京都大学×早稲田大学による古代エジプトビール 売り上げ1億円に

マイスターです。

火曜日に発売された『女性自身』にて、「あなたの知らない大学グッズの世界」という特集が組まれています。

オールカラー5ページ。
写真と共に、これまで本ブログでもご紹介してきた大学グッズの数々が紹介されていて、かなり楽しいです。ぜひ、ご覧になってみてください。

マイスターも、コメントを書かせていただきました。
『女性自身』に顔写真が載るということで、妙齢の女性の皆さんのアイドルになってしまったらどうしようとか、「大学王子」みたいなキャラとして売り出されちゃったらどうしようとか、あれこれ妄想がふくらみましたが、残念ながら今現在、問い合わせはゼロです。

そんなわけで、大学グッズが熱い。
このブログでも色々とご紹介させていただきましたし、他のメディアでも取り上げられてきています。

(過去の関連記事)
■「学市学座」(1):大学発オリジナルグッズが、紀伊國屋書店に大集合!
■「学市学座」(2):個性的すぎる大学オリジナルグッズの数々をご紹介!
■「学市学座」(3)キャラクターによる大学ブランディング戦略の最前線?
■『大学は美味しい!!』 フェア(1) 「味」を通じて大学を知ろう!
■『大学は美味しい!!』 フェア(2) 大学はやっぱり美味しかった!
■『大学は美味しい!!』 フェア(3) 大学の情報をイベントで発信

そんな大学グッズの中でもこちらは、大ヒット商品と呼べるのではないでしょうか。

【今日の大学関連ニュース】
■「大学ビール ぐびっ1億円」(Asahi.com)

京都大(左京区)が早稲田大(東京)、黄桜(伏見区)と共同開発したビール「ホワイトナイル」など3種の総売上額が、今年半ばにも1億円を超えそうだ。330ミリリットル入り小瓶が税込み450円で、1本売れるごとに知的財産収入として両大学にそれぞれ10円が入る仕組み。「大学発の食品としては前例のない規模の売り上げ」を記録した「大学ビール」の成功に、京大も酔い心地だ。
06年4月にビール「ホワイトナイル」を発売し、07年8月に発泡酒「ブルーナイル」、08年9月にビール「ルビーナイル」を加えた。京大の20日の発表によると、08年度1年間で3種類合わせて6万7298本が売れた。「ホワイト」発売以来の約3年で21万本を超え、総売上額は今年6月に1億円を超える見込みという。
(上記記事より)

京都大学農学研究科が種子を保存していた古代品種の小麦と、早稲田大学の古代エジプト研究から生まれたコラボレーション製品。
それが、上記の「ホワイトナイル」、「ブルーナイル」、「ルビーナイル」です。

両大学の研究成果がなければ生まれなかった商品で、これぞ大学グッズ。
製造・販売には企業も関わっており、産学連携にもなっています。

なにより、一般の方々が欲しくなる、多くの方々が楽しめるというのは、いいですね。
味の良さもそうですが、飲みながら古代エジプトに思いを馳せるという、ロマン成分がたまりません。
それぞれのネーミングも素敵で、マイスターが大好きな大学グッズです。

これらの古代エジプトビールが、売り上げ1億円に達する見込みだとのこと。
大学グッズとしては、異例の大ヒットということで、「京大も酔い心地だ」と、記事は紹介しています。

450円のビールで売り上げ1億円ということは、6月の時点で通算22万2223本を売り上げることになるわけですね。
記事によれば、1本につき京都大学、早稲田大学それぞれに10円が入るということですから、両大学が手にする金額はおよそ、222万円になります。

これを高いと見るのか、安いと見るのかは人それぞれ。案外、大きな額ではないと感じる人もいるかもしれません。
産学連携による研究資金が毎年6~70万円、ずっと入り続けると考えれば、研究チームにとってはそれなりにありがたいでしょうか。

大学グッズの役割の一つは、一般生活者の方々に対して大学のブランドを売ることです。
その結果が、新たな産学連携を呼び込んだり、受験生に対するPRになることもあるでしょう。
こうして、多くのメディアに取り上げられる広報効果も小さくありません。
卒業生などに愛されるグッズが生まれれば、同窓会組織などの有効なPRツールにもなります。

そうした様々なメリットまで考えれば、古代エジプトビールが果たす役割は、売り上げ以上のものになると思います。

ちなみにこれらのビールは、両大学のキャンパスで入手できるほか、黄桜のオンラインショップでも購入することができます。

■「NILE物語(WHITE・BLUE・RUBY)6本」(黄桜オンラインショップ)

↑「ホワイトナイル」、「ブルーナイル」、「ルビーナイル」を組み合わせたセットもあるようです。
贈り物にも喜ばれそうです。ご興味のある方はどうぞ、試してみてください。
(※当然ですが、高校生の皆さんはダメですよ!)

