iPhoneユーザーのマイスターです。
電車の移動中も、何か面白いPodcastやAPPがないかと、検索をし続けてしまっています。
どっぷりiPhone中毒です。
最近では、雑誌の『クーリエ・ジャポン』が、雑誌本体をデジタル化し、iPhone用のAPPとして配信しているのに驚きました。
■「iPhone:クーリエ・ジャポン アプリ」(クーリエ・ジャポン)
さっそく購入(\350)してみましたが、読めます。
普段から通勤カバンがずっしり重い上、買った雑誌の保管場所にも困っているマイスターとしては、こうした販売方法は非常にありがたいです。
このほかにも、コミックなどがiPhone用に有料、もしくは無料で配信されています。
元々、「iTunes」の音楽やムービーは充実していましたし。
「iPhoneを持っている人」という限定された市場ではありますが、コンテンツのプラットフォームとして、隠された可能性を感じる今日この頃。
日本国内だけでなく、海外にも窓が開いている、という点もポイントでしょうか。
そんなiPhoneの、さらなる発展を予感させる出来事がありました。
【今日の大学関連ニュース】
■「スタンフォード大のiPhoneアプリ開発講義が100万ダウンロード」(INTERNET Watch)
米スタンフォード大学で行われているiPhoneアプリケーション開発者向けの講義が、大人気を博していることが18日、明らかになった。この講義はiTunes Storeの「iTunes U」サイトで公開されている。
講義自体はスタンフォード大学で行われており、米Appleのエンジニアが講師を務める。講義内容は動画で公開されており、誰もが無料で見られるが、単位は履修しているスタンフォード大学の学生しか得ることができない。
この講義は4月1日に公開されて以来、大人気を博し、わずか7週間で100万ダウンロードを達成した。Appleでモバイルラーニングなどを担当するJason Ediger氏は、「iTunes Uで100万ダウンロードを達成した最速の講義となる」とコメントしている。
(上記記事より)
iPodに対応していることでおなじみの、コンテンツ配信サイト「iTunes Store」。
その中に、大学の授業などを配信する「iTunes U」が開設されたのは、2007年5月のことです。
UCバークレーやスタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学といった有名大学が無料で講義を提供していることもあり、少しずつ参加大学を増やしながら、「iTunes U」 はコンテンツを充実させてきました。
そんな「iTunes U」において、過去最速のペースでダウンロードされているのが、「iPhone」のアプリケーション開発に関する、スタンフォード大学のプログラム。
学ぶ内容も新しい情報メディアについてなら、それを学ぶために使うのも、新しい情報メディア。
インターネットという情報ネットワークの中で、学習と、その成果としての生産行為が、ぐるぐるまわるサイクルになっています。
まるで、多様な「知」の成果を世界中に拡げるための、壮大な実験のよう。
新時代の教育のあり方を感じさせる動きです。
大学による公式情報は↓こちら。
Free videos of Stanford’s wildly popular course on creating applications for the iPhone and iPod touch have now been downloaded a remarkable million times from Stanford’s site on iTunes U in the iTunes Store.
And all of the million downloads have come in just seven weeks, since the course began on April 1.
The way the downloads have taken off like a rocket makes the iPhone Application Programming videos the fastest to reach the 1 million milestone in the history of iTunes U, which hosts offerings from hundreds of colleges and universities around the world.
“This is the fastest any course on iTunes U has reached one million downloads,” said Jason Ediger, Apple’s director of iTunes U and Mobile Learning. “iTunes U has proven to be a very effective and popular way to share this course with anyone interested in creating iPhone apps.”
(上記記事より)
スタンフォード大学の「iTunes U」案内サイトは↓こちら。
■「Stanford on iTunes U」(Stanford University)
画面下のリンクをクリックすると、(PCにiTunesがインストールされている方は)iTunesが起動し、「iTunes U」のスタンフォード大学のコンテンツが表示されます。
右側の「TOP DOWNLOADS」の一番上に表示されているのが、今回話題になったコンテンツです。
こちら正確には、17個(2009.5.25現在)ある 「iPhone Application Programming」講義ムービーのうちの、初回講義の映像。
残りの映像も、こちらからダウンロードできます。
ちなみに、普通にPCからiTunesを起動し、
iTunes Store → iTunes U → TOP DOWNLOADS
……とクリックしていっても、同じコンテンツが一位になっています。
何しろ、過去最高のダウンロードされっぷりなのですからね。
ご興味のある方は、試しに初回講義だけでもダウンロードして、実際に視聴してみてください。
第一回の講義「1. Introduction to Mac OS X and Cocoa Touch (April 1, 2009)」は、およそ64分の映像で、ファイルサイズは470MBほど。
iPhone単体でダウンロードすることは不可能ですので、PCのiTunes Storeからアクセスする必要があります。
内容は、わりと静かに進む授業。
本当に、イントロダクションという感じです。
ネットで視聴するには、このくらいが聞き取りやすいかもしれません。
↓大学の公式サイトには、講義をサポートするために、資料などがダウンロードできる授業ページが用意されています。
■「CS193P – iPhone Application Programming」(Stanford University)
このプログラムを視聴した人の中から、iPhoneでアプリを開発し、配信される方が多く出てくることでしょう。
IT(ICT)と教育の組み合わせが、爆発的な影響力を発揮する……ということは様々なところで指摘されていますが、これはそのわかりやすい例の一つかもしれません。
「ネットだけで授業内容が完結する」
「世界で多く使われている言語(この場合は英語)による講義である」
「学ぶ素材も情報」
……というあたりが、脅威のダウンロード回数の理由でしょうか。
なお、大学業界の方ならご存じかと思いますが、「iTunes」では東京大学をはじめ、日本の大学も多くの映像を配信しています。
内容的には非常に充実しています。
マイスターは建築が好きですので、東大の「学術俯瞰講義:変化する都市」で安藤忠雄氏の講義を、多摩美術大学のコンテンツで伊藤豊雄氏の講義を視聴しました。贅沢です。
自宅でこれだけの講義を、好きなように視聴できるというのは大変なことだなぁ、と改めて思います。
大学のPRにもなるということで、各大学、有名な研究者の方々の講義を配信されているようですね。
ただ、日本語で行われている講義がほとんどですので、海外になかなか広がらないという点が、「iTunes U」ダウンロード上位コンテンツと違うところでしょうか。
世界的に活躍されている研究者の方の講義を英語で配信してみたら、どのくらいダウンロードされるのか、気になるところです。
逆に、日本の大学の入門的な授業を日本語のまま配信してみたら、日本への留学を考えている方々の教材として活用されるかもしれない、という気もします。
現在は、上記の2つのパターンとも、あまりありませんので、よければぜひ配信してみてください。
世界中でダウンロードを集めるようなコンテンツが、そのうち生まれるかもしれませんよ。
以上、マイスターでした。
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。
iTunes U の日本版について、先日Appleに間接的に訪ねましたが、答が返ってきませんでした。まだ時期が早いのかもしれませんが、iPhone を配布した青学ならもしかしたら実現の可能性があるかもしれません。みんながんばれ!と言いたいところです。青学に打診してみましたが、まだ答えはありません。発表まで言わないか、それとも全然考えていないのか。聞いてみたいですね。