マイスターです。
大学の方やメディアの方と、大学広報について意見交換させていただくことが多いです。
そのたびに、大学の良さを伝えるというのは簡単ではないなぁ、と実感します。
ワンフレーズで「これがウリ!」と言い切ってしまうのは簡単。
でも大学って、本当は一言で言えない雑多な部分に、本当の魅力があったりします。
好奇心のままに細部をつついていくと、これでもかというくらい、面白い人やモノ、コトと出会える。
それを無理矢理一言で表そうとすると、とても無難でありきたりなフレーズになってしまったりします。
教職員の方とお話しすると、「あぁ、面白い大学だなぁ」と思える魅力を山ほど教えていただけたりするのですが、「結局、何が一番の魅力なのでしょう?」と聞くと、「面白い人とたくさん出会える!」みたいな言葉に落ち着いたり。
これ、確かに真理なのですが、どの大学も同じことを言っているのですよね。
「ワンフレーズ」と、「雑多な魅力」の間をつないでくれる情報が、もっとあるといいのになぁ、なんて思ったりします。
今日は、ぜひ大学関係者、特に職員の方に見ていただきたいサイトをご紹介します。
【今日の大学関連ニュース】
■「岡大職員による岡大職員のための非公式ブログ」
昨今、大学職員の方が運営されているブログは少なくありません。「非公式」「非公認」と打ち出しているものも、結構あります。
「業務」という制限を離れ、自由に柔軟に、学生や職員など、当事者達の想いを伝えるこうしたブログは、武蔵野美術大学の「手羽イチロウ」さんが立ち上げた「ムサビコム」以降、業界で増えています。
「岡大職員による岡大職員のための非公式ブログ」も、タイトルの通り、岡山大学の職員の方が、「非公式」で更新されているブログ。
2009年5月に立ち上がったばかりのようで、マイスターもつい先日知ったばかりなのですが、おぉ、と思った部分がありました。
掲載されている情報が、イイ感じなのです。
■「サークルメンバーコラム」(岡大職員による岡大職員のための非公式ブログ)
↑例えばコラム。
先日、マイスターも取材させていただいた「大学は美味しい!!」フェアのレポートが書かれています。
ただし、マイスターとは逆で、「売り子の目線」から。
岡山大学は、「おお岡大」という日本酒を売り出したのですが、そのブースにいた方が書かれているのですね。大学の方々が、どんなことを考えてあのようなイベントに参加されているのか、という想いがわかるわけです。
岡大関係者の方は、「ほう、こんな感じだったのか」といって、大学の活動により興味を持つでしょう。
岡山から新宿までは相当離れていますから、様子を見に行きたくても行けなかった方だっていると思います。そういった「関心」を、切れさせずにつなげてくれるコラムだと思います。
学外の一般読者の方にとっても、大学の方々がどんな想いで取り組みを行っているのかがわかって、面白いでしょう。
↑「勉強会」レポートも、いいなぁと思いました。
こうしてレポートをアップしていれば、興味を持ち、参加しようと考える方も出てくるでしょう。
それに、こうした有志の勉強会って、継続が難しいのですよね。
最初は意欲を持って実施していても、メンバーのスケジュールが合わないなどの都合で、だんだん流れていきがち。
その点、こうして記録を公開していれば、継続のプレッシャーを自分達にかけることもできます。
■「岡大再発見」(岡大職員による岡大職員のための非公式ブログ)
↑そしてこの、「岡大再発見」。
これこそ今回、冒頭で申し上げた、「一言で言えない雑多な魅力」を紹介してくれるコンテンツではないでしょうか。
特に、個人的にいいなと思ったのが、研究室訪問のレポート。
■「~研究室の旅~小松泰信教授【農学部】第1章」(岡大職員による岡大職員のための非公式ブログ)
■「~研究室の旅~小松泰信教授【農学部】第2章」(岡大職員による岡大職員のための非公式ブログ)
職員有志で研究室を訪問してまわり、レポートにしてブログでアップしていく。
ここまで実行されている人は、業界にもあまりいないのでは。
まだこのブログ自体が始まったばかりなので、記事の数は多くありませんが、これから増えていくのでしょう。
記事が増える度に、このORの活動を知る教員の方も増えていくわけです。
ブログを介して、学内の関係性も強化されていくのですね。
……等々、細かい記事の詳細については、実際にサイトをご覧になってみてください。
マイスターは、「実際の活動まずありきのブログ」だという点が、この「岡大職員による岡大職員のための非公式ブログ」の特徴だと思います。
このブログ、正確に言うと、「OR(OKADAI RAKUGAKUDO)」という有志の職員サークルが制作されています。
ブログのプロフィール欄にも、
メンバー一人ひとりの成長と岡大の魅力アップの両立を目指して様々な活動をしています。
岡山大学というフィールドで「楽しみ」「学び」「動く」という意味を込めて、頭文字をローマ字で表しています。
興味を持った人はメンバーまで☆
(■「岡大職員による岡大職員のための非公式ブログ」より)
……という記述。
つまり、ブログは目的ではなく、活動を展開するための手段のひとつなのですね。
それも、一般の方々や受験生ではなく「岡大職員」のための活動と位置づけられ、「メンバー一人ひとりの成長と岡大の魅力アップの両立」が打ち出されています。
ブログの位置づけや目的が具体的であり、ブログだけで完結していない。
これって単純なようで、一番大事なポイントだと思います。
ちなみにブログを読んでいると、最初のエントリーから、少しずつ関わるメンバーが増えていることに気づきます。
ORの活動をリアルに進めているからこそ、ブログの内容も充実し、発展していくということなのでしょう。
そして、そんな活動を進めている当事者の方々が、楽しそう。
このブログを読んでいると、「岡大、いいところなんだろうなぁ」という気になってきます。
公式のパンフレットなどではなかなか表現できない大学の良さをどうやったら伝えるか。
そんな課題に挑戦しているブログなのかな、という気がします。
「岡大職員のため」ということですが、このサイトが充実していけば、間違いなく職員以外の方々にも読まれるようになるでしょう。
逆説的ですが、学内の関係者を熱くすることができれば、外部の受験生も惹きつけられると思います。
以上、他の大学の方々の参考にもなるかと思い、ご紹介させていただきました。
マイスターでした。
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。