冬に除湿機を買っている時点でおかしい気もしますが、これが、とれるとれる。
こんなに部屋中湿気だらけだったんかい、というくらい、水がたまります。
ほこりのフィルターもついているのですが、ちょっと油断すると、こちらもすんげーたまってます。
…これって、もしかしてマイスターの生活の仕方が問題?
【教育関連ニュース】——————————————–
■「校舎にアスベスト、授業は旧役場で 上越市立下黒川小」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0913/TKY200509130363.html?ref=rss
■「アスベスト:31施設で使用確認 特に危険…学校など22施設 /茨城」(毎日新聞 Yahoo!ニュース掲載)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050908-00000137-mailo-l08
■「学校施設等におけるアスベスト使用に関する実態調査の実施について」(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/soshiki/daijin/nakayama/05071501.htm
■「アスベスト問題に関する文部科学省の過去の対応の検証(PDF)」(首相官邸)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/asbestos/kettei/050826kensyou_5.pdf
→[Google検索結果:アスベスト 学校]
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最初は、まさかこんなに大問題になるとは思っていなかったアスベスト。
マイスターも恥ずかしながら、今までアスベストについてほとんど知らなかったのですが、
実はずっと前から、健康に与える影響が問題視されていた物質だったのですねぇ。
アスベストって、どんな感じのモノかご存知ですか?
写真が、以下で見られます。
■「㈲神林興業」(新潟商工会議所)
http://www.niigata-cci.or.jp/present/detail.asp?preCode=85
「石綿」と呼ばれるとおり、もともとは、細かい天然繊維の集合体です。
断熱や、防護、錆び対策などで優れた性能を発揮するので、
シート状に加工して巻きつけたり、
スプレーで壁に吹き付けたりして使われていた素材です。
「アスベスト」の語源は、「永遠不滅の」という意味のギリシャ語。
性質が非常に安定しているので、こうして工業製品に使われるわけですが、
それだけに、これを体内に吸い込んだりすると大変です。
溶けたりせずに、体内にずっと、何十年も残留してしまうのですね。
呼吸器系に取り込まれると、アスベストは30年、40年といった長い年月を経て肺がんや中皮腫を発症させます。
ネットで調べたところ、中皮腫の場合、潜伏期間は平均38.0年だとか。
つまり今、中皮腫を発症させた方は、1967年頃にアスベスト被害を受けたってことですよ。
(参考:「アスベストが体内に残るなら,あの話題の新素材だって…」http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL_LEAF/20050713/106699/)
冒頭でご紹介した記事は、学校のアスベスト使用に関する報道です。
-校舎の天井にアスベスト(石綿)が使われていることが分かり、市教委は13日、同校を一時閉鎖した。除去作業が済むまでの間、授業は今年1月の合併まで旧柿崎町役場だった区総合事務所の3、4階の空きスペースを使って行う。
市教委によると、同校の校舎は鉄筋コンクリート3階建て(延べ3363平方メートル)で、80年に建てられた。今月7日から設計書などをもとに調査、12日に天井の断熱材として使われる粉体「バーミキュライト」を固定する仕上げ材として、アスベストが使用されたことを確認した。今のところ、健康被害の報告はない。- (冒頭Asahi.com記事より)
80年に建てられたのだから、まだ中皮腫などの健康被害が報告されていないのは当然ですね。
「今のところ、健康被害の報告はない」の文字に安心してはいけません。
バーミキュライトを固定する仕上げ材、ということで、どんな感じで使われていたのかはわからないのですが、
ただ、アスベストは、基本的に「呼吸器系」に入り込んだときに問題を引き起こすので、
アスベストが飛散するような状況でない限り、過度に心配をする必要もないようです。
もちろん、学校なので、心配しすぎるということはありませんが、
むしろ私達は、現在行われているという、除去作業の仕方を気にかけるべきみたいですよ。
■「インタビュー:アスベスト被害、住宅は大丈夫か? SAFTY JAPAN2005」(日経BP社)
http://nikkeibp.jp/sj2005/interview/05/
上記は、国立保健医療科学院建築衛生部長、池田耕一氏によるインタビュー解説。
これを読む限り、
「過度に恐れず、慎重に冷静に。
除去する場合は、適切な方法で除去せよ」
ということなのかな、と思います。
逆に、適切でない方法、
突貫工事や、アスベスト対策に慣れていない業者の作業、などの結果、
かえってアスベストが飛散している状況を作ってしまい、
学期開始後の子ども達が吸い込んでしまう、なんてことだって、ありうるのですね。
アスベストは非常に飛散しやすく、大気中に長い間、残留し続けます。
アスベスト工場の周囲にある住宅で健康被害が出ていることからも、
空気に混じって漂うアスベストの恐ろしさが、わかります。
ゆめゆめ、気をつけねばなりません。
ところで、
冒頭では、他にもいくつかの記事を見かけました。
これらに限らず、今は基本的に、
「ここもアスベストを使っているぞ!」
式の報道が、多いように思います。
チェックして、改善することは非常に大事なのですが、
指摘を受けてあわてた学校が、アスベストを「とりあえず形の上で取り除くために」突貫工事で対応して、
かえって、防げたはずのアスベスト被害を起こしてしまったりしないか、心配です。
学校は、こうしたとき、とりあえず体裁を取り繕うための処置をしがちです。
特に公立学校教育のガバナンスは、シックスクールの記事でもご紹介した通り、
どちらかというと、こうした事態に向いていません。
・「シックスクール」の問題を知っておこう(1):大人が気づかない間に、子どもは被害を受けている
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50034924.html
・「シックスクール」の問題を知っておこう(2):学校のガバナンスが子どもを危険にさらしている?
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50035602.html
アスベスト使用が判明した場合でも、関係者に十分な説明を行い、
あわて過ぎず、冷静に、丁寧な処置をして欲しいと思います。
なお、吸い込まなければまだ大丈夫、とはいっても、
ずいぶん前から危険性が指摘されていたアスベストを
現在まで製造、あるいは使用し続けてきたメーカーは、
やはりその責任を糾弾されてしかるべきだと思います。
法律では、これまで一部のアスベストは規制できていなかったんですよね。
こういう問題って、国の責任ということになるわけでしょうかね。
マイスターの乏しい法律知識によれば、
建物のような不動産が原因でこうした健康被害が起きた場合、民法717条(土地工作物責任)が適用され、
まず建物の占有者、そして所有者が責任を負うんだったと思います。
それに対し、動産には、製造物責任法(PL法)が適用されますので、
メーカーが製造した製品が、使用者の健康に被害を与えたりしたら、
メーカーが訴えられる仕組みだったと思います。
(上記の法律適用については、専門家ではないので、ちょっと解釈があいまいです。
間違いなどがございましたら、ぜひ、ご指摘ください)
ただ、今回のアスベストのようなケースでは、
どう考えてもアスベストを使っていた人に責任があるわけで、
とはいえ法律でガッチリ禁止されていたわけではないから罰することもできず、
製造者の姿勢一つに任されていたってことですよね…?
う~~~~~ん。
こういう、
「これって誰のせいでもないよね」
みたいな空気が流れている問題って、一番、やっかいですよね。
もどかしいです。
学校の環境を守るために、何か対策がとれないものかなぁ。
地方行政単位で、独自の規制をしてるところも、あるんでしょうかね?
今日はどうも、アスベストよろしく、色々な考えや想いが浮遊してまとまらないマイスターでした。
(と、ここまで書いて、
そういえば、自分だってどこかでアスベストを吸い込んでない保障はないよな、
と気づいてしまった…。)