ちなみに、大学ビールでは、↓こんな話題もあります。

■「“宇宙ビール”発射…岡山大とサッポロなど開発 」(読売オンライン)

岡山大などは国際宇宙ステーションで約5か月間、保存された大麦の“子孫”を使い醸造したビール「スペース バーレイ(宇宙大麦)」(非売品)を開発した。
同大学とサッポロビール、ロシア科学アカデミーの研究機関との共同事業。同社が開発したビール醸造用の大麦「はるな二条」を、2006年4月から国際宇宙ステーションロシア実験棟内で保存し、同年9月に“帰還”した。
開発にかかわった同大学資源生物科学研究所の杉本学准教授は「リッチな味も色も香りも『地球』のビールと変わらないが、夢を醸造して封じ込めた分、ひとまわり素晴らしい仕上がり」と話している。(上記記事より)

ロマンの味という点では、こちらも古代エジプトに負けていません。
ただ、麦の量が限られていることもあり、イベントでの試飲などに限られるそうで、残念ながら市販はされない様子。

この他にも、大学グッズにはなぜか、お酒が多いです。

■「古代米の酒 おしゃれ大阪府立大など試作 」(読売オンライン)

大阪府立大(堺市中区)は、河内長野市の酒造会社・西條合資会社と連携し、「古代米」と呼ばれるアサムラサキを使った清酒「なにわの育(はぐくみ)」=写真=を試作した。将来は商品化を目指しているという。
アサムラサキは玄米の表皮が黒みを帯び、抗がん作用などがあるとされる色素アントシアニンを多く含む。昨年6月、府大敷地内の田10アールに植え付け、昨秋に収穫。ピンク色で甘みのある酒に仕上がった。
(上記記事より)

■「宇大ブランド 新製品は<酒>  2種類『口当たり良く』評判上々」(東京新聞)

宇都宮大農学部付属農場産の大麦や酒米を使った特別純米酒「峰が丘の風」と麦焼酎「宇大浪漫」が同大の生協売店で販売されている。「口当たりが良く飲みやすい」「親近感がわく」と評判は上々だ。
大学のPRにと、同農場が手がける「宇大ブランド」のチーズやそばに続く新製品。十七日に発売した。いずれも農場産の原料を県内の酒造会社二社が製造。名前やラベルのデザインは学生のアイデアだ。
「峰が丘」は学生が農場実習で低農薬栽培した酒米「五百万石」を使用。きりりとした辛口の味が特徴だ。
(上記記事より)

■「佛教大オリジナル純米酒「佛米!夢乃酒!」-学生プロジェクトで完成」(烏丸経済新聞)

佛教大学(京都市北区)は2月24日、同大学四条センター(下京区四条烏丸)でオリジナル純米酒「佛米(ぶっこめ)!夢乃酒!」の完成お披露目会を開催した。
酒づくりプロジェクトは、「ものづくりを実感させるキャリア教育を目標とし、地産地消の面でも地域活性化を促す効果を」というコンセプトで2008年度にスタート。同大学が地域連携協定を結ぶ南丹市美山町で作った米を使い、伏見の酒造・招徳酒造とともに日本酒の新銘柄を開発。同年度は31人の学生がプロジェクトメンバーとして登録。美山町での田植えなど実際の農作業には学生自らが参加し、酒造での酒づくり体験も行った。
(上記記事より)

農学系学部の研究成果だったり、大学ブランド戦略の一環だったり、学生によるものづくりプロジェクトだったり。
作られ方は様々ですが、それにしても目立つ、お酒。

他の食品と違って保存がきくため、扱いやすいという点がポイントなのでしょうか。
贈り物にもしやすく、卒業生にも好評なのかもしれません。
あと、学生の皆さんを含む大学の方々が単にお酒好きだから、という要素も、実は小さくないような気がする今日この頃です。

まだちょっと早いですが、お中元などにこうした大学のお酒、いかがでしょうか。
ただし、競合大学の商品を大学関係者に贈って、怒られないように注意してください。

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。

1 個のコメント