マイスターです。
皆様は、↓この本をご存じですか?
大学図鑑! 2007
「200○年版」という形で、毎年出版されている本です。
書店では大学案内本のコーナーに並んでいることが多いので、受験生を始め、業界の皆様の中にも、読んだことのある方が多いのではないでしょうか。
この本の特徴は、一言で言うと「ホンネしか書いていない」ということです。
日本の主要な大学それぞれについて、在学生やOB・OGなどから聞き取ったホンネを元に、よく言えば正直な、悪く言えば身もフタもない解説をしている本です。
大学がパンフレットなどに載せているオフィシャルな説明とは、真逆の情報です。
(どのくらい身もフタもないかは、実際に買って読んでいただくのが良いと思います)
で、実はマイスター、このシリーズ、けっこう好きなのです。
もちろん、細かく見れば「本当にそうかなぁ?」と感じる記述がないわけではありません。しかしそれ以上に、全体としてのコンセプトがとても斬新で面白いのです。
正確な情報を掲載するガイド本というよりは、大学ネタで楽しく盛り上がれるエンターテイメント本というノリに近いのかもなぁと思いながら、気づけば毎年買ってます。
学歴というセンシティブなものをストレートに扱いながら、一方でそれを笑い飛ばし、エンターテイメントにしている点がユニークです。また、「大学によってキャンパスの活気が全然違う。活気ある大学で過ごす4年間と、活気がない大学で過ごす4年間とは、まるで違う」という、実は重要なんだけど誰も教えてくれないポイントを、一番丁寧に記述しているのはこの本じゃないかなぁとも思います。
大学業界人がまじめに読んだら「な、なんだこの記述は!」と怒り出すような内容も多いので、ここでは「ガイド本」としてではなく、一種の「エンターテイメント本」としてオススメします。
さて、この「大学図鑑!」に掲載されている内容の一部が、webコンテンツになったようなので、ご紹介します。
【教育関連ニュース】—————————————–
■「大学塾!! 大学ポジショニングマップ大図鑑」(株式会社ジャストシステム)
http://www.justsystem.co.jp/daigakujuku/map/index.html
————————————————————
上記の「大学ポジショニングマップ大図鑑」がそれです。
個々のポジショニングマップを解説する勇気は、とてもマイスターにはありませんので、それぞれ興味のあるところを、どうぞご自由に見てください。
(注:始めてこのマップをご覧になった大学業界人は、びっくりしたり、呆れたり、納得したりするかも知れませんが、マイスターは無関係ですのでクレームその他は編集部にお願いします(^_^;))
マイスターから一つ言えることとしては、このマップは、客観的な数値データなどではなく、学生や卒業生が語った「主観」の集合をもとに作られているということでしょうか。
でも、「主観」もあなどれません。
評価機関から認証を受けることなどはもちろん大事ですが、
「在学生達が、ホンネでは自分達の大学をどう考え、どう思っているか」
ということもまた同じくらい大事だと思われるからです。
大学業界人、特に経営者の皆様は、大学改革に励む過程の中でそうした視点を失ってしまいがちです。もしかしたらそういう方にとっては、このマップは参考になるのかも知れません。このマップは、高等教育の研究者や文科省の官僚、大学業界人などには語れない「母校に対する、普通の大学生達の認識」を、(少々刺激的ではありますが)ダイレクトに切り出してくれているからです。
そういう意味では、資料としてもあなどれないところがあるんじゃないかと、マイスターは思います。
……などと固いことを言いましたが、実際はあまり深刻にとらえず、笑い飛ばすためのネタとして読んでいただく位がちょうどいいのかなとも思います。
参考になると思ったら参考にしてもらえばいいし、参考にならん!と思われたなら気にしなくても良い、それでいいのではないでしょうか。
ところでこのサイト、「一太郎」や「ATOK」でおなじみ、株式会社ジャストシステムさんが運営しているのですね。
どうしてジャストシステムがこんなコンテンツを?……と不思議に思う方もおられるかと思います。
ジャストシステムは、教育機関向けの製品やソリューションを、結構、取り扱っているのですね。で、↓このように自社の教育関係者向け製品案内ページにて、「大学塾!!」のコンテンツをアピールしているのです。
■「ジャストシステム 教育機関のお客様向けページ」(株式会社ジャストシステム)
http://www.justsystem.co.jp/edu/?w=hm
■「大学向け製品のご紹介」(株式会社ジャストシステム)
http://www.justsystem.co.jp/edu/ac/?w=edbn
また、↓こんな調査結果もプレスリリースで発表しています。
■「大学を選んだ理由は『ブランド力』『資格』『就職に有利』と将来を見据えて」(株式会社ジャストシステム)
http://www.justsystem.co.jp/news/2006l/news/j10181.html?w=hmidx
さらに、「『学生の声』を収集・分析し学校経営や授業改善に生かす」というふれこみで、↓このようなテキスト・マイニングツールを販売してもいます。
■「評価分析システム TRUSTIA」(株式会社ジャストシステム)
http://www.justsystem.co.jp/trustia/
上記のようなwebコンテンツを拝見するに、どうやらジャストシステムさんは、学生のホンネを知っている会社というイメージを持って欲しいんだなぁと推察されます。
「大学図鑑!」の内容を、自社サイトのためのwebコンテンツとして借り受けているのも、そのためではないかな、とマイスターは思います。
一見すると大学生向けコンテンツのような印象ですが、本当は大学の教職員や高校の進路指導担当者に見て欲しくて作ったとみた……!
(実際のところは、さて、どうなのでしょう?)
しかし、だとしてもまさか「大学図鑑!」のコンテンツを、自社の公式サイトに持ってくる企業があるとは思いませんでした……。
どうやらジャストシステムさんには、なかなか大胆な広報担当者がおられるようです。
というわけで大学業界人の皆様、いかがでしょうか?
こうしてブログでご紹介したことが原因で、「一太郎」や「ATOK」のアカデミック版の売り上げが落ちないことを祈る、マイスターでした。
2ちゃんねるで書かれていたことをまとめたようなサイトですね。ジャストシステムは2ちゃんねらー?