「大晦日の大学」というテーマでネタを集めようとして、断念したマイスターです。
年越しカウントダウンでもやっている大学があるかな……と思って調べましたが、見つからず。
考えてみれば、わざわざ大学にいないですよね。
さて、気づけば大晦日。
「こんなことがあったなぁ」と今年一年を振り返りながら、来年に思いをはせる日です。
そこで今日は本ブログも、2008年の大学関連ニュースを、改めて振り返ってみたいと思います。
【各大学が大胆な経済支援策を発表した一年。】
■「1月24日:大学院生に対する経済支援 各大学が競う」
■「3月21日:入学金値下げ、将来的に全廃へ 慶應義塾大学」
■「4月11日:ICU、4年間で400万円の奨学金を学部生に」
■「4月17日:愛媛大医学部 総額1000万円の奨学金?」
■「9月11日:東京学芸大学、教員志望者を対象にした特待生制度 500万円相当の支援」
学費の減免や奨学金の支給など、学生に対して新しい経済支援策を打ち出す大学が次々に登場。
少人数の学生に多額の支援を行うという点が特徴的で、優秀な学生を自校に引き寄せるという狙いもあるのではないか、と思わせます。
その一方で、日本学生支援機構の奨学金滞納者が増加。滞納者の多い大学は公表する、と機構は発表しています。
■「9月23日:滞納者が増加 「日本学生支援機構」の奨学金」
大学によって、奨学金の充実度は二極化していくのかも知れません。
なお年の後半では、サブプライム・ローン不況で打撃を受けた学生に対して緊急奨学金を出す大学もいくつか表れました。
【大麻による逮捕者が問題に。】
■「5月16日:関西大学キャンパスで大麻密売 学生を逮捕」
■「11月15日:大麻による大学生の摘発が続く」
大麻を不法に所持していたなどの理由により、いくつかの大学で学生が逮捕されました。
有名大学の学生も多く、社会に衝撃が走りました。
もともと国によっては合法としている事情もあり、識者と呼ばれる方も含めて、「そこまで問題にすることか」といった論争も起きていたようです。
(個人的には、法を破っている時点でアウトだと思いますが)
また緊急時に大学としてどのような対応をするか、という点も、社会から注目を集めるところでした。
在学生がこのような件で逮捕された場合、大学は公式に謝罪すべきか……ということは、今後、業界の中で議論されていいのではと思います。
【北京オリンピック、パラリンピック開幕!】
■「8月2日:北京オリンピックと大学(1):関係者が北京へ! 盛り上がる大学」
■「8月4日:北京オリンピックと大学(2):選手達がキャンパスで果たす役割とは」
■「8月25日:北京オリンピックと大学(3):「母校の誇り」を大学で応援」
■「8月26日:北京オリンピックと大学(4):選手達の競技姿が母校にもたらすもの」
■「8月28日:北京パラリンピックと大学(1):大学はどう選手をPRしているか」
■「8月29日:北京パラリンピックと大学(2):オリンピックとの違いは?」
2008年は、北京オリンピック&パラリンピックの年。
在学生、および卒業生が出場する大学では、キャンパスで学生や教職員が一丸となって応援する様子も見られたようです。
選手の活躍に合わせて、大学もメディアに取材されていることが多々あったようですね。
有名選手は、大学にとっては自慢の先輩。そして、抜群の広告塔でもあります。
この期を逃すまいと、webサイトなどでPRに力を入れていた大学が結構ありました。
世間的には、「日本がメダルをどれだけとったか」で盛り上がっている部分もあったと思いますが、その裏で、また別の盛り上がりをしていたのが、大学でした。
↓関連で、「オリンピック出場経験」を出願条件に掲げる大学のことも、ご紹介させていただきました。
■「8月12日:オリンピックの実績で大学に入学するということ」
【医師不足が社会的な課題に。】
■「1月16日:医師不足を解決せよ(1): 医学部卒業生を地域に定着させるには?」
■「1月17日:医師不足を解決せよ(2): 医学部受験生を支援する取り組み」
