ニュースクリップ[-4/5] 「低評価の大学、不満の声 国立大の評価結果公表」ほか

マイスターです。

さて、日曜日になりましたので、今週も一週間の教育ニュースの中から、いくつかを選んでご紹介します。

【共通のモノサシで評価するのは大変。】
■「低評価の大学、不満の声 国立大の評価結果公表」(Asahi.com)

26日に公表された、文部科学省の国立大学法人評価委員会による評価結果で、教育内容などに「不十分」「水準を下回る」と評定された各大学から不満の声が出ている。結果は、大学の財政基盤となる国からの運営費交付金の額に反映されるだけに、評価委に意見申し立てをした大学は22に上った。
香川大は、医学系研究科が教育方法、学業の成果、進路・就職の状況の3項目で「期待される水準を下回る」とされた。評価の根拠となる資料が足りなかったからだという。角田直人副学長は「訪問調査の時、資料を要求してくれれば対応したのに、要求がなかった」と憤る。
意見申し立ての場で不足資料を出そうとしたが、許されなかったという。「国家試験の合格率は常にベストテンに入るレベルで、自己評価では問題はないと考えている」と強調した。
三重大は業務運営で「達成状況が不十分」とされた。「外国人教員を増やす」という目標が未達成だったことと、07年度の大学院博士課程が定員の90%に満たなかったことが理由だ。
豊田長康学長によると、33の目標のうち達成できなかったのは、外国人教員数のみという。「達成率は97%なのに不十分とは納得いかない」と意見申し立てをしたが却下された。大学院の定員は08年度は93%となり、外国人教員も09年度に6人採用するという。「全体の予算削減のため傾斜配分するのは格差拡大にならないか心配だ。しゃくし定規のやり方は逆効果ではないか」と指摘する。
(上記記事より)

文部科学省・国立大学法人評価委員会による評価の結果が公表され、それに対する意見申し立てが相次いでいます。

■「教育・研究○ 運営・財務で△も 国立大、初の外部評価」(読売オンライン)

評価というのは一律に行うから評価としての意味があるわけですが、そうするとどうしても、そのモノサシの当て方に納得できない部分は出てきてしまいます。
それに、評価の方法や進め方自体もまだ未成熟な部分があるでしょう。評価する側も慣れていませんし、初めてですから、対応も十分ではないかもしれません。
評価する方も、される方も、ともに2回目、3回目と磨きをかけていくしかないのでしょう。

でも、今回の結果が、国からの運営費交付金の額に反映されるのですよね。
実際のアクションに反映させるのは、実験的な評価を何度か重ねてからでも良かったのかな、という気も個人的にはします。

【こちらも評価。】
■「5大学の評価を保留=教員不足など指摘-高等教育機構」(時事ドットコム)

財団法人日本高等教育評価機構は27日、2008年度に評価対象となった大学58校のうち、53校が基準に適合したと発表した。多摩、名古屋産業、鈴鹿医療科学、第一工業、志学館大の5校については、教員不足などの問題があるとして判断を保留、再評価を受けるよう求めた。
同機構は、多摩、鈴鹿医療科学大では教授数が、名古屋産業大では専任教員数がそれぞれ不足していると指摘。第一工業、志学館大では理事会の運営方法を問題視した。第一工業大には併せて財政安定化を促した。
(上記記事より)

こちらは、財団法人・日本高等教育評価機構による評価の結果です。
大学を評価するのは、流行っていますね。
「評価疲れ」という言葉が業界で密かにひろがっているのも、わからなくはありません。

再評価を求められた大学が5校、ありました。
結果は、↓こちらで公開されています。

■「平成20年度 大学機関別認証評価 申請大学(五十音順)」(日本高等教育評価機構)

【留学生を正社員に。】
■「新人3割が外国人留学生に=ローソン入社式」(時事ドットコム)

ローソンは1日、都内で入社式を開いた。同社では今年の新入社員122人のうち、3割強に当たる39人が日本の大学で学んだ外国人留学生。新浪剛史社長は「違う文化の人たちが来たので、お互いを尊重し、視野を広げる。そういうローソンにしたい」とあいさつした。
(上記記事より)

コンビニ大手・ローソンの新入社員のうち、3割強が日本の大学で学んだ留学生。目をひくニュースです。将来は、幹部候補として活躍される方も多く出てくることでしょう。

コンビニエンスストアは、店舗のスタッフとしても多くの留学生、あるいは外国人の労働者の方が関わっていると思いますが、そういった点も多少、関係があるのかもしれません。

