コーヒー片手に知的な議論を楽しむ、サイエンスカフェや哲学カフェが人気

マイスターです。

皆さんは、「サイエンスカフェ」に参加されたことはありますか?

体験された方はまだ少なくても、この言葉を聞いたことがあるという方は、結構いらっしゃるのでは。
数年前から、様々なメディアで取り上げられるようになりました。
文字通り、カフェの場でコーヒーを飲みながら、研究者の方などによる科学分野の発表を聞くわけですが、気軽に知的な質問や議論を楽しめる雰囲気が、ファンを集めているようです。

何かを学ぶというよりは、「学問とコミュニケーションを楽しむ」という感じでしょうか。
ゆったりと知的な刺激を受けながら楽しむコーヒー……とても贅沢で素敵な時間の過ごし方です。

そんな「カフェ」系イベントが、色々な分野で実践されているようです。

【今日の大学関連ニュース】
■「知的刺激、カフェイベントが盛ん」(読売オンライン)

最近の学問の話題をめぐって、専門家と一般人が話し合う「カフェイベント」が盛んになっている。少人数で飲み物を手にざっくばらんに話し合うところが、講演会とは違う。
学生街の喫茶店のような雰囲気が好評だ。研究者にとっては、成果を社会にアピールする場になっている。
専門学校「文化学院」(東京都千代田区)では、4月から、学内の講師が話をする「クリエイティブ・カフェ」を毎月第3金曜に開いている。事前申し込みが必要で、参加費は500円。コーヒーと菓子が用意される。
(略)研究者が成果を気軽なカフェの場で発表する試みは、科学分野では「サイエンスカフェ」と呼ばれ、各地の大学や研究機関での開催が定着している。さらに最近では、科学に限らず、幅広い事柄をテーマに掲げる会が目立ち始めた。いずれも、研究成果を社会にアピールすることを目指している。
大阪大学では、昨年10月から、京阪電鉄中之島線の「なにわ橋駅」(大阪市北区)の地下1階のスペースで、研究者を招いた「ラボカフェ」を月10回程度開いている。本を取りあげる「書評カフェ」、医療現場の話題を取りあげる「臨床カフェ」のほか、哲学を考える「哲学カフェ」などがある。「鉄道カフェ」では、鉄道工事の記録映画を観賞し、参加者同士で感想を話し合ったという。
(上記記事より。強調部分はマイスターによる)

こんなに色々あったのですね。

いずれも、「専門家と一般生活者が気軽にコミュニケーションできる」という点は共通しています。
講演会よりも近い距離で気軽に意見を交換できますから、専門家を身近な存在に感じられそう。
そのあたりが、カフェイベントが拡がっている理由のひとつでしょうか。

「哲学カフェ」に関しては、↓こんな別の記事もありました。

■「熱いコーヒーと静かな議論…『哲学カフェ』人気」(MSN産経ニュース)

いつもは当たり前と見過ごしていることを、コーヒーを片手に議論する。そんな「哲学カフェ」が、関西を中心に広がりをみせている。「お金とは何なのか」「空気を読めないってどういうこと」といったチラシやネット上で掲示されるテーマを見て集まるひとたちは、性別も年齢もばらばらでほとんど初対面。ふだんの所属に関係なく一個人として意見をぶつけあうちょっと不思議な空間に、ひとは何を求めて集まるのか。
(略)哲学カフェは1990年代、フランスで広まり、大阪大学大学院文学研究科の臨床哲学研究室が2000年に導入。05年に学外メンバーも加えてカフェフィロを立ち上げ、大阪や神戸の喫茶店などを会場に約150回の哲学カフェを開いてきた。中之島哲学コレージュは昨秋から始めた。
カフェフィロ以外も含めると関西ではほぼ毎週、どこかで哲学カフェが開かれている。東京などでも広がりをみせており、自身も哲学カフェを開いている明治学院大学法学部の寺田俊郎准教授は「哲学的な対話を楽しみたいというひとは多いと思う」という。
(上記記事より)

哲学的な議論を楽しみたい人って、実は結構、いらっしゃるのではないでしょうか。
でも講演会などでは、どうしても一方的に話を聞くだけになりがち。
その点、カフェというのは、哲学の営みに合っていそうです。

なんだかこういう場での議論って、学問の原初的な姿を想起させますね。

それにこれ、よく考えてみると、大学で行われる「ゼミ」の風景にそっくりではないですか。
「知的なサロン」なんて言葉で表現されることもありますが、カフェイベントはわかりやすく言うと、「誰でも気軽に参加できるオープンなゼミ」なのかもしれません。

こうしたカフェイベントには、大学の方々が関わっているものも少なくありません。
例えばキャンパス内のカフェスペースを利用し、こうしたイベントを行っているのが、東京大学です。

東京大学でも昨年3月に完成した「福武ホール」(東京都文京区)で、月1回カフェイベントを開いている。これまでに、アミノ酸、人工衛星、歴史小説、人と動物のつきあい方など多種多様なテーマで会を開いてきた。企画に携わる大学院生の森玲奈さんは「東大だけで4000人の教員がいる。おもしろい研究をしているのに、まだ一般に知られていない人に話をしてもらっています」と話す。
(略)東京大学大学院情報学環准教授の山内祐平さんは「専門家も一般の人と話をすると、思いもよらない学びや発見がある。カフェの雰囲気を生かしながら、学校の中にある知を外部に公開していきたい」と話している。
「知的刺激、カフェイベントが盛ん」(読売オンライン)記事より)

大学は確かに、こうしたカフェイベントで話せるネタの宝庫ですよね。

「哲学カフェ」ひとつとっても、ちょっと検索してみただけで、↓色々な企画がヒット。
大学の研究者や学生の方々が企画運営に関わっているものは、とても多いです。

■「Cafe Philo カフェフィロ」
■「パリで流行りの「哲学カフェ」を広島大学でも開催します!」(広島大学)
■「 哲学カフェのご紹介」(東北公益文科大学大学院)
■「地域で「老い」について考える 哲学カフェ「竜宮城」を開催」(北陸先端科学技術大学院大学)
■「関西学院大学 KG哲学カフェ」
■「オレンジカフェ 哲学カフェ(7/4)報告」(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター)

なおサイエンスカフェに至っては、この何倍もの取り組みが行われています。

■「サイエンスカフェ・ポータル」

↑こちらは、サイエンスカフェに関する情報を集めたポータルサイト。
このサイトの右側にある「リンク」欄をご覧ください。
相当な数の大学が、サイエンスカフェの活動を行っているとわかります。

こうしたカフェイベント。
大学の「知」を広く一般に伝える取り組みとしても、非常に有効だと思いますが、やはり参加者全員が楽しめるというのが、大事なポイントでしょうか。

大阪大学の「ラボカフェ」のように、サイエンスや哲学に限らず、様々なテーマを設定して開催するのも楽しそう。
地域貢献としても喜ばれますし、学生と学外の方々との接点にもなるでしょう。

こうした取り組みが、大学を活性化させるスパイスになるかもしれません。
皆さんの大学でも、ぜひ色々なイベントを企画してみてください。

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。