受験生応援グッズが熱い(2):地域活性化の期待もかかっている? ローカル食品の数々

マイスターです。

■受験生応援グッズが熱い(1):大手食品メーカーがこぞって応援商品を発売

前回ご紹介しきれなかった、受験生応援グッズをご紹介していきます。
前回は大手の食品メーカーが開発した製品でしたが、今回はローカルな食べ物を集めてみました。

【受験生応援グッズあれこれ】

合格祈願祭が9日、湯沢市駒形町のJAこまち駒形支店であった。赤い実に鳥居と合格祈願の文字が白く浮かんだリンゴに受験生たちは「絶対合格します」と喜んでいた=写真。
同農協のリンゴ販売額(約3億円)の9割を占めるという同地区で17年間続く行事。91年秋、台風で青森など多くのリンゴ産地で被害があったが、ここは落ちずに被害を免れたのがきっかけ。この日は同地区の中学3年生19人や父母が参加した。
「落ちないりんご」(Asahi.com)記事より)

↑これは有名ですね。
台風で大きな被害を受けたリンゴ農家の方々が、残ったリンゴをどう活用しようかと知恵を絞って考え出したのが、縁起物としての「落ちないリンゴ」。
ご利益はさておき、何があってもあきらめないぞという姿勢は、この商品から学べるような気がします。

受験シーズンを迎え、福井県おおい町名田庄小倉の名田庄商会は9日から、特産ジネンジョを使った恒例の「合格そば」の販売を始める。ジネンジョのように「『粘り強く』頑張って」との願いを込め、縁起物や激励品とセットにして売り出し、受験生の勉強を後押しする。
栄養価の高いものを食べて、長い受験期間を健康に乗り切ってほしいとの思いを込め、1989年から毎年販売している。受験生のいる県内外の家庭から注文がある。
「おおい 名田庄商会 合格そばを9日から販売」(福井新聞)記事より)

↑こちらはそば。
栄養のことも考えられており、夜食に良さそうです。

東京駅とその周辺から構成される「東京ステーションシティで、受験生を応援するフェアを開催する。まず、東京駅の駅弁屋で 1/11(日)~31(土)限定で販売されるのは、合格への思いがたっぷり入った「合格祈願弁当」(1000円)。絵馬をイメージした容器に、合格をつかんでほしいという願いをこめた五角形の合格箸、包み紙は鳥居のバックにたくさんのサクラの花が咲いたデザインで、さらに合格祈願で有名な高輪神社祷済みのお札が入っている。
(略)とんかつ(試験に勝つ)、蓮根金平(明るい未来が見通せるように)、菜の花のお浸し(春が来ますように)、ブリの胡麻焼き(学習能力を上げるDNAを含む出世魚のブリと、DNA酸化を防ぐ成分を含む胡麻の組み合わせ)、スモークチーズ(緊張を和らげるカルシウムを)などなど全12品がそろう。まさに受験生のためだけに作られたメニュー尽くしだ。
「東京駅にお札入り「合格祈願弁当」が登場!」(東京ウォーカー)記事より)

↑そしてお弁当。
上述したそばもそうですが、合格グッズの語呂合わせって、おせち料理を連想させますね。
東京駅を使って受験会場に向かう人は多そうですので、ヒットするかもしれません。

受験シーズンを前に、姫路市の洋菓子店「大陸」が、合格祈願の「春よ おいでんケーキ」を新発売した。人気商品「姫路おでんケーキ」のパッケージを一新し、桜の花に見立てたイチゴチョコの粉末「さくら咲くパウダー」を付け、縁起の良い言葉を並べた。
受験生の子を持つ母親から「受験生のおやつを作ってほしい」との要望があり、考案した。
「おでんケーキで合格祈願 姫路の菓子店が新発売 」(神戸新聞)記事より)

↑受験生向けのおでんケーキ。
もともと「おでんケーキ」という商品があり、それを受験生向けにした、ということのようです。
なるほど。
夜食におでんを食べる受験生はいると思いますが、おでんケーキと来ましたか。

青梅市河辺町5のコーヒー豆専門店「からさわ珈琲店」の「合格コーヒー」が、受験生や保護者、塾関係者の間で人気を呼んでいる。以前から香りや色つきのコーヒーを手がけており、合格コーヒーは縁起のいい赤色にサクラの香り。「サクラ咲く春」をイメージさせると好評だ。
「合格コーヒー:サクラの香り 受験生や親に人気--青梅・からさわ珈琲店 /東京」(毎日jp)記事より)

