センター試験も「過去問」解禁を検討

マイスターです。

大学入試で、「一度どこかの大学で出題された過去問題」を再利用しようとする動きが盛んだと、以前ブログに書きました。

(過去の関連記事)
・全国66大学が、来春から「過去問」を共有&再利用(2007年05月18日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50313687.html
・問われている、今後の大学入試のあり方(2006年11月23日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50264795.html

従来、各大学は毎年、他大学の過去問題を詳細に調べ、出題されていない独自の問題を作る必要があるとされてきました。
しかしこれを丁寧にやっていると、試験問題作成委員の負担があまりにも大きいのです。
過去問活用宣言は、そん負担を軽減するものとして、期待されているようです。

さて、そんな中、↓この組織も方針を変えたようです。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「センター試験、『過去問』出題を解禁へ」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070820it01.htm
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大学入試センター(本部・東京都目黒区)は、毎年1月に実施している大学入試センター試験について、過去に出された問題(過去問)を今後出題する方向で最終的な検討に入った。

これまで出題を控えてきた、教科書に掲載されている題材も出題対象にする。出題の範囲を広げることで、良質な問題を作成する狙いがある。

同センターは、文部科学省や国立大学協会などと協議した上で、今年度中にも過去問の活用を宣言する方針で、早ければ2010年1月のセンター試験から、過去問が登場する可能性が出てきた。

センター試験の問題は、大学教員など約400人が2年がかりで作成。センター試験は、現在、国公私立の780大学・短大が入試に利用しているほか、各大学が入試問題を作成する際の参考にすることも想定されるため、学習指導要領に基づいた良質な問題を出すことが求められてきた。

一方で、過去問については、問題を解いたことがある人とない人で不公平が生じることを避けるため、1979年から始まった前身の共通一次試験を含め、一度も出題されたことはない。また、教科書に載っている題材も出題しないことが慣習になっていた。

しかし、問題作成の過程で、センター試験や他大学の過去問、教科書との重複をチェックするのに多大な時間を割かれる状況が年々、深刻化してきた。特に、国語の古典では、「枕草子」などの著名作品について、教科書や予備校の模擬試験で使われている可能性が高いとして出題を避けており、「高校生が読める程度の難易度で、興味を持つような内容の題材を探すのは限界がある」との声が上がっていた。

(上記記事より。強調部分はマイスターによる)

というわけで、大学入試センター試験も、過去問からの出題を解禁するそうです。

それだけではありません。
センター試験では、「教科書に掲載されている事例からは出題しない」というのがお約束だったそうなのですが、そちらも解禁になるとのこと。
どうやらセンター試験の問題作成委員達も、そろそろ限界を感じていたようですね。

過去問を解禁することで、より良質な問題が出題されるようになる……のかもしれません。
要注目ですね。

以上、マイスターでした。