マイスターです。
NIKKEI NETに、興味深い記事が掲載されていました。
【教育関連ニュース】—————————————–
■「主要12大学、06年度の寄付講座3割増・日経調査」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070502AT1D0200702052007.html
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企業や業界団体からの大学の寄付講座が増えている。全国主要12大学に日本経済新聞社が調査したところ、2006年度の講座数は前年度を約3割上回った。少子化で経営環境が厳しさを増しており、大学側は寄付講座の開設で、資金調達の多様化と学生への授業内容の魅力向上をアピールする狙い。採用難に悩む企業も自社の存在を学生に印象づける機会ととらえているようだ。
(上記記事より)
日々、個人的にニュースをクリップしているマイスターですが、「最近、寄付講座の開設を報じるニュースが多いなぁ」と感じていたので
、ちょっとすっきりしました。
何しろこの2、3ヶ月だけでも、↓こんなに報道があったんです。
■「アステラス製薬が東大に「創薬理論科学」の寄付講座設置」(IP NEXT)
http://www.ipnext.jp/news/detail/news_detail_20070219_02.html
■「みずほFG、東大大学院法学政治学研究科に寄付講座『金融法』を設置」(NIKKEI NET プレスリリース)
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=153697&lindID=3
■「東大と石油資源開発、エネルギー開発工学で寄付講座を開設」(日刊工業新聞)
(※リンク消滅しちゃいました)
■「一橋大学院にみずほ証券寄付講座・金融機関の幹部育成」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070330AT2C3001M30032007.html
■「あいおい損保、早大に寄付講座『新時代の保険事業』を開設」(NIKKEI NET プレスリリース)
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=157326&lindID=5
■「マクロミルが早稲田大学で起業家創出に向けた寄付講座を解説」(IP NEXT)
http://www.ipnext.jp/news/index.php?id=1225
■「寄付講座:京セラと関西アーバン銀、京大に設置」(MSN毎日インタラクティブ)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2007/03/20070328ddn008020052000c.html
■「焼酎学講座スタート 12日鹿大 担い手目指し8人受講」(西日本新聞)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/science/20070411/20070411_001.shtml
■「大和証券グループ、明治大学に寄付講座『ベンチャー起業アイデアの創出とビジネスプランの構築』を開設」(NIKKEI NET プレスリリース)
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=154044&lindID=5
■「大和証券グループ、日本大学商学部に寄付講座『ベンチャー創業実践講座』を開設」(NIKKEI NET プレスリリース)
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=154047&lindID=3
マイスターがここしばらく個人的に見つけた分だけで、これです。実際には他にもあるかもしれません。
東京大学や京都大学、早稲田大学、慶応義塾大学など12大学の寄付講座は06年度に合計で前年度比27.1%増の286となった。
(「主要12大学、06年度の寄付講座3割増・日経調査」(NIKKEI NET)より)
1年間で3割増えているのですから、ちょっとした寄付講座ブームです。
NIKKEI NETの記事の「全国主要12大学」がいったいどの大学を指すのかは、よくわかりません。旧帝大に東工大や一橋、早慶といった大学が加わるのだと思います。
(紙面の方には掲載されていたのかな? ご存じの方、教えていただければと思います)
12校で286講座。乱暴な計算ですが1校あたりおよそ23~24講座ということになりますが、実際にはこの12校の中でもちろん偏りがあると思います。
しかしそれ以上に、「主要大学」とそうでない大学との間の、寄付講座数の格差が大きそうです。
大学関係者、あるいは大学生の皆様の中で、「ウチの大学に寄付講座なんてあったっけ?」と思う方、いるのではないでしょうか。
大学院以上の寄付講座もあるので、もしかしたら気づいていないだけかもしれません。
しかしマイスターのクリップを見てみても、一部の「主要大学」に寄付講座が集まる構図になっている観は否めません。もともと資金や実績の豊富な大学が、さらに企業の協力を得て、充実した教育環境を整えるという流れになっています。
寄付講座には様々な形があります。
資金の提供の他、企業の人材を講師として大学に派遣したり、教育プログラムのカリキュラムを一緒に策定したり、色々です。
人文・社会科学系では、授業の一環として、学生に対して何らかの「教育」を提供するケースが多いようですが、理工系や医薬系の場合は、メーカーなどの寄付を受けて「研究」を行うことも多いようです。
そのように寄付講座を提案する企業の側になって考えたとき、
○ある程度の研究成果が期待できる
○学生の間で、自社のブランディングが行える
(→優秀な学生を採用するチャンスも増加する)
○寄付講座を通じて、企業の側にも様々なノウハウが蓄積される
……といったことを期待するとなると、やはり実績があって、学生のレベルが高いと思われる有名大学ということになるのでしょう。うーむ、そりゃそうですよね。
特に、「人材の採用につながる」という点は大きいと思います。
ところで、今は学生の就職状況がなかなか良いと聞きます。
こういうときは、
「地方の優良企業が、その地域の大学に寄付講座を開設し、
人材の流出を食い止める」
……みたいな取り組みが出てきてもいいと思うのですが、いかがでしょう?
例えば「商工会議所による寄付講座」という形になっていて、実際の講座運営にはその地方の企業が総力を結集してあたる、とか。
結構大事な取り組みなんじゃないかと思います。もし、既に似たような事例がありましたら、教えてください。
というわけで今日は、寄付講座についての報道をご紹介しました。
以上、マイスターでした。