2つの大学ランキングが発表に

マイスターです。

あくまでも参考指標の一つに過ぎない、のですが、やっぱり気になってしまうのが、大学のランキング。

■大学のランキングと、どう付き合うか?

先週は、世界的によく知られている大学ランキングが2つ、発表になりましたので、ご紹介したいと思います。

【大学ランキング】
■「Best Colleges 2009」(US News and World Report)
■「Best Graduate Schools」(US News and World Report)

まずはこちら。
「US News and World Report」が、アメリカ国内の大学について、学部、大学院それぞれのランキングを出したものです。
アメリカの大学についての記述で、よく引用されるランキングです。
最近は、↓こんな記事が書かれていました。

■「米国の大学ランキング、ハーバードが単独トップに返り咲き」(CNN)

こちらの「US News and World Report」のランキングは、調査の分類がポイント。
学部教育と大学院教育それぞれで学問分野ごとのランキングを出しています。

例えば学部教育の「Engineering」の場合は、↓こんな感じ。

■「Undergraduate Engineering Programs」(US News and World Report)

同じ学問分野でも、
「At schools whose highest degree is a bachelor’s or master’s(学士課程または修士課程までしか持っていない大学)」
「At schools whose highest degree is a doctorate(博士課程まで持っている大学)」
……の、2種類に分けてランキングを出しているのが、おわかりいただけますでしょうか。

例えば同じ「Computer Engineering」でも、後者のランキングに並んでいるのは、日本でもおなじみMITや「Stanford University」、「Carnegie Mellon University」、「UC Berkeley」など。

一方前者には、「Rose-Hulman Institute of Technology」、「Cal Poly–San Luis Obispo」、「Harvey Mudd College」、「Cooper Union」などがリストされています。
これらはいずれも、日本の一般生活者への知名度はほぼゼロと言って良いでしょう。しかし、工学系の大学関係者などにとっては、教育内容が非常に充実していることで知られています。
(というか、技術者の基礎教育に力を入れているからこそ、これらの大学は敢えて研究重視の博士課程を置いていないのだと思います)

そういった「目的の違い」を踏まえてランキングを出し分けているというわけです。

ランキング付けという行為には、どうしてもある種の強引さがつきまといます。
「細かく見れば色々な強み、弱みはあるのだけれど、総合力で考えたらこうなりますよ」と、様々な違いを無理矢理ポイント化してしまうわけですからね。

そんな中で、ランキング自体をなるべく細分化し、少しでも各大学の強みを浮き彫りにしていこうとしているのが、この「US News and World Report」の調査の特徴です。

よく「日本の大学は大学全体の知名度やブランドで順位が決められてしまう。しかしアメリカでは、一般にはあまり知られていなくとも、特定分野ではトップを争っているような大学がたくさんある」……みたいな話、聞いたことがありませんか?
そういう話を具体的に示しているのが、このランキングだと言って良いでしょう。

ランキング結果はもちろん、こういった評価の仕方も、日本の大学関係者の参考になるかも知れません。

そしてもう一本。

【大学ランキング】
■「Academic Ranking of World Universities – 2008」(上海交通大学)

世界の大学ランキングしては、「The Times Higher Education」や、「Newsweek」のものと並んで、もっともよく知られるもののひとつが、この上海交通大学によるランキング。

先日の記事
でも申し上げたように、これら3つに対しては、それぞれ調査方法や指標の取り方などに対して様々な批判もあります。

ただ、影響力という点では、いずれも無視はできません。
上海交通大学の結果は、国内のメディアはもちろん、英国「がーディアン」誌などもさっそく報じておりました。

■「Shanghai Jiao Tong University international rankings 2008」(guardian)

引用される機会が多いという点では、こちらも一応、チェックしてみて損はないと思います。
ちなみに「The Times Higher Education」のランキングなどでは、北京大学などが高い評価を得ていたりするのですが、上海交通大学のランキングでは

南京大学が北京大学等を抜いて、中国大陸部の大学としては最高の第223位であった。また、東京大学は第19位で、アジアでは最高位となった。
「上海交通大学、世界の大学学術ランキングを発表」(科学時報の記事を、JSTデイリーウォッチャーが日本語に訳して紹介)
記事より)

……と、自国の大学に対して辛口の評価を出していたのが、印象的です。

さて、以上2本のランキングですが、先日の記事でも申し上げたように、大事なのは「ランキングとのつきあい方」。

ランキングの結果に一喜一憂しても仕方ありませんし、ランキングで高順位を取ることを最終目的にしたりしては本末転倒。
過度に信頼せず、参考にすべきところはするなど、うまくご活用ください。

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。