少子化で人口が減少していく日本では今後、アルバイトでも、あるいは普通の企業の社員としても、様々な国籍の方が働くようになると言われています。
日本で学んだ留学生の方々は、文化的な背景が違う人同士のコミュニケーションに長け、お互いの考え方を尊重しながら成果を出す経験を積んでいますから、今後様々な分野で、リーダーとして活躍することが期待されています。
ローソンのようなコンビニは、その先駆けになっているかもしれませんね。

ちなみにローソン、↓こんな取り組みも行っているようです。

■「ローソン、ベトナム学生の奨学金制度創設」(時事ドットコム)

ローソンは24日、日本の大学に留学を希望しているベトナム人学生向けの奨学金制度を創設したと発表した。同社が商品の原材料を調達しているベトナムでは日本留学希望者が多いため、資金面で支援する。
(上記記事より)

【生涯、出身大学のメールアドレスを。】
■「岡山大学、卒業生や退職教職員にも生涯 Gmail を」(japan.internet.com)

ソフトウェア開発・販売・SI のサイオステクノロジーは2009年3月31日、岡山大学に、「SIOS Integration for Google Apps」で「Google Apps」の導入支援を行った、と発表した。
SIOS Integration for Google Apps は、既存情報システムと Google Apps を直接連携させるシステム構築サービス。
現在、岡山大学では、全学生約1万5,000人を対象に、このサービスで構築した Gmail のテスト運用が行われており、2009年4月1日から、本格稼動する。
また、在学生のほか、卒業生や退職教職員にもメールアドレスが付与され、岡山大学の関係者は生涯に渡り、大学のメールサービスを利用できるようになった。
今後、岡山大学では津山工業高等専門学校と運用ノウハウなどを共有、同校の Gmail 導入を支援する予定。
(上記記事より)

Google Apps」とは、Google社の提供するG-mailやGoogle ドキュメント、Googleカレンダーといったサービスを、企業や大学などのメンバーが使えるようにしたパッケージ。
日本大学を始め、いくつかの大学が導入しています。

今回、新たに岡山大学が導入。
在学生や教職員だけでなく、卒業生や退職したスタッフの方々も、生涯にわたって大学の発行するメールアドレスを利用できるとのことです。

最近、この生涯メールアドレス、流行していますね。
在学中からずっと使っていたアドレスを変えたくないなどの理由で、使い続ける人もいるかもしれません。

【セカンドライフを教育に活用。】
■「セカンドライフで仮想治療、医学実習に活用 英大学 」(CNN)

英ロンドンのインペリアル・カレッジで、医学生が仮想空間「セカンドライフ」の中で患者を診察・治療する実習に取り組んでいる。
セカンドライフは世界で何百万ものユーザーがいる3次元仮想空間。自分を投影したキャラクターにさまざまな活動をさせたり、ほかの人たちと交流したりできる。インペリアル・カレッジはこの中に仮想病院をつくり、3年生の課程に試験的に取り入れた。
病院は同大学の施設そっくりに作ってあり、学生はコンピューターの前に座って病院に入ると標識に従って呼吸器病棟に向かう。受付で名札を受け取り、本物そっくりの教授の部屋に立ち寄って課題を与えられ、患者の病室へ。ただし患者を診察する前に手を洗い忘れると、そこでストップがかかる。
病室では診断の参考とするため本物の患者の呼吸音を聞き、レントゲンが必要と判断すれば放射線科に指示を出す。課題には2人1組で取り組むが、会話は自分の仮想キャラクターを通じてのみ許される。すべては病院での診察手順について、学んだことを覚えさせるつくりになっているという。
(上記記事より)

一時期、話題になったセカンドライフ。
広報的な利用の可能性が模索され、企業や大学が公式に活用するなど、色々な動きがありました。
しかし、一時的な流行だったのか、最近はほとんど話題を聞きません。

上記は、そんなセカンドライフを、教育活動の一環として活用するという取り組み。
リアリティという意味では実際の病室にはかないませんが、実際の設備を全員で十分に使えないような環境においては、ロールプレイのためのツールとして便利かもしれません。

また同大の技術者は

同氏はいつか世界各国の大学と連携し、セカンドライフの仮想空間で、例えばオーストラリアの看護師と日本の理学療法士と米国の医学生が一緒に作業しながら学ぶことができればとの構想を描いている。
(上記記事より)

……とコメントしています。
広報メディアとしては旬を過ぎた感がありますが、教育のための仮想空間としては、まだセカンドライフを活用する方法は、あるかもしれませんね。

以上、今週のニュースクリップでした。

今週も一週間、本ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。
来週も、お互いがんばりましょう。

マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。