東大が初めて大学案内

今日から夏休みです!
にもかかわらずいつもの学食で昼食を食べ、
学生用のコンピューター室(教職員も利用できる)でブログをアップするマイスターです。
大学、愛してます。

※夏休みにつき、更新時間がちょっと不規則です。すみません。

【教育関連ニュース】——————————————–
■「東大が初めて大学案内 競争時代に『学生来れ』」(Sankei Web)
http://www.sankei.co.jp/news/050801/sha071.htm
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初めてなんかい!

- 同日、記者会見した古田元夫(ふるた・もとお)副学長は「従来はそんなに無理をしなくても学生を集められた。しかし、大学間競争が強まる中で、志のある学生に来てもらいたいと考えた」と話している。-

普通なら、なんとのんきな!って怒るところですが、
東大の場合は「なんて強気な!」という突っ込みになります。

余裕しゃくしゃくですねー。

これまでは、大学が何をやっているのか、高校生向けの情報をあまり発信してなかったのかな?

それじゃあ普通は、「志のある学生」を集めようがないですよね。
何をやれるかわからないのに、志を問えるはずがない。

でも、東大だから集まるのか…うーむ。
きっと、

「何でもできます。東大でできない学問はない!入れるのなら、ウチに来るのがベストだ!当然だ!」

で、済んだのでしょうね。

おそるべし、東大。

ところで、この記事では、

「東大のホームページなどから請求できる」

とありますね。

■東京大学公式webサイト
http://www.u-tokyo.ac.jp/index_j.html

みなさん、請求のためのページを、見つけられますか?

ひじょ~~~に難しいです

ついでだから、東大のwebサイトをじっくりと見てみましょう。

まず、目的者別のメニューが

   卒業生のみなさまへ | 企業のみなさまへ | 留学生のみなさまへ |

だけしかありません。

たいていの大学にはある、

「高校生のみなさまへ」(もしくは「受験生のみなさまへ」)

が、ないのです!

留学生向けのページがあるのに、日本の高校生向けのページがない!

なんということでしょう!

「日本の優秀な高校生は、ほっといてもウチに来るから、説明なぞ不要」

という姿勢は、本当のようです!

(っていうか、留学生向けのサイトも、よく見ると、在学生向けの内容です。
 っていうか、日本語です。)

普通は、高校生向けに情報を編集するでしょー…。

で、じゃあ入学案内はどこだ?と思って見ると、
メニューの中に「東京大学入学案内」というコンテンツがあります。

なんだ、ちゃんと高校生向けもあるんじゃないか。
どれどれ…何?「各学部紹介」?
おぉ、これだこれだ。クリック…と。

「各学部紹介」
http://www.u-tokyo.ac.jp/stu03/e01_02_10_j.html

 :
 :
 :
 :

つまんねぇぇーーーー!!

(マイスター+全国の高校生の叫び)

これ学部紹介っていうのか?

学科編成しか書いとらんやん。

なんてこった、マジで学部の内容を高校生向けに説明してないぞ、東大。

…まぁ、実を言うと、各学部ごとに作られたページにいけば、ある程度のことは書いてあるんです。

でもね、その対応はまちまち。

たとえば法学部。

・東京大学法学部・大学院法学政治学研究科「入学希望者」
http://www.j.u-tokyo.ac.jp/fl-1/index.html

戻しやがった!

お次は経済学部。

・東京大学大学院経済学研究科・経済学部「入進学案内:経済学部」
http://www.e.u-tokyo.ac.jp/faculty-j.html

こんだけかよ!

さらに医学部。

・東京大学医学部・大学院医学系研究科
http://www.m.u-tokyo.ac.jp/

メニューの時点で、大学院のことしか書いてねぇ!

ふー、ひさびさに突っ込みまくってしまいました。

いやー、さすが日本の最高学府だけあって、突っ込みどころも日本一なのでしょうか。

でも、すばらしい学部もありました。

たとえば、工学部のサイト構成&デザインは、非常によくできています。

・東京大学工学部
http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/

関連する大学院とも、うまく表示を分けていますし、
訪問者別のメニューも、ユーザーニーズに沿った好ましい分け方です。
東大の中でもかなり規模の大きな学部だと推察しますが、情報の整理が大変うまくいっているため、混乱することがありません。
ぜひ、手本にしたい例です。

とはいえ、東京大学全体を見ると、やはり高校生向けの情報を提供する姿勢や体制に関しては、かなり貧弱であるように感じられます。

冒頭のSankei Webの記事にあったように、本当に、「無理しなくても学生を集められた」のでしょう。
webサイトは、組織を映す鏡です。その姿が、サイトのいたるところに表れています。

さて、うわさの「入学案内」の請求ページ、見つかりました?

実は、トップページの「NEWS & TOPICS」から、

・東京大学大学案内
http://www.u-tokyo.ac.jp/stu03/e01_06_j.html

というページに飛べるようになりました。

簡単じゃん、と思うでしょ?

でも、実はSankei Webで報道が流れたときは、こんなページも、TOPICSからのリンクも、なかったんです。

唯一あったのは、↓このページ。

・一般選抜
http://www.u-tokyo.ac.jp/stu03/e01_02_03_j.html

HOME > 東京大学入学案内 > 学部入学 > 募集要項(願書)等の入手方法のご案内 > 一般選抜

という順番でメニューをクリックしていけば、たどり着くことができます。

実際に、トップページからこの順にメニューをクリックしてみてください。
やってみればわかりますが、非常にわかりづらいです。

しかも、郵送料は請求者負担です。
本当に、「いわれたから、パンフを用意しました」という体制だったのですね。

実は、昨日の報道の後、マイスター、広報課にメールを出しました。
(またこいつは…)

請求ページを見てみようと思ったのですが、あまりにそのページが見つけられないので、
請求の方法を教えてもらおうと思って、東大の広報お問い合わせ先に聞いてみたんです。

んで、上記のわかりにく~~いページのURLがぽつんと送られてきて、びっくりしたのですよ。

こんなページ、お問い合わせでもしなければ、まず高校生が見つけることは不可能です。
これは、情報の発信とはいわない!と思いました。

産経で報道はされたものの、東大、結局なにも変わってないな、と直感しました。

で、今日見たら、トップページの「NEWS & TOPICS」にリンクが張られて、PDFでも読めるようになっていたのです。

マイスター以外にも、同様の問い合わせをした人がいたのかも知れません。
で、あわてて用意したのだと思われます。

つーか、このブログ書いている間に用意された模様です。

これは鉄則なのですが、たとえば新聞や車内広告で

「新製品発売!」

という広告を出したとします。

で、企業のトップページのURLを、広告のすみっこに載せたとします。

そうしたら、広告掲載と同時に、
トップページに、その新製品についての情報を掲載しなければいけません。
もしくは誰もがすぐわかる形で、その新製品の解説ページへのリンクを用意しなければいけません。

広告を見た人が、「どれどれ」といってサイトを見に来たとき、最初はトップページに来るでしょう。
そこで、新製品の情報を見つけられなかったとしたら、どうでしょうか?
せっかくここまで来てくれたのに、帰っちゃうかもしれませんね。広告にURLを載せた意味がありません。
下手をすると、不親切な企業、というネガティブなイメージを残しかねません。

プレスリリースや、報道も同じです。

昨日の東大は、まさにその状態でした。
「webサイトからも取り寄せられます」と紹介されていたのに、
請求ページがどこにあるか、わからない状態だったのですから。

余計な突込みを入れていたら長くなりましたが、
東大の広報体制からは、多くのことが学べそうです。
いろんな意味で。

今日も、最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。