マイスターです。
■「大学は美味しい!!」フェア、今年も6/2(水)~8(火)まで新宿で開催!
以前、ご紹介した「大学は美味しい!!」フェア。
大学の研究・教育活動の中で生まれた食品を集め、一般の方々に楽しんでもらうという企画です。
単なる物産展ではなく、学術的な成果と結びついた、食の学園祭。
高校生や大学生はもちろん、普段はあまり大学と関わりがない大人の方々でも、「大学」を楽しむことができるのです。
そんなわけで、今年も会場の様子をレポートします。

↑相変わらず会場は、すごい盛況ぶりです。
↑こちらは、帯広畜産大学のブースです。
帯広畜産大学は、国立大学で唯一の、獣医・畜産系大学。
キャンパスがあるのは、↓このあたりです。
まさに日本の食料生産の拠点の一つである、十勝。
上記のマップを拡大していただくとわかりますが、周囲は畑や牧場がいっぱいです。
(きっとこういう場所だからこそ、国立大学として、こういった教育研究機関が必要だったのですね)
食を学ぶ上で、これほど恵まれた環境は、そうはないでしょう。
帯広畜産大学ブースでは、牛乳やチーズなどの乳製品を販売されていました。
大学の畜産フィールド科学センターでは約170頭の乳牛を飼育しており、そこで生産された牛乳が使われています。
その飼育の様子については、↓こちらのサイトが詳しいですので、よろしければ合わせてご覧になってみてください。わかりやすく作られていて、「このセンターを見学してみたい」と思わせるサイトです。
センター内で飼料からつくっていますので、安全性の高い牛乳が作られるというわけです。
マイスターも試飲させていただきましたが、いかにも絞りたてというような味で、とっても美味しい牛乳でした。
ちなみに、この畜産フィールド科学センターでの牛乳生産に携わっているのが、学生さんによるサークル「うしぶ。」です。
搾乳などの作業を担当されており、その仕事のノウハウなどが、先輩から後輩に継承されているのだそうです。この大学らしい活動ですね。
研究、教育、地域貢献すべての面で、「畜大牛乳」の意義は大きいようです。

↑印象的なポスター。
「食を支え、守る」は、帯広畜産大学のキャッチコピーです。

↑あんぱんも販売されていました。
十勝産の天然酵母でつくられているとのことで、その「酵母」自体も販売されていました。

↑続いて、今回の会場で目を引くのは、ひときわ大きなスペースをとってのイートイン。
小樽商科大学のブースです。

↑扱われているのは、商大ラーメン。
なぜ商科大学がラーメン?……と、思う方も多いことでしょう。
戦前の小樽高等商業学校から始まり、同大は2011年に創立100周年を迎えます。
そこでこの期に、OB、OGと地元の企業の力を借りながら、戦前の学生食堂で食べられていたラーメンの味をもういちど再現しようというプロジェクトがスタートしました。
それが、このラーメンだというわけです。

↑イートインの中には、小樽商科大学の歴史を感じてもらう資料が。
こんな「食」との関わり方もあるのですね。
このラーメン、現在も小樽商科大学の学生食堂で、実際に販売されているそうです。
あっさり味で、おいしいラーメンでした。

↑お持ち帰り用に、販売もされていたのですが、その店頭に立っていらしたのが……

↑なんと小樽商科大学の、山本眞樹夫学長でした。
学長自ら、新宿で販売活動を担当されているとは。
大学を挙げての活動、という印象を受けます。
上記の2校もそうですが、今回が初参加の大学が、いくつかありました。

↑そのひとつが、幾央大学です。


こちらでは、大豆を使ってのパウンドケーキやラスクなどを販売されていました。
地元・奈良の吉野葛や醤油、大和茶を使って味付けされているのがポイント。

↑「最近流行の塩スイーツ」なんですよ、という販売戦略(?)をたてている様子。
でも、醤油味のパウンドケーキって、確かに珍しいですよね。
気になって買う人は結構いらしたのではないでしょうか。

↑こちらも初参加の、東京家政大学です。

↑皆さんが手に持っているのが、日本酒「白藤郷」。
新潟県には、江戸時代から昭和初期にかけて栽培されていた「白藤」という酒米がありました。
非常に評価の高かった品種などだそうですが、機械で収穫するのが難しいなどの理由により、現在では、この品種は一般には生産されていません。
まさに「幻の米」。
それを産学連携で復活させようというのが、このプロジェクトです。
■【白藤】復活プロジェクト
詳細は、↑こちらのサイトをご覧ください。
育てるのに手間がかかる白藤ですが、学生の皆さんが手作業で田植えから収穫までを担当され、こうして商品化にたどり着くまでの経緯がまとめられています。
白藤郷は、辛口で、美味しい日本酒です。
この日本酒が評判になれば、地域振興にも繋がるかもしれません。
山古志村の見学や、御田植祭などの取り組みも含め、生産に関わる学生の皆さんにとっても、非常にいい経験になっていることと思います。

↑学生さんによると思われる、手作りPOPがかわいらしいです。
ところでマイスターは2日間、時間帯をずらして出かけてみたのですが、時間帯によって来場者の層が結構違いました。
大学に興味を持って訪れたとおぼしき制服姿の高校生達がいたり、
別の時間帯では、まさに「物産展」のノリで来てみたという様子の女性グループがいたり。
老若男女、実に様々な方々が楽しむイベントです。
各大学のブースにいる方々の仕事は、ただ商品を売るだけではありません。
学術的な研究成果について、あるいはその商品が生まれた過程について、説明をするのも重要な役割。食欲だけでなく、知的好奇心も同時に満たせるというわけです。
(マイスターのように、そこを楽しみにしてブースを訪れる来場者も少なくないでしょうし)
しかし、上述のような多様な来場者に、研究成果の説明をするというのは、非常にレベルの高い行為。
ある意味、学会発表よりも大変かも知れませんね。
各ブースとも、大学の看板を背負い、競い合っているわけですので、そのあたりにはいつも万全の準備をして臨んでいるようです。
上でご紹介した初参加の大学の方々も、その食品の意義や取り組みの経緯について、非常に親切に教えてくださいました。
……と、少し長くなってきましたので、続きは次回に。
以上、マイスターでした。
今回、取材に快く協力してくださいました大学関係者の皆様、およびイベント主催者の皆様、お忙しい中、本当にありがとうございました!
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。