気づけばもう年末ではないですか。
早いものですね。
年末ということで、こんなネタをご用意しました。
「この一年間、日本で、
どんな言葉が
検索されていたのか!?」
現在は、ほとんどの検索サイトが、こうしたデータを発表しています。
様々なBtoC企業の企画&マーケティング担当者が、もっともダイレクトな市場ニーズを表すデータとして注視している調査です。
いち生活者としての興味で見るのも楽しいですが、
「世の中ではこんなものが興味を集めているんだ!
なにかこれを企画に役立てられないか?」
と、プロ意識を持ってみると、より楽しめると思います。
直接、教育活動に役立てることは難しいと思いますが、こうした情報を追っておくことは、とても大切です。
学校webコンテンツの企画や、ちょっとしたパンフレットのデザインなど、あらゆるところで活きてくるはずです。
【教育関連ニュース】——————————————–
■「Yahoo!JAPAN 2005年検索ワードランキング」(Yahoo!JAPAN)
http://picks.dir.yahoo.co.jp/new/review2005/
■「goo 2005年 検索キーワードランキング」(goo)
http://ranking.goo.ne.jp/special/2005/
■「2005 Year-End Google Zeitgeist(英語)」(Google.com)
http://www.google.com/intl/en/press/zeitgeist2005.html
・「Google Zeitgeist – Google の検索キーワードランキングとトレンド分析(日本語)」(Google)
http://www.google.com/press/zeitgeist.html
・「Google検索ランキング、SNSブームを反映」(ITMedia News)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0512/21/news013.html
■「Infoseek 楽天 キーワードランキング」(Infoseek)
http://www.infoseek.co.jp/Keyword?pg=ranking2005_top_if.html
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日本の検索は、Yahoo!JAPANが圧倒的に高いシェアを持っています。
ですので、もっとも実情をよく表しているのは、Yahoo!JAPANの検索ランキングです。
ただ、教育関係者が見て面白いのは、gooの結果でしょうか。
単なるランキング順位だけではなく、特定キーワードの検索回数が年間を通じてどのように推移していったかを、わかりやすく紹介してくれています。
「個人情報保護法」「アスベスト」「生協の白石さん」「ニート」などの検索ワードが、一年を通じてどのようにアクセスを集め、そして世間の関心を失っていったかがわかります。
「個人情報保護法」
→法が施行された4月頃に大きな注目を集めましたが、それ以降は関心を失っていきます。
みなさん、4月に慌てて実務に役立つ情報を探していたのですね。
(検索回数が減ったということは、十分に理解されたということかな?)
「アスベスト」
→報道がヒートアップした7月頃には大変な検索を集めていますが、ゆるゆると世間の関心を失い、今は一時期の数分の一。
しかし全国ではまだ処理が済んでいない学校や公共施設が残っていると思いますから、油断しないで対策を進めていって欲しいと思います。
上記の二つのワードは、一時期瞬発的にアクセスを稼ぎ、少しずつ検索が減っていくという、わかりやすい動き。
それに対して、以下の二つは特徴的です。
「生協の白石さん」
→メディアの報道や、本の出版にあわせて、極端に山と谷ができてます。
逆に言うと、マスメディアで取り上げられるまでは、大手の検索サイトではほとんど目立つ動きをしていなかったということです。
ネットでじわじわと人気を集めてきた白石さんですが、やはりマスメディアの影響力は絶大ということでしょうか。
今後、マスメディアや出版社が取り上げなくなってくると、アクセスも落ち着いてくるかと思います。
「ニート」
→年間を通じて、常に一定のアクセスを集めています。こういうワードはweb上では逆に珍しいです。
一過性のブームではなくて、完全に日本の社会を表す性質として定着したということでしょうか。
教育関係者としてはとても複雑な気分です。
世界の検索ランキングも見てみましょう。
シェア世界一の検索エンジン、Googleが発表しているランキング「Google Zeitgeist」がオススメです。
このランキングはGoogle.comをはじめすべてのGoogleドメインで検索されたキーワードのランキングです。
世界1位となった「MySpace」と5位の「orkut」は、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)です。
日本では「mixi」の躍進で知られていますが、世界的にもSNSはネット生活インフラとして定着しつつあるようです。
(※あ、大学職員限定SNS、「大学職員.network」もよろしくお願いします!)
