「数学科卒業生 15年後の生活」

高校のころ、実は数学が苦手だったマイスターです。

でも通っていた高校は、いわゆる「理系」の強い学校で、周囲は数学の好きな人が多かったです。
センター試験を受けた帰り道、電車の中で友人達と解答の読み合わせをしていたのですが、数学系に関しては、マイスター以外の人の解答はみんな同じでした。全員、当然のように100点なのです。

進路として、数学科に進学したのも、何人かいました。
理学部の数学科もいますが、教育学部数学専攻に行って、そのまま教員になったのもします。

大学以降、自分も「数学も面白いかも」と思えるようになりましたが、高校までは結構苦労しました。
そんなマイスターですが、これは面白いなと思う記事を見つけましたので、今日はそちらをご紹介します。

・『AERA』2006年4月3日号
http://opendoors.asahi.com/data/detail/7303.shtml

昨日に引き続き、『AERA』のネタでごめんなさい。
(上記のリンクを見ていただければわかっていただけるかと思うのですが、妙に気になるタイトルの記事が多かったんです)

上記の号では、

・子どもが数学でつまずかない方法
・「博士の愛した数式」で数学ブーム。子どもがつまずくポイントが分かりますか

という特集記事が組まれていました。
なんだか、今、数学がちょっとしたブームなのだとか。

博士の愛した数式
プルーフ・オブ・マイ・ライフ
ビューティフル・マインド 天才数学者の絶望と奇跡
容疑者Xの献身

上記はいずれも、数学者が主人公、または重要な役割を担う話です。
前の3つは、映画化されましたね。

なるほど、こういう物語を通じて、
数学者の生き方と、数学の美しさに、少なからぬみなさまが気づいた、
共感したということでしょうか。

で、なるほどねと思って特集を読んでいたところ、

「数学科卒業生 15年後の生活」

なんてページが出てきたのです。

こ、これは気になる!

マンガやドラマでボンクラ学生がたまに言う、

「微分積分なんて、将来、何の役に立つのさ~?」

みたいなセリフ!
みなさまも、高校生くらいの頃、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

一般に、数学は、

<社会生活を送る上でも様々な仕事を遂行する上でも、ある程度は必要だが、
 けっこう役に立たない、使われない知識も多く混じっている>

という認識のされ方をしている科目であるように思います。

本当はそれをいったら、理科だって古文漢文だって、直接生活のための役に立たないという点では似たり寄ったりだと思うのですが、数学は特に、その中でも目の敵にされている気がします。特に、高校で「私立文系進学コース」みたいなクラスに所属していた方には!

そもそも、「数学科卒業生 15年後の生活」なんて記事が組まれるところが既に、「数学って、役に立つの?」と思っている方が多いということの、ひとつの証でしょう。

マイスターは理工系学部だったので、微分方程式などが大学で出てきましたし、工学分野で数学が非常に大切だと言うことは骨身にしみてます。エンジニアになるためには、数学は、ツールとしてある程度自由に使えるようになっておくべきものですね。
(もっともマイスター自身は、理工学部に所属しながらも、エンジニアにはならない方向で進んできましたので、あんまり高度な数学力は持っていませんけれど…)

実は、経済学なんてのも、様々な事象を数式でモデル化するような学問なので、数学必須ですし、社会学や心理学では、統計処理の知識が不可欠です。

そんなわけで進路によってはちゃんと、生きていく上で役に立つ数学ですが、上記はいずれも、数学をツールとして扱う場合の話。

確かに、「数学そのもの」を学ぶことを目的として4年間過ごした学生さん達が、どのような進路につくかというのは、気になるところです。

そんなわけで『AERA』には、東大、筑波大、津田塾大の数学科卒業生160人に対し、卒業後10~15年後の様子を追跡調査した結果が掲載されていました。
有力大学の卒業生を対象にしたからか、男性の場合「大学の教員・研究職」がずば抜けて多い結果になっています。あと目立つのは、大方の予想通り、中学・高校の教員ですね。
一般企業の場合は、技術・研究職が多いという結果ですが、総合職も少なくありません。
詳細は、記事を読んでいただければと思います。

他の大学はどうだろう?
というわけで、マイスターも、色々と調べてみました!

【国立大学】
■新潟大学理学部・数学科進路状況
http://www.sc.niigata-u.ac.jp/sc/gakuseiseikatu/math.html
■鹿児島大学理学部:高校生の皆さんへ:卒業生の進路、就職先:数学科
http://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/jhsrc/HighSchool/course/math.html
■九州大学理学部数学科 卒業後の進路
http://www.math.kyushu-u.ac.jp/gakufu/gakubu_entrance.html
■数学科からの就職の状況 東京大学
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/gakubu/shinro.html
■数学科卒業生の進路 神戸大学
http://www.math.kobe-u.ac.jp/HOME/home-j/sinro.html
■卒業後の進路, 就職先など 東北大学数学科
http://www.math.tohoku.ac.jp/undergrad/4jobs.html
■大阪大学理学部数学科 卒業生の進路状況
http://www.sci.osaka-u.ac.jp/introduction/undergraduate/mathematics.html
■広島大学数学科 進路
http://www.math.sci.hiroshima-u.ac.jp/shokai/4years.html
■北海道大学大学院理学研究科数学専攻 数学科を卒業したら…
http://www.math.hokudai.ac.jp/graduate/aftergrad.html.ja

