マイスターです。
今ひとつ、導入が進んでいないと言われている、9月入学。
制度はあるけど、実際の入学者はゼロという大学も少なくないと聞きます。
(参考)
■「『9月入学』進まぬ大学 利用わずか63校」(教育ニュース:イザ!)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/71773/
マイスターは、別に日本人の全員が9月入学になる必要はさらさらないと思います。
ただ、4月からでも、9月からでも大学で学び始められるような社会の方が、自由度があってより良いんじゃないか……という意見です。
(だって、授業は4月と9月から始まるんですから。そのどちらかのタイミングで学び始めて、単位がたまったら卒業、でいいじゃありませんか、ねぇ)
しかし、実際に9月入学生を受け入れる環境を作るためには、それなりに人材を整え、準備をする必要があります。
授業カリキュラムはもちろん、就職支援などの学生支援活動にも、より多くの手間をかけることになります。若干のコスト増は否めません。
となると、実際に制度を利用する学生がほとんどいないという現状では、二の足を踏む大学が出てくるのも当然です。
でもなぁ、やりかた次第でどうにかなるような気もするんだけどなぁ、う~ん……。
などと思っていたら、ふと、↓こんなページに目がとまりました。
【教育関連ニュース】—————————————–
■「平成19年度高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)合格者の皆さまへ」(サイバー大学)
http://www.cyber-u.ac.jp/information/2007/070829/index.html
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サイバー大学では、9月3日まで秋学期生を募集しております。
文部科学省による高卒認定試験の結果通知は8月31日(金)発送予定となっておりますが、合格された方でサイバー大学へ入学を希望される方には、9月3日以降も個別に対応し、入学の手続きをさせていただきます。認定試験の合格を機に、10月からサイバー大学の学生として大学生活を始めてみませんか。来年4月まで待つことなく、入学していただけます。また、サイバー大学では学ぶ意欲のある方に入学いただきたく、選考は志望動機書などの提出書類によって行います。
サイバー大学は、日本で初めてすべての講義をインターネットで提供する4年制大学です。講義はもちろん、試験も課題の提出もすべてインターネットを介して行うため、通学の必要は一切ありません。年齢や性別、職業、障害の有無に関係なく、また仕事や趣味と両立させながら「いつでも・どこでも・誰でも」学ぶことができます。
皆さまのご入学を心よりお待ちしています。
(上記記事より)
ご存じ、サイバー大学のwebページです。
日本全体から見れば、数はそう多くはないでしょうが、世の中には大学進学を目指して、高卒認定試験にチャレンジする方々もいらっしゃるわけです。
で、その合格通知は8月31日発送なのだそうです。
ということは、ですよ。
9月入学が可能な大学の場合、うまく調整すれば、高卒認定試験合格後、そのまま9月中には大学で学び始めるということだって、不可能ではないわけです。
マイスター、かつて大検受検者達の家庭教師をしていた経験があるのですが、もし、いま自分が高卒認定試験を受ける生徒の指導をしていたなら、9月入学という選択肢も、可能性の一つとして勧めると思います。
こういったルートで進学を考える方々というのは、マイスターの経験の範囲で言う限り、大学での学びに対して、非常に高いモチベーションを持っています。
わざわざ半年間も待たせられるより、可能ならすぐに進学したいと考えている生徒もいます。
そんな生徒達にとっては、9月入学という選択肢は、また違った意味合いを持っているのではないでしょうか。
が。
にも関わらず、実はマイスター、上記でご紹介したサイバー大学のような告知をしている大学を、他には一校も見つけられませんでした。
もちろん、マイスターが見逃しているだけで、実はいくつもあるのかも知れません。
が、高卒認定試験の受験生が思いつきそうな検査ワードで小一時間探し続けても見つけられませんでしたので、実際の受験生からも見過ごされている可能性は高いです。
少ないと言っても、9月入学の制度を持っている大学は、153校以上あるわけです。
にも関わらず、その中でこういった小さなニーズをきちんと見逃さず、ちゃんと受験生に届く形でメッセージを送っていたのは、サイバー大学だけだったというわけです。
こんなことが可能なのは、サイバー大学が、入試を行わない特殊な大学だからだ……というお声もあるかも知れません。
しかし実際には、3月の半ばを過ぎても、わずか数人の入学者を確保するためにギリギリまで入試を行っている大学が山ほどあるわけです。他の大学にできない道理はありません。
「受験生を集める」という目的はあるでしょうが、こういった取り組みは、社会的にも意義があるものではないかと個人的には思います。
留学生ももちろんそうですが、ある意味9月入学という制度は、こういった生徒達のためにこそ、導入を検討されるものなのではないでしょうか。
入試に携わるプロの方々は、ぜひ、こういったニーズにどう対処するかということも、忘れないでおいていただきたいと、個人的に願う次第です。
以上、マイスターでした。
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(おまけ)
■「AOチャレンジ入試(高等学校卒業程度認定試験利用入試)」(大正大学)
http://www.tais.ac.jp/nyushi/aocharenge.html
↑ちょっと記事の主旨とは違いますが、こういった制度を持っている大学もありました。