新設大学の教員名やカリキュラムを公表 来年度から

マイスターです。

ちょっと考えさせられるニュースを見つけましたので、ご紹介します。

【今日の大学関連ニュース】
■「大学新設時に教員名やカリキュラムを公表へ」(読売オンライン)

文部科学省は来年度から、大学や学部の新設の際、教員名簿やカリキュラムなどの資料を公表することを決めた。
(略)文科省は現在、大学の名称や住所などを公表しているが、それ以外の情報の公開は大学の自主的な取り組みに任せている。
しかし、設置基準の緩和を受けて、大学や学部などの新設が相次いだ結果、経営が安定しない大学の中には人件費を抑制するため、実績のある教授を若手に代えたり、カリキュラムを変更したりするケースも増えている。
このため、同省は2月下旬に省令を改正した。来年度からは、〈1〉カリキュラムや職員数、図書数などを記した基本計画書〈2〉学則〈3〉設立趣旨〈4〉教員名簿――などを同省のホームページ上で閲覧できるようになる。同省は当初の計画を公表することで、大学側の都合による変更を抑制したいとしている。
(上記記事より)

というわけで、文部科学省に関する報道です。

大学の設置等の認可申請や届出の手続について定めているのは、文部科学省による以下の省令。

■「大学の設置等の認可の申請及び届出に係る手続等に関する規則」(法令データ提供システム)

先月末に、これが、
「大学の設置等の認可の申請及び届出に係る手続等に関する規則の一部を改正する省令」
という新たな省令によって改正されました。

↓パブリックコメントも受け付けていたので、既にご存じだった方も……あんまりいませんよね。
(パブリックコメントって、たいてい知らないうちにひっそりと行われていて、気づいたときには募集が終わっていますよね)

■「意見募集中案件詳細」(電子政府)

まだ上記の法令データ提供システムには、改正点が反映されていませんが、こちらのパブリックコメントには改正案の概要が記されています。

【7.大学の設置認可等の際における情報公開対象の拡大】
大学、学部、研究科等の設置等の認可又は届出があった場合において、文部科学大臣が、その旨、名称、位置、留意事項その他必要な事項を公表する際に、より積極的な情報公開の観点から、あわせて、当該認可等に係る基本計画書、校地校舎等の図面、学則、設置の趣旨等を記載した書類、教員名簿(ただし、年齢及び月額基本給を除く。)を公表することを明確にする。
(「大学の設置等の認可の申請及び届出に係る手続等に関する規則の一部を改正する省令案の概要(PDF)」(電子政府)より。強調部分はマイスターによる)

いったい、どのくらいパブリックコメントが集まったか定かではありませんが、とにもかくにもこうして先月、改正されました。

冒頭の記事にあるように、当初の計画を公表することで大学側の都合による変更を抑制し、大学運営の水準を保つのが文部科学省の狙い。

もともと大学や学部を新設した際は、少なくともその完成年度までは、当初の計画を遵守することになっています。文部科学省も、「設置計画履行状況調査」なんて調査を実施し、大学の計画遂行をチェックしていますね。
しかし昨今では、形式的に書類を提出し、大学や学部を作っておきながら、実際には書類と異なる教員やカリキュラムで教育が行われているケースもあるようです。

そこで、当初の計画を公開し、誰でも閲覧できるようにしてしまおうというのが、今回の改正点のひとつ。
これには、賛成です。

……というか。

本来なら、新しい大学や学部を受験生が志望する際、「本当に参考にできる」情報は、カリキュラムや教員の名簿くらいしかないはず。

こうした情報を公表していなかったら、良い大学かどうかも判断できないと思います。
実際には、大学側がパンフレットやwebサイトなどで打ち出すキャッチコピーやPRイメージなどだけで、進学先を決めてしまっている人が多いということでしょうか。
だとしたら、大学を選ぶ側にも、責任の一端がありそうです。

(あるいは、文部科学省に提出した書類とは異なる教員や科目とは異なる情報を、webサイトやパンフレットにしれっと掲載して、受験生を集めている大学があったりするのでしょうか?)

いずれにしても、こういった情報が公開されることで、大学は変更をしにくくなります。
歓迎したい動きです。

唯一の問題は、文部科学省のこうした公開情報にアクセスをして、大学の実際とひとつひとつ比較するような受験生や大学生は、まずほとんどいないだろう……ということくらいでしょうか。

でも、「調べようと思ったときに、誰でも好きなときに情報が閲覧できる」という環境があるのは、大事ですよね。大学に何かあった際に、メディア関係者などがすぐ検証することも可能になりますし。

そのためにも、ぜひとも公開対象となる書類は、わかりやすい場所にアップしていただきたいと思います。

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。