてすぐ転職活動を始めたり、フリーターになったりすると、その間、支払いは大変になります。今は大学を出ても、正社員にならない学生さんが少なからずいますが、そんな状況も、滞納者の増加に拍車をかけているのでは。
マイスターは日本学生支援機構の奨学金は借りていないので、詳しいところはわからりませんけれど、もしかしたら返済の方法にバリエーションを持たせることで、滞納者をちょっとは減らせるのでは……。
■「在学中の利息負担、大分大が授業料融資制度を創設」(読売オンライン)
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_06071151.htm
↑学生の負担を減らす試みとしては、今週はこんな報道を見つけました。
マイスターも実は、大学院在学中の利息を大学に払ってもらいました。こうした制度は充実させて欲しいと思います。
「大学初の施設」で勝負です。
■「大学所有の初のアイスアリーナ、関西大に完成」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/news/20060713ie21.htm
大学が所有する全国初のアイスアリーナが、大阪府高槻市の関西大学(河田悌一学長)高槻キャンパスに完成。13日行われたオープニングセレモニーで、トリノ五輪フィギュア女子4位の村主章枝選手(avex)らが、華麗な演技を披露した。
アリーナは総工費8億円。縦60メートル、横30メートルのリンクを持つ国際規格で、アイスホッケーやフィギュアスケートなどの公式試合が開催できる。年間を通して使用でき、関大だけでなく他大学や地域にも開放し、「関大から世界」へ飛躍する選手育成に期待が集まる。
(上記記事より)
スポーツ施設への投資は、特に総合大学にとってはウリのひとつになるところでしょう。学生生活の中でスポーツに接することができるというのはとても大事で、アメリカの大学なども、力を入れている部分だと聞きます。
今回の関西大学の場合は、一般学生のみなさんへのサービスももちろんでしょうが、それに加えて、トップアスリート達の利用を狙っている部分も大きいみたいですね。
スケートリンクで行われる競技への関心は、年々高まっています。日本人のメダリストも多い分野ですから、「大学初」というのは注目されるかも知れませんね。
腰が重い公立大学。
■「名古屋市立大:生き残りかけて、高校を個別訪問」(毎日新聞 MSNニュース掲載)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2006/07/20060712ddq041040008000c.html
今年4月に地方独立行政法人に移行した名古屋市立大(名古屋市瑞穂区、西野仁雄学長)は11日、教授や職員が高校に出向き、大学案内の配布を始めた。少子化で大学間競争が激化する中、生き残りをかけた人材確保策の一環。今週までに東海3県の公・私立計41高校を訪問する予定だという。
同大の入学志願者は▽04年度4288人▽05年度3991人▽06年度3874人--と年々減少。独立行政法人への移行を機に、新たな人材確保策を検討。これまでは大学案内を東海3県の全公・私立約450高校に郵送していたが、今年からは450校のうち、過去3年間の同大合格者・志願者が多い高校をピックアップし、個別に訪問することを決めた。
(上記記事より)
私立大学の関係者が読んだら、「今さら?」と感じてしまいそうな記事です。
名古屋市立大の職員は、「名古屋市の行政職員」ですから、わざわざ積極的に営業行脚しようという意識がなかったんじゃないか、という気がします。
また、「市立大学は学びを望む市民のための存在だ」というタテマエも、これまで広く高校訪問をしてこなかった理由のひとつだったかもしれません。
しかし、志願者が減少している以上、待っているだけでは事態は良くなりませんよね。そんなわけで、重い腰を上げた名古屋市立大。もし、まだ動いていない公立大学があったら、早いうちに見ならっておいた方がいいですよ。
バイトを単位に…?
