ノーベル賞受賞 大学の報道あれこれ(1):各大学の反応は?

マイスターです。

シカゴ大学・南部陽一郎名誉教授
高エネルギー加速器研究機構(KEK)・小林誠名誉教授、
京都産業大学・益川敏英教授 (京都大学名誉教授)、
ノーベル物理学賞受賞、おめでとうございます。

日本中が、このニュースにわいたようですね。
新聞の号外も出たようです。

小柴昌俊氏、田中耕一氏のダブル受賞で日本中が沸いた2002年は、各種の「子供の将来の夢」ランキングの上位に「学者」や「博士」がランクインしたと思いました。
大人も勇気づけられ、子供も憧れる、ノーベル賞受賞者のカッコ良さはやはりズバ抜けています。

既に受賞の理由となった研究成果や、ご本人の人となりなどは、他のメディアが取り上げてくださっていますので、ここでは大学中心の観点でご紹介していきます。

【今日の大学関連ニュース】
■「ノーベル賞 母校に歓喜『同窓会でお祝いを』『生徒に励み』(愛知)」(読売オンライン)

名古屋市出身の2人の科学者が同時にノーベル賞を受賞した――。朗報が恩師、知人らの間を駆けめぐり、母校は喜びにわいた。
(略)2人が学んだ名古屋大学大学院理学研究科修士課程2年の浅野克行さん(24)は、「日本人が3人も受賞できてすごく刺激になってうれしい。小林、益川両先生は素粒子物理で定番になっている理論を完成させた人なので受賞は当然」と誇らしげだった。
(上記記事より)

■「『母校の誇り』地元で祝福 益川、小林氏育んだ名古屋」(47NEWS)

「同窓会の誇り」「先輩の業績が認められた」。ノーベル物理学賞の受賞が決まった日本人3人のうち、益川敏英氏(68)と小林誠氏(64)が幼少期から“学者の卵”の大学院生時代を過ごした名古屋では、中学高校や大学関係者らゆかりのある人々が吉報にわき、口々に快挙をたたえた。
両氏が物理学研究の道を歩むきっかけとなった名古屋大では、平野真一学長がOB2人の快挙に「誠におめでたく、心から喜ばしく思う」とコメント。受賞のニュースを学内で知ったという大学院理学研究科1年の佐藤勇貴さん(25)は「受賞するのではないかとは言われていたが、先輩の研究が認められてうれしい」と笑顔で祝福した。
(上記記事より)

ノーベル賞受賞の際には、ゆかりのある方々のインタビューが掲載されるのがお約束。
研究者の恩師や元同僚などはもちろん、卒業した小学校にまで記者が走ります。
「母校」の側も、先にニュースを聞いて盛り上がっていますし、何しろ誇りに思える出来事ですから、普通は大喜びで取材に協力します。

「学部から大学院、現在の職場まですべて同じ大学」という方の場合、取材先は一つですが、今回受賞された皆様は様々な大学に関わっておられたので、色々なところが盛り上がっています。

というわけで上記は「タイプの違う名コンビ」で新理論を生み出した小林教授、益川教授の母校、名古屋大学の盛り上がりっぷりです。

お二人が助手として勤務し、受賞理由となった理論を生み出した京都大学も、盛り上がっています。
益川教授が在籍する京都産業大学も、当然、盛り上がっています。

■「沸く京大、京産大 ノーベル物理学賞 関係者ら歓喜の声」(京都新聞)

日本人3人が今年のノーベル物理学賞を独占した。うち2人は、京都大助手時代に受賞対象の論文を発表した京都大名誉教授で京都産業大教授の益川敏英さんと高エネルギー加速器研究機構名誉教授の小林誠さんだった。ゆかりの京大と京産大の関係者は快挙をたたえ、両大学の学生も歓喜に沸いた。
益川さん、小林さんの京大時代を知る宇宙物理学者の林忠四郎京都大名誉教授(88)は「2人とも受賞の内容は京大での仕事。当時は大学紛争が激しかったが、2人は巻き込まれることなく熱心に研究を続けた。いずれノーベル賞をもらうと思っていた」と喜んだ。
(略)京大基礎物理学研究所の三角樹弘さん(24)は「素粒子論を学ぶ日本中の人からノーベル賞を期待されていた。『おめでとう』より『ありがとう』と言いたい」と話し、大学院農学研究科の小沢真紀さん(23)と三浦夏子さん(24)も「大学間競争が激しくなる中、世界で認められる人が出たことを誇りに思う。基礎研究での受賞は京大の強さをアピールできる」「京大の底力が認められてうれしい」と感慨深げだった。
益川さんの講義を受けた京産大理学研究科の佐藤智洋さん(24)は「難しい内容の授業も、雑談も挟んでほんわかさせてくれた。友人に先生の授業を受けたと自慢します」と恩師の快挙を喜んだ。同科の高木一馬さん(23)は学内が大騒ぎになって受賞を知り「先生、本当にすごい」。
(上記記事より)

■「益川さん受賞に京産大学生「励みになる」」(nikkansports.com)

ノーベル賞受賞が決まった益川敏英さん(68)が教授を務める京都産業大(京都市北区)。物理学専攻の学生らは7日、「先生」に届いた朗報に「自分の研究の励みにもなる」と喜んだ。
この日、講義室に大型モニターが用意され、受賞を知らせるインターネットの画面が映ると、集まった大学関係者ら約60人から大きなどよめきと拍手がわき起こった。
(略)講義を受けたことがある修士2年佐藤智洋さん(24)も「講義内容を学生に合わせることはなかった」と話す。同じ修士2年の小林仁美さん(23)は「毎年記者が来ていたのは知っていたけど、とうとう取れて本当に良かった」とうれしそうだった。
(上記記事より)

