マイスターです。
もうすぐ七夕ですね。
日本天文学会が全国の大学や研究機関に対し、7月7日の講演実施を呼びかけているようです。
■「七夕の夜に最新の天文学を…全国87か所で同時講演会」(読売オンライン)
北海道から沖縄まで全国87の大学や天文台、科学館などで「全国同時七夕講演会」が7月7日を中心に開かれる。計100人以上の大学教員や専門家が講師となり、最新の研究成果や話題を紹介する。開催を呼びかけた日本天文学会は「かつてないほど七夕が盛り上がるはず」と期待している。
今年は、イタリアのガリレオ・ガリレイが望遠鏡で天体観測してから400年。それを記念した「世界天文年」の関連イベントとして同学会が企画した。
近代天文学の歴史や、七夕にちなんだ織姫星(ベガ)とひこ星(アルタイル)の解説をはじめ、銀河系の成り立ち、巨大ブラックホール、7月22日に迫った皆既日食などの話題を提供。京都精華大では竹宮惠子・マンガ学部長による「マンガにおける宇宙表現」、大阪市立科学館では「宇宙からの音・重力波を聴く」、岡山大理学部では「もうひとつの地球をさがす」など、ユニークなテーマもある。
(上記記事より)
↑講演は、こちらから探すことができます。
地学に触れる上でも、良い機会になりそう。
さて、今週も一週間の教育ニュースの中から、いくつかを選んでご紹介します。
【総長、売れすぎです!】
■「京都大学『総長カレー』、販売数が10万食突破-京都土産にも」(烏丸経済新聞)
京都大学生活協同組合(京都市左京区)とKBS京都(上京区)が共同で開発・販売しているレトルトカレー「総長カレー」の販売数が10万食を突破した。
(略)発売直後から土産や修学旅行の記念品としての利用などで話題を呼び、当初の年間販売目標だった5,000食を1カ月半で達成。多様な同大オリジナルグッズを扱う「京大ショップ」でも、売り上げはトップ。
KBS京都の担当者は「大学ブランドというと堅いイメージがあるかもしれないが、『総長』を通して『カレー』という身近な商品と結びつく発想の自由さに、多くの人が無意識のうちに共感したのでは」と話す。
(上記記事より)
京都大学の名物、「総長カレー」が、大学発食品としてはかなりの売れ行きを達成したようです。
大学で入手するほか、ネット通販で購入される人も多い様子。
■「京大『総長カレー』ネットでバカ売れ 半月で3,000食が『完売』」(J-CASTニュース)
現在は販路も拡大され、京都のデパートなどでも手にはいるそうです。
マイスターも以前、「学市学座」で販売されているのを買って食べましたが、具が贅沢にゴロリと入っていて、美味しかったです。
(過去の関連記事)
■「学市学座」(1):大学発オリジナルグッズが、紀伊國屋書店に大集合!
なお、「総長カレー」レトルト版ブームの火付け役となった通販サイトでは、現在、5個以上買うとオリジナルストラップがもらえるキャンペーンを実施されています。
パッケージと同じデザインのケータイクリーナー。
大学グッズマニア垂涎の逸品です。
【奨学金もある、アイヌ対象のプログラム。】
■「アイヌ:全国の大学で初めての奨学金制度 札幌大が来年度から」(毎日jp)
札幌大学(札幌市豊平区、宮腰昭男学長)は来春から、先住民族アイヌを対象にした「ウレシパ奨学金」を創設する。文化学部に6人の定員枠を設け、年間授業料(77万円)と入学金(20万円)を奨学金として支給する。アイヌ対象の奨学金制度は全国の大学で初めて。
「ウレシパ」とは、アイヌ語の「育て合う」の意味。奨学生には義務もあり、(1)アイヌ文化の学習(2)学内の埋蔵文化財展示室でアイヌ関連資料整理をサポート(3)アイヌ語、アイヌ文化、北方史などを必修--などが課せられるほか、アイヌ以外の学生や留学生にアイヌ文化を積極的に発信する。一方、大学はアイヌ学生の就職先として協力企業を探し、優先雇用枠の確保を行うなど、互いに育て合う教育を狙う。
対象は、道アイヌ協会などのアイヌ関係団体がアイヌ子弟と認めた来年度の新入生。年齢制限はない。出願受付は9月9~19日で、面接で支給者を決定する。その後、同大の自己推薦特別入試で合格すれば、入学が認められる。
(上記記事より)
■「『札幌大学文化学部ウレシパ・プロジェクト』の実施について」(札幌大学)
↑『札幌大学文化学部が、「ウレシパ・プロジェクト」という取り組みを始めました。
