マイスターです。
大学の学びには、様々なメディアが活用されます。
自分のwebサイトで授業予告を行ったり、参考図書などの情報を発信したり、資料をダウンロードさせたりする教員はかなり前から存在しています。
昨今ではブログの普及により、授業時に限らず、日常的に学生とwebでコミュニケーションをとろうとする方も増えてきました。
授業の中でも、webサイトを表示させるようなケースは結構あるでしょう。
パワーポイントなどを授業に使っている場合、もともとPCとプロジェクターが起動しているわけですから、途中で参考となるサイトを実際にブラウザで示すことも容易です。
クリッカーを使ったり、携帯電話のweb機能を使ったりして、授業中に学生からフィードバックを集めるような取り組みを行っている方もいます。
多くの教員の方々が、学生への学習効果を最大限高めるために、様々な試行錯誤を行っているのだと思います。
そんなわけで今日は、こんな話題をお届けします。
【今日の大学関連ニュース】
■「『授業で使うはてな』提供開始、教育機関でのブログ活用事例紹介や公開授業」(マイコミジャーナル)
ブログサービス「はてなダイアリー」を展開するはてなは10日、同サービスを教育に活用している事例紹介やブログでの公開授業を提供する「教育ソリューション : 授業で使うはてな」を公開したと発表した。
(略)今回公開した「授業で使うはてな」では、はてなのサービスを大学の授業で活用している教員へのインタビューなどを掲載。また、教員のはてなダイアリーを「公開授業ブログ」として提供している。
さらに、ゼミや研究室のコミュニケーションツール、情報の授業の教材や学生による情報発信の訓練の場として活用してもらえるよう、はてなダイアリーの開設ステップPDFファイルを提供。学生向けにはてなダイアリーの使い方を紹介したページも用意している。
(上記記事より)
大学教員の方で、「はてな」のサービスを愛用している方は少なくなさそうです。
独特なコンセプト、シンプルなデザイン、便利な機能。
なんだか、知的な感じさえします。
マイスターも、ブログのネタを蓄積するために「はてなブックマーク」を活用していますが、これがなかなか便利。シンプルなのがいいのですよね。
ブログも含め、全部を「はてな」のサービスで固めたら、色々とまた、使い勝手が拡がるのでしょう。
そんな「はてな」が、教育機関向けに、ソリューションをまとめたページを作成したそうです。
■「教育ソリューション:授業で使うはてな」(はてな)
■「授業で使うはてな」(ため日記)
個人のブログユーザーにとっては「デザインが寂しい」と思われてしまいそうですが、逆に言えばそれは
書かれた文章が読みやすいように、と作られたデザインテーマは、どれもシンプルで飽きの来ない、落ち着いたデザインばかりです。
(上記ページより)
……ということ。
確かに、派手だけど文字が読みにくいブログテーマってありますから、個人的にもこうした考え方の方が好きです。
導入事例があるので、イメージも持ちやすいです。
■「授業で使うはてな:京都造形芸術大学の導入事例」(はてな)
■「授業で使うはてな:立命館大学の導入事例」(はてな)
京都の大学が多いのは、「はてな」が京都の企業だからでしょうか。
インタビューしやすかったのかもしれませんね。
最近同社は、任天堂ともコラボしています。
京都を中心に、何かを仕掛けようとしているのかもしれません。
(あるいは単に、遠くにインタビューに行くのが面倒くさいのか、どっちかです)
ところでこうしたサービスと、最近、多くの大学が整備を進めている「ポータルシステム」とを組み合わせれば、より様々なことができるようになるかもしれません。
大学が持つポータルサイト・システムというのは、学生や教職員がそれぞれIDを持ち、ログインして使う学内容の情報システムです。
学生に対して一斉に情報を発信したり、関係者同士で情報をやりとりしたりというのが主な機能ですが、その他にも図書館の図書予約システムや、キャリアセンターのデータベースなどと連動していたり。
学内のあらゆる情報にアクセスできる、文字通りの「ポータル」という機能を期待されています。
入学時から卒業後まで、学生を総合的にサポートする「エンロールメント・マネジメント」の考え方を実践させる場としても注目されており、現在、大学の教学部門が力を入れているところです。
このポータルシステムの多くが、授業運営支援の仕組みを持っているのです。
受講中の学生や教員が情報を相互にやりとりしたり、各種の画像やファイルをアーカイブしたり。
レポート提出や資料ダウンロードの機能はもちろん、それを「誰がしたか」を担当者がチェックできるような仕組みも備えていたりして、活用すればなかなか便利そうなシステムです。
そんなポータルシステムと、今回「はてな」が打ち出したような各種のソリューション。
機能的に重複している部分もありますが、相互に補い合える部分もありそうです。
現在、多くの大学が大金をかけてポータルシステムを整備していますが、目下の不安は、利用率が上がるかどうかということ。
単に、コストだけの問題ではありません。ポータルシステム上で学生がとったアクション履歴が、他の部署にとっても重要なケアの情報になるわけですから、「学生や教員に利用されない」というのは、システム全体の意味が失われることにもなるわけです。
ある部分は自分でカスタマイズでき、ブログのように「学外」に情報を発信できる「はてな」のようなサービスを使い、個別の情報のやりとりのような部分はポータルシステムを活用する。
そんな流れが教員の間で流行れば、教員、学生、大学、それに「はてな」のそれぞれにメリットが出てくるように思います。
いかがでしょうか>はてなの皆様
以上、マイスターでした。
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。