「wikipedia」も世界ランキング4位にランクインしています。
これは、web上の百科事典。
ニセ投稿問題など様々な課題も残していますが、一方でその情報の正確さは評価されてもいます。
確実に、世界の学習活動を支援するインフラになってきたようですね。
以前、本ブログの記事で、wikipediaを運営するwiki財団が、教科書の内容を公開するプロジェクトをスタートさせたとお伝えしました。
・大学卒業までの教科書の内容が、webで公開される日
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50070695.html
このwiki財団の教科書データベースも、そのうちランキング上位に出てくるかも知れません。
そのころには、学校での学習スタイルもかなり変わっているかもわかりませんね。
ニュースサイト限定のランキングでは、「Hurricane Katrina」が2位、「tsunami」が3位です。
これらの災害が世界に与えた衝撃がいかに大きいかがわかります。
現地の教育現場にも、大きなダメージを与えました。
さて、以上、検索エンジン上のトレンド動向をご紹介しました。
マイスターは、
「今年、一番検索で名前が出てきた大学名はどこ!?」
なんて情報が欲しいのですが、さすがにそこまであからさまなデータは見つかりませんでした。
しょうがないので、興味本位でこんなデータを調べてみました~。
■「東京大学 VS 京都大学
webサイトアクセスデータ量推移」(2004~2005年)
(←クリックで拡大します)
Alexaツールバーを使って調べました。
東大と京大のwebサイトのアクセスデータ量の推移です。
昨年との比較ができるように、2年分のデータをご用意しました。
2004年度の初めは京大が頑張っていましたが、すっかり東大サイトに水をあけられてしまいましたね。
おもしろいのは、東大サイトと京大サイトのアクセス状況を表す波が、ほとんど同じ形をしていることです。
アクセスを集めるタイミングが同じなんでしょうか。
しかし、教育機関というのは、中長期的なスパンで変わっていくものと考えられていますが、なかなかどうして、細かな動きをしているものです。
■「早稲田大学 VS 慶應義塾大学
webサイトアクセスデータ量推移」(2004~2005年)
(←クリックで拡大します)
ネット早慶戦です。
慶應が押していますが、これには他の理由もあります。
早稲田大学は、「www.waseda.ac.jp」というURLを、昨年頃、「www.waseda.jp」に切り替えたのです。
ですから2004年から2005年初頭にかけては、その影響が出ているということは考えられます。
ただ、現在はwaseda.ac.jpへのアクセスもwaseda.jpに飛ばす設定になっているようですし、やはり実際に、若干、慶應有利なのかも知れません。
それに2005年の後半など、慶應がアクセスを順調に伸ばしてますよね。
早稲田、頑張ってください。
■「東京農工大学 VS 電気通信大学
webサイトアクセスデータ量推移」(2004~2005年)
(←クリックで拡大します)
白石さんの影響はどんなものかと思って、この大学についても調べてみました。
同じ国立で、学問の系列がにていると言うことで、比較対照として電気通信大学を選んでみました。
(tuat.c.jpが農工大、uec.ac.jpが電気通信大です)
結果は………うーん、わかりにくい…。
ただ…2004年と比べると、2005年の末の方が、アクセスが伸びている感じではありますね。
アクセスが増加している10月半ばから11月にかけての時期は、ちょうど白石さん報道が続いて、単行本が出版された時期。
影響があったかも知れません。
最後はコレ。
■「文部科学省
webサイトアクセスデータ量推移」(2004~2005年)
(←クリックで拡大します)
マスメディアが教育改革の報道を行うたび、それへの反論や補足をメールマガジン&サイト上で公表していた2005年の文科省。
そんな活動の影響が何か出ているかと思って調べてみましたが…うーん、これまた微妙ですねー。
昨年よりは、全体的に安定してアクセスを集めているようにも見受けられますが、なんとも言えません。
そろそろ長くなってきたので、このくらいにしておきましょう。
上記で比較したのは、ほんの一例。
ぜひみなさんも、自分が務める組織のサイトをライバルと比較しながら、一年を振り返ってみてください。
年間の動きをこうして振り返ってみるのも、面白いですよね。
オンラインネットワークには、生活者のナマの意識が、記録として残ります。
それを追うことで、何か得られるものがあるでしょう。
最後に、消費動向を示す情報ということで、基本どころ、電通と博報堂のレポートをご紹介しておきましょう。
■「2005年の話題・注目商品 キーワードは『消費快盛』」(電通)
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2005/pdf/2005067-1207.pdf
■「博報堂消費トレンドレポート2005:マインド構造改革」(博報堂)
http://www.hakuhodo.co.jp/news/directNews.html?2005&20051202_0
というわけで、2005年度の「俺の職場は大学キャンパス」はこれで終わりです。
来年も、教育をより良くしていくために、頑張りましょう!
それでは皆様、よいお年を。
マイスターでした。
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普段、こんなブログを読んでくださっているみなさま、どうもありがとうございます!
おそるおそる始めてみたこのブログがここまで来れたのも、みなさんのおかげです!
2006年度も、頑張って、今後も毎日更新を続けます!
どうぞよろしくお願いいたします!
by マイスター