マイスターです。
さて、日曜日になりましたので、今週も一週間の教育ニュースの中から、いくつかを選んでご紹介します。
【京都大学の雇い止め、署名運動などが拡がる。】
■「京大、雇い止め撤廃求め署名提出 教職員ら約2千人分」(47NEWS)
京都大が2010年度以降、雇用期限を迎える非常勤職員を「雇い止め」することについて、京大職員組合は11日、期限の撤廃を求める教職員ら約2000人の署名を松本紘学長あてに提出した。
(略)大学側は「国からの運営費交付金が毎年1%ずつ減額されている」などと厳しい財務状況を挙げ、予定通り雇い止めを行う方針を示したという。
(上記記事より)
京都大学が非常勤スタッフの契約を更新しない、というニュースは、以前の記事でもご紹介させていただきました。
(過去の関連記事)
■非常勤スタッフの「雇い止め」が大学でも拡がる?
その後、署名が集められるなど、様々な形で動きが拡がっているようです。
一方、大学側は、厳しい財務状況を示しているとのこと。
どちらにも言い分があるようですが、最終的にはどのような結果になるのでしょうか。
結果によっては、他大学にも大きな影響を与えることになりそうです。
【「みんなの就活日記」の大学入試版!?】
■「大学受験を応援するサイト『みんなの受験体験記』オープン」(CNET Japan)
WEBサービス開発業務を行う株式会社Donuts(所在地;東京都新宿区、代表取締役;西村啓成、以下Donuts)は、大学受験生向けの受験情報共有サイト「みんなの受験体験記(リンク)」をリリースしました。
「みんなの受験体験記」は、大学受験を目指す全ての人々が無料で閲覧や書き込みができるもので、合格・不合格体験談、現役大学生の勉強方法、お勧めの参考書情報などを入手することができ、受験生を大学合格までをサポートする携帯WEBサービスです。
この携帯サイトでは、受験生同士や受験生と大学生の情報交換の場を提供と、受験生に受験に関する情報を提供することによって、今までの大学受験情報の媒体では得ることが難しかった、情報を共有し、受験生を応援します。
ユーザ同士が情報交換をし、一般試験だけでなく、「AO入試」や「推薦入試」など多様化が進んでいる大学入試の情報を共有することができ、状況の異なる受験生それぞれのニーズに対応することができます。
(上記記事より)
「みんなの就職活動日記」は、就職活動をする大学生の多くが登録していると言われる情報サイト。
企業ごとにコミュニティが立ち上げられており、その企業にエントリーしている学生同士が情報交換を行えるようになっています。
学生にとっては、就職活動を進める上で得がたい、その会社の内部の情報や採用過程の話を知ることができ、便利な部分も多いサービス。
しかし一方で、先に選考を進めている学生が、面接の質問内容や面接官の情報などを書き込んでしまうこともあり、それを読んだ別の学生が、事前情報に基づいた「面接対策」をしてしまうなど、企業の採用側にとっては頭の痛い事態も発生しているようです。
「みんなの就職活動日記」を閲覧してから面接に臨もうと、なるべく遅めにエントリーしようと考える学生もいると聞きます。
インターンを経験した学生などによって、その会社の内部事情(職場の環境や、社員の様子、給与や離職率等)が書き込まれる点も、学生にとっては参考になると言われています。
が、そうした情報の真偽がけっこう怪しかったり、そもそも就活学生ではないユーザー(会社のイメージを良くするために誘導コメントを書き込むその会社の社員や、逆に誹謗中傷を狙うライバル会社の社員等)がサイトを利用していたりすることもあるようです。
そのため企業の人事部では、「みんなの就職活動日記」対策を講じるところすら、出てきています。
そんな「みんなの就職活動日記」の、大学入試版とも言えるサービスが、オープンする様子。
「『AO入試』や『推薦入試』など多様化が進んでいる大学入試の情報を共有することができ」とありますが、いったいどのような書き込みが行われるのでしょうか。
現状ではどのような方向に発展していくのか、まだ何とも言えません。
うまく活用し、大学の知名度を上げるチャンスにすることだって、できるかもしれません。
いずれにせよ、入試担当部門の皆様にとって非常に気になるサービスになるのは確かです。
【一気に活況。】
■「九大伊都キャンパス:合格発表から一夜明け 新入生に“難問”部屋探し /福岡」(毎日jp)
九州大学の前期試験合格発表から一夜明けた9日、新入生が通う西区の伊都キャンパス周辺の不動産屋は朝から軒並み、下宿先を探す親子連れでにぎわった。中央区の六本松キャンパス(教養課程)閉鎖に伴い、4月から学生と教職員合わせて約5600人を受け入れる伊都。地元では学生向け物件の供給が追いつかず、不景気もどこ吹く風といった売り手市場の活況を呈している。
伊都キャンパスへの玄関口となるJR九大学研都市駅前で営業する三好不動産によると、4月から伊都周辺で新生活を希望する学生は1200~1300人。しかし学生向けの空き物件は約300部屋しかなく、需給関係は完全に不均衡。気の早い受験生の中には合格発表を待たず、試験を受けたその足で仮契約を済ませる「皮算用組」もいたという。
(上記記事より)
大きな大学がキャンパス移転をすると、必ずこういった問題がついてきます。
上記の記事は、どちらかというと学生側や、移転先の関係者の視点で書かれていますが、移転によって一気に顧客を失った商店街や不動産業者も少なくないでしょう。
キャンパスの経済効果は小さくありません。
何しろ、それを期待して、大学を誘致しようとする自治体や政治家が少なくないくらいなのですから。
九州大学くらいの大きな総合大学ともなれば、なおさらです。
(過去の関連記事)
■移転されるキャンパス 思い出よ永遠に
■キャンパス移転にともない、周囲の不動産事情にも変化が?
