「山形大:『月謝方式も可』 来年4月から授業料分割納入導入」

マイスターです。

様々な分野で改革が進む大学業界ですが、何故かまったく手が着けられていなかった部分もあります。

というわけで、今日はそんなトピックを一つご紹介します。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「山形大:「月謝方式も可」 来年4月から授業料分割納入導入」(MSN毎日インタラクティブ)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/university/archive/news/2006/11/20061110ddlk06040325000c.html
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山形大は9日、これまで年1回か2回の2通りだった授業料の納付方法に、来年4月から年10回の分割納入も加えると発表した。大学の月謝方式は全国でも珍しいという。

同大では、授業料納付は年1回一括払いと、前後期に分けた2回払いの2方式だった。新たに認めるのは、年10回均等払いと年10回ボーナス2回併用払い。学生は年度初めに計4方式の中から選んで納入する。

今年度の授業料53万5800円で計算すると、年10回払いの場合、月5万3580円を4~8月と10月~翌2月の計10回に分けて支払う。

日本学生支援機構(旧日本育英会)などの月払いの奨学金を受けている学生にとって、月謝方式は経済的負担を減らす効果があり、利用者は少なくなさそうだ。
(上記記事より)

山形大学が、学費の支払いのバリエーションを増やしたとのことです。年10回均等払いと、年10回ボーナス2回併用払いも選べるようになりました。

ATMからの現金による振り込み額が10万円までに制限されましたが、それがこの制度が生まれたきっかけかな、なんて想像したりします。それはともかく、この分割払い、非常に便利な制度であることは確かですよね。

ほとんどの大学では、学費は年1回一括払いか、前後期に分けた2回払いかのどちらかで集めているかと思います。でもこの場合、一度に支払う学費の額はとても大きいです。そのため、その額が工面できなかったり、その額を用意するために銀行で教育ローンを組んで金利を支払う羽目になったりする学生さんも、少なくないかと思います。ご家庭にとって、これはそれなりに大きな負担です。
(マイスター自身、自分で学費を銀行から借りたことがあるので、金利負担をそれなりに感じています……)

いわゆる「社会人大学院」のように、仕事を持たれている方のためのコースでも事情は同じです。働いているのだから学費は自分で工面できるかも知れませんが、まとまった額の学費をどかんと支払うのはやっぱり大変でしょう。
「本当は今すぐ通いたいけれど、貯金ができるまでは行けない」なんていう状態の方も、少なくないかも知れません。

でも、大学が「年10回ボーナス2回併用払い」を認めてくれるのなら、そのあたりの負担が軽減されます。非常に便利ですよね。働きながら大学や大学院に通うのも、お金の面ではぐっと簡単になります。
記事には

今年度の授業料53万5800円で計算すると、年10回払いの場合、月5万3580円を4~8月と10月~翌2月の計10回に分けて支払う。

……という例も載っていますね。なんと、アルバイトしながら支払える額になってしまいました。こうやって表現されたものを見ると、(経済的な面では)なんだか誰でも大学に行けそうだなぁという気になりませんか。

不況が続く中、学費の支払いを滞らせてやむなく退学することになった学生さん、どの大学にも何人かはいらしたと思います。もしこうした制度があったら、退学せずに済んだというケースもあったかも知れません。

そんな方々のためにも、山形大学のこの取り組み、広く参考にされるといいのではないでしょうか。ちょっとしたことですが、「あれ、意外に安い?」と思ってもらえるという心理的な意味合いも含めて、影響は大きいと思います。

ニーズはあったはずなのに、何故かいままであまり変わらなかった「学費の支払い方法」。今後はバリエーションが増えていくといいですよね。

以上、マイスターでした。