米国大学でコンピュータ・サイエンスの専攻予定者が大幅減少

http://www.gocampus.jp/net_watch/archives/nw000607.html
「過去4年間に、米国大学の新入生のあいだでコンピュータ・サイエンスの人気が大幅に低下している」との報道。
ちょっと前のニュースですが、各webニュースメディアでも取り上げられていました。

このネットウォッチの記者は、
「IT業界自体が労働集約的な産業になって行く途中過程」だからか?という意見を述べられていますが、私もそういう面はあると思います。
でももっと単純に、ただニーズが満たされてきたからなんじゃないか、なんじゃないでしょうか。

私はwebサイト制作業から大学に転職しましたが、基本的な情報システムは、もはや電気や鉄道と同じで、それを専門とする企業に発注するサービスになったと感じています。
自社で大規模なシステムを開発したり、運用したりというニーズは、一般的な企業にはもうそれほど残っていないように思います。

でも、考えてみれば当たり前のことです。
情報インフラが整い、市場にアウトソーシングのサービスがそろえば、企業がメインに求めるのは、情報サービスを適切に扱いつつ、本業で利益を出せる人であって、コンピュータ・サイエンスを専門に学んだ人はそんなにいらないのでしょう。

教育の面でも、情報学はバブルだったのではないでしょうか。
この先絶対に必要な学問ではあるけど、過度な需要を期待しない方がいいように思います。

米国では、その大学を出たか、はおろか、どの学部・学科を出たかでも給料が変わります。
社会の需給バランスをとる仕組みだ、と言えばそれまで。アメリカらしい仕組みです。

ITが世間を揺るがす前、大学の授業で、MITの不動産コースが、卒業後の給与水準で全米1位だと聞いたことがありました。
ITバブル終焉の後は、こうした学問もまた上位に返り咲いてくるのか、それはわかりませんが、とりあえず短期的な産業の浮き沈みをある程度反映した数字が出てくるんじゃないでしょうか。