↑そして夜を徹しての勉強といえば、コーヒー。
これはアイディア商品ですね。大手メーカーが真似しそうです。

サクラの香りの赤いコーヒーって、受験生以外にも売れそうな気がします。

カテキン効果で合格を-。松阪市飯南町粥見の緑茶製造販売「深緑茶房」が、受験生向けに地元産の上級茶葉を特別にブレンドした新商品「勝金(かてきん)」を発売し、話題を集めている。
緑茶に含まれるカテキンには、殺菌作用があって風邪の予防に役立つほか、脳を活性化させる効果もあるという。「勝金」はカテキンが豊富で渋味の強い茶葉を多めにし、「合格という金メダルを勝ち取って」との願いを込めて名付けた。
「受験『勝』ち抜き『金』メダル 松阪の製茶業者が新商品」(中日新聞)記事より)

↑コーヒーに負けじと、お茶も参戦。
「勝金(カテキン)」という語呂合わせも炸裂しています。

ついに成分にまで語呂合わせが適用されました。

特産の明石ダコで合格祈願-。明石市内の特産品を販売する三業者が、明石ダコをテーマにした異色の合格応援セット「合格オクトパスシリーズ」を一月五日から、郵便局の「ふるさと小包」を通じて発売する。タコの英語名「オクトパス」が「置くとパス(=通る)」に通じることから、各社が知恵を絞った新商品。「志望校にくっついて離れず、八本足で末広がりの明石ダコに縁起をかついで」と話している。(大月美佳)
(略)若手漁師グループの直営店「漁師のこだわり 新浜」(明石市中崎二)は、香川県のタコつぼ製造業者から仕入れた本物のタコつぼを使用。漁師が願いを込めて「必勝」「合格」と墨で書き、明石ダコのボイル、やわらか煮などを詰めた「合格のつぼ」(五千三百円)を三百五十個限定で販売する。
「明石ダコの合格応援セット ふるさと小包で発売へ 」(神戸新聞)記事より)

↑そしてなぜかタコ。

「置くとパス」
段々苦しくなってきました。

「志望校にくっついて離れず、八本足で末広がり」
「合格のつぼ」

……などなど、どうにかして受験とひもづけようという苦労の後がしのばれます。
ちなみに昨年は同じ明石の「置くとパス」で、ズバリ、タコの置物が紹介されていました。

学業成就の願いを込めたコメいかが―。JA香川県は、学問の神様・菅原道真をまつる滝宮天満宮(香川県綾川町滝宮)で受験合格の祈祷(きとう)をした「合格祈祷米」を、県内のスーパーやJA産直市などで販売している。
受験生の応援とコメの消費拡大が狙い。(略)コメ5キロと同天満宮のお守り、鉛筆などをセットした商品(3400円)も、インターネットで限定販売している。
「天満宮で祈祷した“合格米” JA香川県が販売 」(山陽新聞)記事より)

JAえちご上越の旬菜交流館「あるるん畑」(上越市大道福田)が、受験生を応援するお守りとして「合格米」と「合格箸(はし)」を商品化し、4日から限定販売する。米は「五穀米」で、はしは「五角」。いずれも「合格」にかけて初めて企画した。商品は30日に、上杉謙信を祭る春日山神社(同市)でおはらいを受けた。
「米とはしで合格ゲット!上越」(新潟日報)記事より)

↑そして最終兵器、ついに主食が登場です。
なんだかもう、普通に暮らしているだけで応援されていそう。

昨年も見かけたので、「今年もどこかのJAがやりそう」と思っていたら案の定、でました。
来年以降も、かなりの米が、地元の神社に持ち込まれることになりそうです。

……というわけで大手メーカーだけでなく、各地で町おこし・地域活性化などを担っている方々も、受験生に熱いまなざしを向けています。
受験生の皆さんは、自分の合格だけでなく、地域活性化の期待までかけられていて大変。社会が受験生にかけるプレッシャーは、(色々な意味で)小さくなさそうです。

ただ販売の場に立つ定員の皆様は、どうか受験生本人や保護者の方に、あまり過度なセールストークをしないであげてくださいね。

なお昨今では、大学の研究成果で生まれた食べ物もたくさんあります。
御利益はないかもしれませんが、研究の現場を目指すモチベーションは高まるかもしれませんので、もし志望校がそういった成果物を持っている場合は、勉強の合間につまんでみるのも良いかもしれません。

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以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。