■「長期バイトを単位認定 提携企業が働き採点 大阪学院大」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0711/002.html
大阪学院大(大阪府吹田市)は8月から、大学と提携する企業での学生の長期アルバイトを卒業単位として認める。働きぶりを企業の目でじっくり評価してもらい、本人に伝えることで、就職活動にも役立てる狙いだ。
当面は大阪市内の大丸と阪神百貨店をアルバイト先に指定。大学が2年生以上を募集し、来夏までに300人に働いてもらう計画だ。期間は3カ月から半年で、計90時間以上働くと卒業に必要な単位に算入する。アルバイト料も支払われる。
アルバイト期間中、企業は「時間管理」「交渉力」「コミュニケーション能力」など25項目で働きぶりを5段階評価し、大学に報告。大学がそれを本人に伝える。学生も「何を学びたいか」などの目標を設定し、自己評価する。
人材サービス大手のパソナグループの「関西雇用創出機構」が、大学と企業を仲介した。07年度には提携企業にメーカーなども加え、08年度には送り込む学生数を500人まで増やしたい考えだ。企業の評価が悪かった学生には、事後研修を実施するなどサポートにも努める。
文部科学省によると、学生の就業体験「インターンシップ」を単位に認めている大学は、04年度で418校(全体の59%)あるが、夏休みの1~2週間など短期間が多い。今回の取り組みは、長期の仕事を通し、自分の適性を見極める効果を期待している。同機構は同様の取り組みを他大学にも広げたい考えだ。
(上記記事より)
マイスターは、インターンシップやコーオプ教育などの取り組みは、積極的に行った方がいいと思っています。でも、「アルバイトを単位に」となると、ちょっと疑問を覚えます。
「時間管理」「交渉力」「コミュニケーション能力」など25項目で働きぶりを5段階評価……とありますが、アルバイトの仕事で、果たしてこうした能力が、どのくらいの水準で評価できるのでしょうか。「遅刻をほとんどしない=時間管理は5」「周囲とうまく人間関係を構築している=コミュニケーション能力=5」みたいに評価されるのだとしたら、それは大学教育のレベルではないと思います。
企業のインターンなら、時間管理やコミュニケーション能力も、それなりの水準が求められると思いますが、使う側が「アルバイト」として学生を見ている今回の事例では、アルバイトなりの仕事しか与えられないような気がします。
大学が2年生以上を募集し、来夏までに300人に働いてもらう計画だ。(略)人材サービス大手のパソナグループの「関西雇用創出機構」が、大学と企業を仲介した。07年度には提携企業にメーカーなども加え、08年度には送り込む学生数を500人まで増やしたい考えだ。
↑この部分も、なんだか疑問。なぜ、人数目標が設定されているのでしょうか。なんだかパソナとその商売相手である提携企業の事情を中心にして、話が進んでいませんか。
学生を評価する仕組みも、いまひとつわかりません。
インターンシップやコーオプ教育の場合は、大学教員も指導や評価に関わりますが、今回の事例では、報道を見る限り、ほとんどバイト先に丸投げしているように思えます。
穿った見方をすると
「教員の授業負担を減らすために、なるべくバイト先に単位を任せたい」
「授業に出ずバイトに行く学生が問題になっているので、バイトを単位にすれば問題解決」
といったレベルの取り組みなんだと受け取られかねないと思うのですが、いかがでしょうか。仮にそうじゃないんだとしたら、ちゃんとアピールしないと、かえってイメージダウンにつながり、もったいないと思います。
大学とNPOが連携して、環境教育にあたります。
■「佐大の環境教育拠点が完成 はちがめサテライト教室 NPOに隣接、活動学ぶ」(西日本新聞)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/saga/20060714/20060714_002.shtml
環境や資源循環を考える佐賀大学の教育拠点「はちがめサテライト教室」(伊万里市大坪町)で13日、落成記念講演会があった。教室は、生ごみの堆肥(たいひ)化などを進める特定非営利活動法人(NPO法人)「伊万里はちがめプラン」の事務所に隣接。学生はNPOの活動にも参加でき、大学とNPOの新たな連携の手法として注目されそうだ。
「はちがめプラン」では、年間650トンの生ごみ堆肥化や、廃食油の燃料化を実践。教室の隣には、堆肥化施設もある。学生たちはそうした活動にも参加しながら、資源循環などについて学ぶ。教室は5月から使用しており、講義や演習のほか、既に堆肥作りも体験。本年度は農学部、文化教育学部などが19教科の授業で使用する予定だ。
(上記記事より)
ユニークな試みだと思います。特定分野の教育にかけては、NPOの方がノウハウを持っていたりしますから、こうした連携は積極的に推し進めてもいいかも知れませんね。
以上、本日のニュースクリップでした。
大学が開発した商品って、「最新技術で古代の味を再現」「学生が授業で育てた農作物」「学内の食品実習工場で生産」などなど、色々な由来があって楽しいです。プレゼントに使うと、その辺の話もできて、ちょっと盛り上がりますよ。
今週も一週間、本ブログを読んでいただき、ありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
マイスターでした。