マイスターです。
さて、日曜日になりましたので、今週も一週間の教育ニュースの中から、いくつかを選んでご紹介します。
【頑張っている学生に報奨金。】
■「名古屋工大『努力に応えます』 入試トップには“報奨金”30万円」(中日新聞)
入学試験トップの学生らに“報奨金”-。名古屋工業大(名古屋市昭和区)が10億円の基金を活用し、学業優秀者や留学する学生など頑張っている学生らを金銭面で支援するユニークな取り組みを本年度から始める。
毎年、基金から約1800万円を拠出。本年度から全大学院生、学部生を対象に、学会の発表回数や海外での学会発表、賞の受賞などをポイント化し、上位10人には各10万円、11-50位には各5万円を支給する。
来年度の入学試験から、機械工学科、情報工学科など7学科で、それぞれ成績トップで入学した学生に現金30万円を授与。成績優秀で選ばれ、提携している中国の大学などに留学する学生(4人)にはそれぞれ100万円を、海外からの私費留学生(2人)にも同じく約100万円を与える。
(上記記事より)
学部生や大学院生にも、学会発表などの活躍に合わせて報奨金を出す計画なのですが、記事では特に「入試トップ合格者」がクローズアップされているようです。
「成績トップ合格者に30万円」を理由にして志望校を変えたりする受験生はあまりいないと思いますが、合格後、結果的にもらえることがわかったら、きっとすごく奮起するだろうと思います。
【医療事故についての調査がずさん?】
■「医療事故調査委にずさんな例も 大学医学部側に改善勧告」(47NEWS)
全国医学部長病院長会議の医療事故対策委員会(委員長・嘉山孝正山形大医学部長)は7日、医療事故の原因究明のため大学病院が設置した調査委員会がずさんな報告書を作成している例があるとして、会議を構成する全国80大学の医学部長らに改善するよう勧告したと発表した。
勧告では、大学病院の調査委が当事者の医師本人に聞き取り調査をしないまま、報告書を作成したケースがあったとし「(事実の)隠ぺいや改ざんに結び付き、犯罪となる可能性もある」と指摘。調査方法に不備があった場合には、患者や家族に謝罪するよう求めた。
国は医療事故の原因究明と再発防止に向け、医療版事故調(仮称・医療安全調査委員会)の創設を目指しているが、医療界の反発などで議論は停滞。
(上記記事より)
この記事だけ読んでいると、『白い巨塔』みたいな世界を思い浮かべそう。
医療事故の認定に関しては、色々と難しい部分もあるのだと思います。
医療にあたる側が萎縮してしまうような結果になっては、本末転倒ですし。
それはそれとして、しかし「当事者の医師本人に聞き取り調査をしないまま、報告書を作成した」なんてケースは、客観的に見ても問題がありそうです。
【大学でのセクハラをどう防ぐか。】
■「新教育の森:大学でのセクハラ、被害認定少なく 調査機関あっても権限に限界」(毎日jp)
大学教授らが、指導者の立場を利用して性的な嫌がらせをするセクシュアルハラスメントの被害が後を絶たない。人権意識の高まりから、ほとんどの大学が調査機関を設けているが、密室で行われることの多いセクハラ被害が認定されるケースは少ない。
(上記記事より)
非常に長い記事ですので、詳細はリンク元をご覧ください。
冤罪の可能性についてなども含め、関係各所の意見がまとめられています。
確か、アメリカの大学の話だったと思うのですが、
「女子学生が在室している際には、教員は研究室のドアを常に開けた状態にしておくのが常識」
……ということを以前、どこかで読んだことがあります。
誤解も含め、様々なトラブルを未然に防ぐためなのだとか。
訴訟大国だからこそなのかもしれませんが、例えばこのような対処法が、日本でも「常識」になる日が来るかもしれませんね。
【学生による翻訳記事。】
■「[国際]日本の総務大臣がカンボジア政府に消防車20台を供与」(カンボジアウォッチ)
こちら、記事内容はとりあえず置いておいて、記事の冒頭に載っている注意書きにご注目ください。
【企業研修作品】
この記事は、王立プノンペン大学外国語学部日本語学科1期生(今年6月卒業見込)の学生の方に、当社での企業研修の一環として翻訳していただいたものです。
(上記記事より)
↑こんなことが書かれています。
マイスターは、ちょっと「おおっ」と思いました。
現地で日本語を学んでいる学生の方の翻訳なのですね。
この「カンボジアウォッチ」の他の記事も、この注釈が入っていました。
世界中で日本語を学ぶ人が増えれば増えるほど、私達は世界中の情報を日本語で受け取れるようになる。
そんな事実に、改めて気づかせてくれる記事です。
【大学改革にデモで抗議。】
■「大学改革に抗議する1001時間デモがスタート、フランス」(AFPBB News)
フランス・パリ第8大学(Paris VIII university)の教員らが4日未明の午前0時1分、政府の大学改革案に抗議する「永遠の行進」を開始した。参加者らは昼夜1001時間、歩き続ける。
(上記記事より)
「革命の国だから」という理由だけではないと思いますが、フランスのニュースには、しばしば「デモ」という文字が入りますね。
こちらは、大学改革に対するデモを報じる記事。ちなみにリンク元には、舞踏によって抗議している方々の写真が掲載されています。
2007年11月頃にも、大学の裁量を拡大させ、大学間の競争を促進させるサルコジ大統領の政策に反発した学生達が、パリ大学ソルボンヌ校を封鎖するなどの抗議活動を展開。
催涙弾を備えた警察と衝突するなど激しい抗議の様子は、日本でも報じられました。
若者の雇用不安定など、様々な要因も背景にはあるのだろうと思います。
それと比べると、今回は教員も関わっているからか、今のところはまだ静かな抗議のようです。
以上、今週のニュースクリップでした。
今週も一週間、本ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。
来週も、お互いがんばりましょう。
マイスターでした。
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。