マイスターです。
大学の業務には、「周年事業」というカテゴリーがあります。
その名の通り「○○周年記念なんたら」の行事を担当する人のことです。
大学の、周年事業にかける気合いは、ハンパじゃありません。
「長く大学が存続し続けている」という事実は、それだけで、ある種の社会的な信頼感を醸し出します。(100年存続する組織なんていったら……理屈を抜きにしても、スゴいことですよ!?)
それに何より、学園挙げてのイベントは、学園関係者達の愛校心を刺激します。
そんなこともあってか、大学は、周年事業が大好きです。
特に、キリのいい「50周年」のような数字の場合は、期間限定で、専用のセクションができてしまったりします。
「100周年」「120周年」くらいになると、何年も前から(!)そのためのセクションが設置されます。そして、例えばまだ117年目くらいなのに、「200○年で、創立120周年!」みたいな文字が、全教職員の名刺に印字されるようなことになります。
たまに、「ちょっと気が早すぎないか?」みたいな大学も見かけますが、それもひとえに愛校心の成せるワザ。マイスターとしては、あたたかく応援したくなります。
自分がお祭り好きだからかも知れませんが、個人的には、周年行事というのは盛り上がれるだけ盛り上がればいいと思っています。
学園の歴史というのは、過去の方々も含め、学園全体の共有財産です。ですから、たまたま記念すべき瞬間に学園に居合わせた人間には、周年行事を盛り上げる義務があるとすら、個人的には思います。
大学史を資料としてまとめ、ちゃんと歴史の継承を行ったり、
大量のOBOGを集めて気勢を上げたり、
派手なイベントをやってメディアに取り上げられたり、
記念すべきタイミングに合わせ、学部新設などの大胆な改革を行ったり、
そういった一連の活動を通し、次世代を担う若者に大学の記憶を刻み込んだり。
大学の歴史というのは、おしなべて長いです。
そんな長い長い歴史の系譜の中で迎える、せっかくの、記念すべき年。
どうせなら、鮮烈な記憶として後世の記録に残せるようなものにしようじゃありませんか。
そんなわけで、今週末の日曜日に、そんな記念すべき瞬間を迎える大学があります。
■「早稲田大学 創立125周年」(早稲田大学)
http://www.waseda.jp/top/w125/index.html
このブログ記事を読まれるのが2007年10月20日の土曜日なら、上記のリンク先のページには、「125周年まであと1日」と表示されているはずです。
そうです、早稲田大学が125周年を迎えるのですね。
歴史の長さではライバルである慶應義塾大学(来年に150周年)にリードを許しますが、125というのは早稲田大学にとって特別な数字。
有名な話なのでご存じの方も多いかと思いますが、早稲田大学の祖である大隈重信が、「人生125歳説」を持論としていたのですね。
■「大隈重信の『人生125歳説』」(早稲田大学)
http://www.waseda-shop.com/w125/125mp/waseda125_page01.html
そんなわけで早稲田大学は、かなり前から「第二の建学」を謳い、カウントダウンを行い、このときをPRしていました。
そのクライマックスが今週末ということで、相当、大学も気合いを入れているかと思います。
早稲田大学のキャンパスも、webサイトも、125だらけ。
当日のイベントなどを紹介した特別コンテンツも公開されています。
■「10月21日は早稲田の杜へ」(早稲田大学)
http://www.waseda125th.com/1021/index.html
記念式典あり、学術的な展示あり、サイエンス講座あり、体験授業あり。
ステージパフォーマンスあり、音楽演奏会あり、パレードあり。
太極拳やカイロプラクティックの体験あり、生活習慣病予防セミナーあり、異文化交流のプレゼンあり、ボランティアプロジェクトの活動紹介あり。
子供向けの餅つき大会あり、食べ物の模擬店あり、酒類の無料サービス(ひとり一杯まで)あり。
キャンパスツアーあり、入学説明会や個別の入試相談会あり……。
もはや周年行事なんだか、オープンキャンパスなんだか、同窓会なんだか、学園祭なんだか、社会人向けセミナーなんだか、地域のお祭りなんだか、よくわかりません。
ですが、とりあえず「盛り上がるぜ!」というやる気と勢いは、ものすごく伝わる構成です。
さすが、お祭り好きが日本一集まっていそうな大学だなぁと感心すると同時に、学園の威信を賭けて盛り上げたという雰囲気も漂っており、実に興味深いです。
※実際、当日は同窓会のイベント「稲門祭」が、一緒に開催されていたりします。
■2007年稲門祭
http://www.waseda.jp/alumni/tomonsai/index.htm
学園祭と異なるのは、「大学主導」のイベントだということでしょうか。
■早稲田大学の創立記念「学生チームWASEDA125」
http://www.student-waseda125.jp/
↑一部、学生チームもあり、こちらはこちらで面白そうな企画を色々と実現させるようです。
が、基本的に当日は、大学の公式行事の日。早稲田大学が教員、職員、校友、学生などを巻き込み、総力を挙げて計画・実行する一日です。
早稲田大学全体の、プロデュース力が問われるわけです。
楽しみです。
以上、好き勝手に想像でわーわーと書かせていただましたが、当時の日曜日は仕事に追われており、出席できないマイスター(泣)。
どなたか、記録に残していらっしゃる講座がありましたら教えてください。
後で、ムービーコンテンツがたくさんアップされると思いますが、一体どんな様子になるのでしょうか。盛り上がるのでしょうか。気になるところです。
以上、マイスターでした。