【ややこしい事態。】
■「女子野球部に男子入部希望、中京女子大が対応に苦慮」(中日新聞)
全国で初めて女子単独チームで大学の硬式野球リーグに加盟した中京女子大(愛知県大府市)に、今春入学予定の男子が選手として入部を希望していることが分かった。大学側は「女子だけで男子に挑むためにできたチーム。女子だけのままにするか男子との混合チームにするか判断が難しい」と対応に苦慮している。
関係者によると、入部を希望する男子は7人。中京女子大は男子学生について2007年度から一部学科で受け入れ、09年度から全2学部4学科に広げた。硬式野球部には昨年、男子1人が学生コーチとして入部したが、選手はいなかった。
(略)樋口一則監督は「既に学生コーチとして男子がいるので、入部を断る理由はないと思う。ただ、試合は今年だけでも今まで頑張った女子だけで戦い、何とか勝たせてあげたい」と話している。
(上記記事より)
中京女子大学の硬式野球部は全国で初めて、男子チームばかりの大学硬式野球リーグに、女子単独チームとして加盟しました。
「女子だけのチームで、男子のチームを倒す」という目標もあったのかと思います。
ところで中京女子大学は、人文学部で男子学生も受け入れているので、実は部分的に「共学」。
しかし、敢えて大学名に「女子」の文字を残しているという、珍しい大学のひとつです。
(過去の関連記事)
■名前に悩む大学
というわけで、そんな男子学生達が、この女子ばかりの硬式野球部に入部を希望しているそうです。
女子だけで男子を打倒することを目標の一つにしてきたチームとしては、とても複雑な気分になっている模様。
なんだか、とてもややこしい事態です。
【ユニフォームに大学ロゴ。】
■「新ユニフォームスポンサーに『麗澤(れいたく)大学』」(柏レイソル)
この度、当クラブは学校法人廣池(ひろいけ)学園(廣池 幹堂 理事長 千葉県柏市光ヶ丘2-1-1)と「ユニフォームスポンサー契約」および「パートナーシップ提携」を締結いたしましたのでお知らせいたします。
(略)今回のユニフォームスポンサー契約の締結に伴い、3月14日(土)に日立柏サッカー場で開催されます2009 J1第2節ジェフ千葉戦から、パンツ左裾部分に「麗澤大学」のロゴを掲出いたします。
また、双方はパートナーシップ提携を軸に、今後は当クラブ所属選手・スタッフが「麗澤オープンカレッジ」に参加させていただく一方、当クラブから麗澤中・高へのコーチ・スタッフの派遣、麗澤大学生のインターンシップ受入れなどの交流を皮切りに、可能な場面において共調・協力関係を密にし、人づくりや地域の活性化に貢献して参ります。
(上記記事より)
柏レイソルのユニーフォームに、麗澤大学のロゴが入るそうです。
上記の記事に、そのイメージが載っていますので、ご興味のある方はどうぞ。
(過去の関連記事)
■プロスポーツと大学(1) Jリーグと大学の連携
昨今では、様々な形でJリーグと大学が連携をしており、こうしたスポンサーシップの契約も増えているようです。
フィールド上で、大学のロゴが入ったチーム同士が対決するなんてことも、出てくるかもしれませんね。
以上、今週のニュースクリップでした。
今週も一週間、本ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。
来週も、お互いがんばりましょう。
マイスターでした。
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。