毎年記者が来ていたのですね。

ノーベル賞報道は、「今年こそあの教授では」という、予測合戦でもあります。
小柴昌俊教授も、スーパーカミオカンデがある神岡町ではずっと以前から受賞を祝う横断幕を用意し、「その時」に備えていたと聞きます。
今回受賞された皆様も、かなり前の実績が評価されての受賞だそうですから、毎年メディアがつめかけていたのかもしれません。
そういう意味では、ほっとされたかもしれませんね。

シカゴ大学・南部教授が招聘教授を務める大阪大学でも、取材が行われたようです。

■「ノーベル賞・南部氏の研究室ある阪大『鳥肌もん』の歓声」(Asahi.com)

午後7時15分。南部陽一郎さんが招聘(しょうへい)教授を務める大阪大大学院理学研究科物理学専攻の素粒子理論院生室は大きな歓声に包まれた。部屋にいた6人はパソコンの画面をのぞき込み、「すごい」。身近な人の受賞に、「鳥肌もんです」などと喜んだ。
南部さんは、院生らと一緒に大学近くの居酒屋で宴会を開いたり、昼食を食べながら最先端の物理学について話し合ったりと、気さくな人柄で慕われている。博士課程の谷田寛明さん(25)は「宴会では、偉人の偉人でない部分の話をしてくれる」と笑う。「僕らは南部先生の手のひらの上で研究をしている。第二の南部を目指して研究室でがんばりたい」
(上記記事より)

大学はやはり、ここぞとばかりに盛り上がっています。

■「益川敏英教授 ノーベル賞受賞関連情報」(京都産業大学)

■「益川敏英 元基礎物理学研究所所長がノーベル物理学賞を受賞(2008年10月7日)」(京都大学)

■「本学卒業生の益川敏英博士と小林 誠博士がノーベル物理学賞を受賞」(名古屋大学)

各大学は、トップページに大きなリンクを張って速報を掲載。
受賞者の経歴をまとめたり、学長などの祝辞を載せたり、素早く動きました。

これだけ同時に、多くの大学が話題に上ったことはありませんでした。
さすが、3人同時受賞です。

マイスターは受賞を聞いた直後、すぐに京都産業大学のサイトにアクセスしたのですが、既に受賞を知らせるページができていて、驚きました。全国(全世界?)からアクセスが集中するタイミングには、ほぼ間に合ったでしょう。
やはりこのあたりも、受賞に備えて準備を進めておられたのでしょうか。
大学の担当者の皆様、おつかれさまです。

■「南部陽一郎氏、小林誠氏、益川敏英氏が2008年ノーベル物理学賞受賞」(高エネルギー加速器研究機構)

↑小林教授ゆかりの高エネルギー加速器研究機構も、瞬時に速報を出していました。

ちなみに、南部教授が在籍するシカゴ大学はどうかというと、現在、↓こんなトップページになっています。

■「The University of Chicago」

まるでアカデミー賞を受賞した瞬間のよう。
何というかやはり、センスがちょっと違いますね。

■「Yoichiro Nambu awarded 2008 Nobel Prize in Physics」(The University of Chicago)

↑こちらが、受賞を報じるページです。

ページの右、「MULTIMEDIA」の欄には、インタビュー映像も掲載されています。
しかも編集済み。「Video produced by the Chicago Media Initiatives Group」とあります。

この辺りの演出のうまさ、さりげなさは、アメリカの大学がやはり一枚上手なようですね。

それでなくてもシカゴ大学は、化学賞15、経済学賞23、文学賞3、物理学賞29、医学・生理学賞11と、各分野でとんでもない人数のノーベル賞受賞者を輩出している、超弩級のノーベル賞大学。

■「Nobel Laureates」(The University of Chicago)

↑ノーベル賞受賞者を紹介するページもあります。
さっそく、南部教授も名を連ねているようですね。
(小柴先生の名前もあるようですが)

最後に、ノーベル科学財団のページをご紹介します。

■「The Nobel Prize in Physics 2008」(nobelprize.org)

南部教授はアメリカに帰化されているので、国籍はアメリカになっていますね。
最初に見たときには画像がなかったのですが、発表後、しばらくしたら入りました。
(ノーベル科学財団のページは、意外にも準備できていなかったのでしょうか)

ちなみに、↓こんなページも用意されているのですね。

■「Ask this Year’s Nobel Laureates a Question!」(nobelprize.org)

Ever wanted to quiz a Nobel Laureate? Now’s your chance. Submit your question to one or more of this year’s Laureates, and we’ll pose the most interesting ones to the Laureates who are participating in “Nobel Minds”, an SVT/BBC World TV programme that will be aired in December, or who will feature in a special Q&A article that will appear on this website after the Nobel Prize ceremonies.
(上記ページより)

受賞の理由となった研究を、より身近に感じてもらうための仕掛けでしょうか。
色々と工夫されているようです。

そんなわけで、見つけた中から、いくつかの情報を選んでご紹介しました。
この後もしばらくは、色々な報道があると思います。
ご本人達はメディアに囲まれ大変だと思いますが、受賞者だからこその役割も出てくるでしょう。
憧れる子供達も出てくると思います。

今後も、これまで以上に大きな意味で、学術に貢献していただきたいと思います。

マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。

1 個のコメント

  • 南部先生おめでとう。でも創価からもノーベル賞は出るよ。我々の池田大作先生は在日韓国人ですけど、今にノーベル賞を取りますよ。期待してください。