■「5月18日:ニュースクリップ[-5/18] 「医師不足:250人の県出身・全国の医学生に知事が手紙『就職は古里で』」ほか」
■「7月12日:研修医の大学離れが進んでいる?」
■「10月21日:10ヶ月の間、法医学教室の司法解剖医が「ゼロ」 佐賀県」
■「11月24日:へき地勤務に対する、医師のタマゴたちの意見」
救急患者の受け入れを拒否する病院のことが大きく報道されたりと、「医師不足」がこれまで以上に注目された1年でした。
新臨床研修制度にともない研修医が大学の医局を離れた結果、大学が地域の病院に医師を派遣できなくなったなど、いくつかの原因が指摘されています。
大学でも、地域入学枠を設けたり、卒業後の勤務地を指定した奨学金を用意したりと、様々な手を打っていますが、未だ決定打はないようです。
【内定取り消しが全国で深刻化。】
■「7月9日:行き詰まっている? 日本の大学生の就職活動」
■「10月25日:サブプライム・ローン問題が大学に与えた影響」
■「10月29日:『内定取り消し』報道から就職の現状を考える」
■「11月29日:内定取り消し報道が続く」
■「12月27日:内定を取り消された学生に対する大学の新たなサポート」
アメリカのサブプライム・ローン問題に端を発する世界的な金融不況が、企業を直撃。
「売り手市場」と言われた前半からうってかわって、学生達は就職活動で苦戦を強いられることになりました。
特に、既に内定を出していた4年生に対して「内定取り消し」を伝える事例が日本各地で発生。
文部科学省も調査に乗り出すなど、現在も深刻な社会問題になっています。
【続く快挙! ノーベル賞受賞。】
■「10月7日:ノーベル賞受賞 大学の報道あれこれ(1):各大学の反応は?」
■「10月8日:ノーベル賞受賞 大学の報道あれこれ(2):日本の大学が追求すべき「成果」は?」
■「10月19日:ノーベル賞の論文を一般に展示・公開する取り組み」
日本で学んだ科学者の方々が、次々にノーベル賞を受賞。
今回の入試でも理学系の志願者が増えると見込まれているそうです。
祝福ムードが全国に広まりました。
(掛け値無しに喜ばしいニュースって、貴重です)
ただ、米国籍を取得された南部陽一郎教授、研究の場を米国に移した下村脩教授など、受賞者のうち2人が日本を去っていたという事実から、日本の科学政策などを考えさせた出来事でもありました。
今後の日本は大丈夫だろうか……という声も聞かれました。
※↓ちなみにノーベル賞と直接関係はありませんが、将来を期待させるこんな報道もありました。
■「10月11日:卒業研究が、科学雑誌『Nature』に掲載される」
【資産運用で大学が大きな損失を。】
■「11月18日:駒澤大学 資産運用失敗で154億円の損失」
■「11月19日:【セミナーのご紹介】 「大学法人資金運用のリスク管理と説明責任」」
■「11月20日:アメリカの有力大学も、資産運用で大きな損失」
■「12月19日:駒澤大学 資産運用失敗の責任で理事長を解任」
駒澤大学の報道を皮切りに、資産運用でダメージを受けている大学の名が次々に報道されました。
サブプライム・ローンの影響が、こんなところにも出ていたのですね。
報道された大学名は氷山の一角に過ぎないとも言われており、2009年にさらなる事実が発覚すると思われます。
以上、2008年度のニュースの中で、社会的にも注目されたものを集めてみました。
このほかにも、法科大学院の定員見直し、OECDによる大学教育評価基準策定、各種の大学間連携、キャンパス移転報道、各大学の退学率が史上初めて白日の下にさらされた読売新聞「大学の実力」の報道等々、様々な話題があった一年でした。
そんなこともあったなぁ、と考えるキッカケにしていただければ幸いです。
今年も一年、本ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。
来年も、お互いがんばりましょう。
皆様、よいお年をお迎えください。
マイスターでした。
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。