上記の記事にある奨学制度の他、企業との協力、アイヌの社会および文化に関心を持つ学生や留学生達を巻き込んでの活動など、様々な面でアイヌ文化の担い手を育てる取り組みになっています。
(過去の関連記事)
■アイヌ民族を対象にした大規模調査 大学進学率の低さが問題に
↑先日、アイヌ民族の大学進学率に関する調査結果をご紹介しました。
今回の札幌大学の取り組みは、単なるアファーマティブ・アクション(格差是正措置)というだけでなく、もう少し広い狙いがあるようです。
なおアイヌ民族に対しては、北海道も独自の大学修学資金貸付制度を運用しているそうなのですが、こちらは生活資金に充てられません。経済的な事情で退学に追い込まれるなどのケースには対応できないのですね。
札幌大学の奨学金は、生活資金にも使えるのが特徴だとのことです。
【おとなもこどもも、おねーさんも。】
■「東京造形大学オープンキャンパス2009」(東京造形大学)
東京造形大学のオープンキャンパスサイトが、ちょっと話題になっています。
昔のファミコンRPGを彷彿とさせるデザイン。
マイスターの世代は、「M●THER」(←伏せ字になってない)を連想します。
生まれたときには既にスーパーファミコンが存在していた現在の18歳に、このレトロ感が通じるかどうかはわかりませんが、個人的には楽しめました。
画面上のキャラクターに、最近の人気アニメの登場人物が混じっているなどの工夫もされているそうですので、ご興味のある方は探してみてください。
【意外に少ない?】
■「女性合格者初めて2割に=国家公務員I種試験-人事院」(時事ドットコム)
人事院が23日に発表した2009年度国家公務員I種試験の合格者は1494人で、前年度より51人減った。女性合格者は300人、全体に占める割合は過去最高の20.1%で、初めて2割台に乗った。
女性合格者のうち、行政、法律、経済の事務分野主要3区分は計179人。合格者に占める割合は23.7%でともに過去最高だった。
(略)来春の採用予定者は597人で、24日から始まる各府省の面接で合格者の中から絞り込まれる。
(上記記事より)
個人的には、「まだたったの2割なの!?」……という印象です。
もし学生を大学内での成績順に並べたら、上位にはもっと女性が入るでしょうから、国家公務員 I 種というキャリアパスが、まだまだ女子学生の支持を集められていないのかもしれません。
この後、面接などによって、実際の各省庁の採用者が決定されていきます。
男性が多い組織で、学閥が幅をきかせているという印象も世間一般にはある、中央省庁。
面接による採用試験の結果がどうなるのか、個人的には興味があります。
【採点者にも読めません。】
■「大学入試の作文をなんと甲骨文字で!破格合格の可能性も―四川省」(レコードチャイナ)
2009年6月20日、大学入試が終わったばかりの中国四川省で、甲骨文字で作文を書いて提出した受験生がいたとの情報がネット上に流れ、話題になっている。成都晩報が伝えた。
17日、「国学数典」フォーラムに「大学入試答案、四川省で甲骨文字作文が出現」というタイトルのスレッドが立った。作者は採点に関わった教師の 1人とみられ、「解答用紙のなかに驚くべきものが見つかった」と記述。それは「古代文字で整然と書かれた作文だった」と打ち明けている。
この作文を見た教師たちの反応はまさに「呆然」。「古代文字で書くな」という入試規定はないため、採点者チームはこの800字あまりの作文を上層部の言語監督チームに届けたが、彼らの反応も「呆然」であった。作文に使われている文字は甲骨文字のほかに、青銅器銘文体、篆書体などの文字で、上層部は四川大学の古代文字研究の専門家に翻訳を依頼。現代漢字の簡体字に訳したのちに採点するという。
(上記記事より)
毎年この時期には中国の大学入試に関するニュースをよく見かけるのですが、これは珍しい話題。
どういう意図で、わざわざ甲骨文字を使ったのでしょうか。
……というか、この受験生は何者でしょうか。
この答案が話題になったことにより、来年以降、同じことをする受験生が続出しそう。
入試規定の中に、「古代文字は採点しません」という一文を入れないといけなくなるかもしれません。
以上、今週のニュースクリップでした。
今週も一週間、本ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。
マイスターでした。
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。