先日、共著の本が発売されたところですが、7/10(火)に、単著の新刊が出ます。
文学部がなくなる日 誰も書かなかった大学の「いま」(主婦の友新書)に続いて、個人としては2冊目の新書です。
こうして本を出させていただけるのは、ありがたいことです。
・世間的な「ブランド・知名度」や「偏差値」が、大学の教育・研究の質を表しているとは限らない。
受験生を数多く獲得している大学ほど、あなたにとって良い大学だという保証もない。
・いま社会から高く評価されている学部・学科が、10年後もそうであるとは限らない。
いま就職が好調の学部を出たからと言って、10年後に食べていけるという保証もない。
……という点について、大学選びに関わる方々や、大学に関心をお持ちの多くの方々と一緒に語り、考えたい、と私はいつも考えております。
でも、単に「大学選びは、偏差値じゃないよ」とだけ言葉で伝えても、多くの方の、大学を見る目はそう簡単には変わらないんだよなぁ、とも感じます。たぶん、教育に関わる多くの方々が、同じ思いを持っていらっしゃるんじゃないでしょうか。
意識を変えていくことの難しさは、今まで大学が様々な改革をしてきたのに、受験生の進路選択がほとんど変わっていないことからも、残念ながらわかります。
毎日あらゆるメディアが大学に関する情報を提供していますが、むしろ情報が膨大になりすぎて、いっそうわからなくなった感もあります。
おそらくいま必要なのは、「どの大学が良いらしい」とか、「どの学部がおすすめ」といった情報ではなく、進路選択そのもののあり方を考えさせてくれる情報なのではないかと、私はいつも感じています。
そんな思いから書かせていただいたのが、今回の『看板学部と看板倒れ学部』です。
またしても、「学部」にフォーカスしたタイトルになりました。
この本でお伝えしたいのは、しかし、「この学部は良い内容だよ、この学部は悪い内容だよ」といったような、特定の大学に対する評価ではありません。
むしろ、皆さんがそうした一時的な評価を超えた視点で「大学」や「学部・学科」のあり方を俯瞰しようとする際、手助けになる本を目指しました。
よろしければぜひ、お時間のあるときにでもご覧ください。
広く一般の方々に読んでいただける内容を目指しておりますが、特に中高生の進路選択に関わる先生方や保護者の皆様、教育産業の関係者、そして大学の方々に読んでいただければと思っております。