【私立大学】
■上智大学 理工学部数学科 卒業後の進路は?
http://www.mm.sophia.ac.jp/intro.html
■日本大学理工学部 過去3年間の進路/数学科・数学専攻
http://www.cst.nihon-u.ac.jp/shushoku/math.html
■中央大学理工学部数学科 卒業後の進路について Q and A
http://www.math.chuo-u.ac.jp/MATH/introduction-ag.shtml
■東海大学理学部数学科 進路について
http://www.sm.u-tokai.ac.jp/gakka/shinro.html
■応用数学科(進路・就職) 理学部 : 福岡大学
http://www.fukuoka-u.ac.jp/faculty/f06/s16/subject_emp.html
■理学部数学科 東京理科大学:就職・進路
http://www.tus.ac.jp/fac/shushoku/shinrojokyo/shinro.php?shinro_t/sshinro
■理学部数理情報科学科 東京理科大学:就職・進路
http://www.tus.ac.jp/fac/shushoku/shinrojokyo/shinro.php?shinro_t/sjshinro
■理工学部数学科 東京理科大学:就職・進路
http://www.tus.ac.jp/fac/shushoku/shinrojokyo/shinro.php?shinro_t/mashinro

【女子大学】
■卒業生の進路 - お茶の水女子大学理学部数学科
http://www.math.ocha.ac.jp/sinro.html
■奈良女子大学数学科 卒業生の主な進路
http://www.math.nara-wu.ac.jp/nyushi/campuslife.htm#shinro
■津田塾大学数学科ホームページ 2004年度情報数理科学科(数学コース)進路先
http://kouhou.tsuda.ac.jp/ug/dept_math/graduate/index.html

「数学科 進路」で検索したら、国立大学ばっかり出てきました。

一般に理工系の教育組織として、国立大は「理学部+工学部」、私立大は「理工学部」という組織を設置していることが多いのですが、私立の場合はそうした事情もあってか、数学科という名称でないことも多いようでした。「数理工学科」とか、情報なんたら学科とか、工学系に一歩寄ったような学科が少なくないみたいです。

そんなわけで、ズバリ「数学科」で検索すると、なんとなく国立大学ばっかりになってしまうみたいです。で、その結果、「大学院に進学」という進路が目立つ結果になりました。
あとメジャーなのは、やっぱり、中学、高校の教員を目指す道ですね。そもそも各大学の数学科とも、もともと教員志望で入ってくる学生が多いようです。
あわせて、「教育・研究」の分野が、数学科卒業生の受け皿として、最も身近な存在であるようですね。

一般企業で目立つのは、情報処理産業。
もともと数学を駆使した業務が多いですし、数学科の学生はコンピューターの扱いに長けているということもあるでしょう。
数学科の教育内容自体が、コンピューターを駆使して学ぶカリキュラムになっていますので、これは当然と言えば当然ですね。
SEになる方も多いようです。

あとどの大学でも多いのが、これまたイメージ通り、金融業です。
銀行や証券会社、保険会社などでは、数字に強くなければやっていけません。
また投資に関する高度な業務では、数学科で学んだような高度な数学理論が大いに活用されると思います。
「金融工学」というジャンルの学問は、もともと応用数学の分野から派生したようなものですし、数学科卒業生に対する期待は大きいと思います。
ウォール街などでは、高度な数学や物理学の素養を持つ方が活躍しているそうですし。

…って、数学、ものすごく役に立つではないですか。
ある意味、大金を稼ぐための最短ルートなんじゃないか? という気がしてきたくらいですよ!

というわけで、

研究の場で、数学理論を追究しても良し、
教育の現場で、数学のおもしろさや美しさを若者に伝えても良し、
情報処理産業や通信産業で、日本の技術の最先端を支えていくも良し、
金融知識を学んだ上で、投資のプロになるも良しと、

とんでもなく幅広く、かつ専門家としての活躍ができそうな、魅力的な進路が浮かび上がってきました。

冒頭でご紹介した『AERA』の記事の調査結果もこれと同じで、あまり進路に関してはネガティブな面がなく、「数学好きでよかった」という意見が多い内容になっています。どんな業種に進むにしても、数学は、わりと役に立つようですよ。

もっとも、結局、大学でも数学を学び続ける学生さん達の動機のメインは、

「数学の考え方が好きだから」
「数学の美しさが好きだから」

だと思うんですよね。
「数学が好きだけど進路が不安」という方が身近にいらしたら、そんなに心配することも無さそうだから、学びたいことを学べば良いんじゃないかな、と言ってあげてください。

その際に、上述したようなネタがお役に立てればと思います。
進路を広げる上でも、数学を学ぶことは魅力的ですよと。

以上、マイスターでした。

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※本番化の予約に失敗していたようで、アップがちょっと遅れてしまいました。すみません。

1 個のコメント

  • 数学科進路【国立大学】の項目がありますが、
    福岡大学は残念ながら私大です。詰めが甘い。
    所々で誤字脱字も見受けられます。勉強しましょう。