動画投稿サイトで大学をPR(2):YouTubeで公式チャンネルを開設している海外の大学

マイスターです。

昨日に続いて、YouTubeで公式チャンネルを開設し、広報やPRに活用している大学の事例をご紹介していきたいと思います。

今日は、海外の大学について見てみよう……と思ったのですが、ひとつひとつ事例を紹介していると、いつまで経っても終わらないくらい、事例がありました。

予想はしていましたが、極めて多くの大学が公式チャンネルを開設しているようです。
ここでご紹介できるのも、氷山の一角でしょう。

ですので、動画を活用した大学広報・PR事例の紹介は、今後、毎週1回くらいのペースで継続的に行っていくことにします。

今日は、その中でも一番最初に目に付くような、数例だけをご紹介します。
(なお以下、動画の数や再生回数は、いずれも2008.9.13現在のものです)

■「ucberkeleyさんのチャンネル: UC Berkeley」(YouTube)
・チャンネル再生回数: 1,864,626
・動画数 (374)

■「ucberkeleyeventsさんのチャンネル: UC Berkeley Events」(YouTube)
・チャンネル再生回数: 52,110
・動画数 (406)

■「ucberkeleycampuslifeさんのチャンネル: UC Berkeley Campus Life」(YouTube)
・チャンネル再生回数: 39,299
・動画数 (53)

■「calathleticsさんのチャンネル: Cal Athletics, Go Bears!」(YouTube)
・チャンネル再生回数: 6,933
・動画数 (58)

公立大学として世界トップ水準の評価を得ている、アメリカのUC Berkeley。
上記のように、用途に合わせて複数のチャンネルを使い分けています。
それぞれに他のチャンネルのリンクを張ってあるので、訪問者も見たい動画を探しやすいかも知れません。

4つのチャンネルを合わせると、動画数891、チャンネル再生回数は1,962,968回。
(複数のチャンネルにアップされている動画もあると思いますので、動画数には重複が含まれると思います)
他にも、個別の学部やスクールごとのチャンネルがあるので、すべてをあわせれば再生回数は200万回を超えるのではないかと思います。

世界的な有名大学であるということはもちろんありますが、それにしても突出した規模です。
学生や受験生の興味を集めるような多くのコンテンツを積極的に制作・公開している姿勢によるところが大きいのではないでしょうか。

↑こちらは、その名も「You See Berkeley」という動画。

↑この講義だけで、再生回数が21万回を超えています……。

↑UC Berkeleyのスポーツを扱う「calathletics」チャンネルでは、北京五輪で活躍している選手達をレポートするシリーズが人気のようです。
スタッフなのか学生なのかは分かりませんが、現地に行ってこれだけの選手のレポートを敢行しているということにまず驚きます。

ちなみに、投稿者の情報を表示する欄には

名前: UC Berkeley
年齢: 140
関心事と趣味: Teaching, Research, and Public Service

……とありました。
なんだかちょっと親しみを持ちました。

■「MITさんのチャンネル: Massachusetts Institute of Technology」(YouTube)

マサチューセッツ工科大学(MIT)のチャンネル。
よく話題になる、「MIT OpenCourseWare」による講義映像が多数、公開されています。
731件という動画数は、目立ちます。

↓一番再生回数が多かったものはこちら。

165,408回も再生されているこの映像は、かつて本ブログの記事でもご紹介した、物理担当であるWalter H.G. Lewin教授の授業プロモーション映像。
体を張った情熱的な授業が、やはり世界中からアクセスを集めていたようです。

(過去の関連記事)
■ニュースクリップ[-1/27] 「ダイエー創業者設立の大学 かつてのライバルらが理事に」ほか

■「carnegiemellonuさんのチャンネル: Carnegie Mellon University」(YouTube)

コンピューター・サイエンスを始め、理工系の研究大学として高い評価を受けている、カーネギーメロン大学のチャンネルです。

「6,901,097」回という、目を疑うような再生回数を集めている講義がありました。

動画のタイトルは、「Randy Pausch Last Lecture: Achieving Your Childhood Dreams」。

ガンのため、46歳という若さで世を去った、ランディ パウシュ教授の講義です。
日本でも、「最後の授業 ぼくの命があるうちに」というタイトルでDVD付きの書籍が出版されているので、ご存じの方も多いでしょう。

この講義は世界中で話題となり、多くの方々がその内容、講義の中で教授が投げかけたメッセージに感動したそうです。
その話題の引き金となったのは、おそらくこの、YouTubeにアップされた講義映像でしょう。
この1つの動画が、多くの人達に感銘と、影響を与えたのです。

これらの大学は、世界中から学生を集める超・有名大学ではありますが、しかしだからといって、世界中に大学のポスターを貼りまくるわけにも、大学案内を配りまくるわけにもいきません。

そんなスキマを、こういったYouTube上の膨大な映像コンテンツが効果的に埋めているのかも知れません。

一時のブームどころか、今後を見据えた、長期的なプロジェクトとして取り組んでいる様子を感じます。

もともとアメリカでは、非営利組織の広報やマーケティングが発達しています。
かなり早い段階で、政府の関連団体やNPOなどが、喫煙や麻薬に対するキャンペーンをYouTube上で展開していました。大学も、そのひとつです。

非営利組織で活躍する広報のプロ達は、中長期の広報活動にYouTubeが機能するという事実に、いち早く気づいていたのではないかと思います。

さて、冒頭で申し上げたように事例紹介は継続的に行っていきますが、もう1つだけ、ご紹介したい事例がありますので、もう1回だけ続きます。

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。