マイスターです。
動画を活用する大学、今回はこんな事例をご紹介します。
【今日の大学関連ニュース】
■「プレスリリース:インターネット上で大学の講義を動画配信する慶應義塾オープンコースウェア iPhone 対応サイト「-Keio OCW for iPhone?」にて10 月1 日より公開 ―より楽しく、より便利に、「次世代OCW」を推進―(PDF)」(慶應義塾大学)
■「プレスリリース:慶應義塾オープンコースウェア、iPhone対応サイト「Keio OCW for iPhone」にて10月1日より公開」(ZDNet Japan)
慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構(本部:東京都港区、機構長:安西祐一郎、以下「DMC機構」)とキャスタリア株式会社(本社:東京都文京区、社長山脇智志、以下「キャスタリア」)は、慶應義塾オープンコースウェア(以下「Keio OCW」)の講義動画配信を行うアップル社のiPhoneおよびiPod touchに対応したサイト、「Keio OCW for iPhone(http://www.castalia.jp/i/keio)」の公開を10月1日より開始しました。 これにより学習者はポッドキャストによって配信される全ての講義動画をモバイル環境でも利用することが可能になります。
(略)「次世代OCW」を目指すKeio OCWは新たな技術を積極的に活用し、利用者の至便性を更に向上することを目指し、アップル社のiPhone およびiPod touchでの利用に特化した専用画面をもつKeio OCW for iPhoneをキャスタリア株式会社とともに運用を開始しました。
キャスタリア株式会社はすでに2008年7月より「Keio OCWチャンネル」を同社のcastalia.jp( (リンク ≫) )にて公開しています。日本のOCWを先導してきた慶應義塾大学は「次世代OCW」というテーマのなかで「学習者の主体的関与の実現」を目指します。またKeio OCW for iPhoneはOCWとしては世界で初めてのiPhone対応サイト開設となります。
現在のOCWはMITから生まれたいわば「世界標準」を意識したものです。KeioOCWは、「世界標準」を満たしながらも、これまでのMIT発の輸入型OCWから日本発のオリジナルなOCWを実現し、世界に向けての提案も目指します。
(上記記事より)
マサチューセッツ工科大学、通称MITから始まった「オープンコースウェア(OCW)」は、大学の講義の内容を、まるごと映像で無料配信する取り組み。
最先端の高等教育に誰でも簡単にアクセスできる社会をつくる、という目的と同時に、「これだけ魅力的な授業をやっている大学なんだぞ」ということを広くアピールするという狙いもあります。
(過去の関連記事)
■京都大学 YouTubeで講義を配信
慶應義塾大学は、日本では早くから独自に、授業映像の無料配信システムを構築するなど、こうした取り組みに熱心でした。
■「Keio University SFC Global Campus」(慶應義塾大学)
↑こちらの「Keio University SFC Global Campus」は、2002年から授業を公開。
学外の無料登録者もレポートを提出できたり、教員に質問ができたりといった実験的な環境をつくっています。
■「YouTube風の動画共有プラットフォームを慶応大学DMC機構が開発」(CNET Japan)
■「VOLUMEONE」(慶應義塾大学)
↑ちなみに慶應義塾大学は、YouTube風の動画共有サイトを作り、そこでも講義映像を配信していたりします。
■「慶応大学OCW、動画配信ポッドキャストコンテンツに付箋型メモが挟める」(study.jp)
↑また、OCWのポッドキャスト映像に付箋型のメモを挟める仕組みを作ったりもしています。
つまるところ慶應は、こういった取り組みにとても力を入れているのです。
「世界最先端を行ってやるぜ!」みたいな熱意を感じます。
そんなわけで今回は、「iPhone」で授業映像を視聴できる仕組みを作ったそうです。
■「Keio OCW for iPhone」(慶應義塾大学)
冒頭のリリースにある、
Keio OCW for iPhoneはOCWとしては世界で初めてのiPhone対応サイト開設となります。
……という文章が誇らしげです。
でも、こういった取り組みは、個人的には好きです。
iPhoneは確かに話題にはなりましたが、ビジネス的にはそんなに大きな市場ではないでしょう。大手の民間企業では普通、ビジネスとして成立するかどうかを見極めてから事業化しますので、今の段階でこんなことはなかなかできません。
意義がありそう、面白そう、先端だ、実験できそう……という勢いで技術を開発し、リリースしてしまうところはある意味、とても大学らしいですし、社会における大学の役割に応えていると言えるかも知れません。
こういう大学があると、世の中は何となく勢いづく、ような気がします。
マイスターは残念ながらiPhoneは持っておりませんが、「iPod Touch」なら持っています。
「iPod Touch」は、無線LANを通じてインターネットにアクセスできます。
これでも、「Keio OCW for iPhone」を使うことができます。
実際に視聴してみたところ、スムーズに映像が流れました。
(もっとも、マイスターは自宅の無線LANを通じてアクセスしたので、ダウンロードは早いです。iPhoneを使って街中や電車の中でアクセスしたらどうのかは、わかりません)
たまに音声が聞き取りにくい映像があったりしますが、講義自体を聞き取れないと言うほどではありませんでした。
授業で使われたスライドが画面に表示されるのですが、スライド1画面にびっしり文字を入れている先生の授業だと、画質と画面サイズに限界があり、読めないことがあります。でも音声を中心に授業内容を視聴する分には、そんなに問題はないと思います。
ユーザー登録などは特に求められないので、iPhoneをお持ちの方はぜひ、試しにアクセスしてみてください。
以上、マイスターでした。
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。