横浜国立大学開発のビジネスゲーム「YBG」 全国の大学に広まる

マイスターです。

ある大学で作られたカリキュラムや教育メソッドが、他の大学に広まっていくということは、しばしばあります。

先日も、そんな事例をひとつ知りましたので、ご紹介します。

【今日の大学関連ニュース】
■「横国大のビジネスゲーム、40校が導入」(時事ドットコム)

横浜国立大学(飯田嘉宏学長)は4日記者会見し、同大が開発した大学教育用のビジネスゲームシステム「YBG」(Yokohama Business Game)を導入した大学が、全国で40校に達したことを明らかにした。
YBGでは、起業、生産・販売計画、同業他社との競争、決算など、企業経営に関するさまざまな疑似体験ができる。学生らは数人のグループに分かれ、パソコンの仮想市場の中で業績を競う。経営学部の白井宏明教授が経営学を専攻する学生らのために開発した。
文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム」で採択され、全国の大学に無償で提供している。
(上記記事より)

そんなわけで、横浜国立大学の経営学部で生まれ、全国40大学で使われるようになった、横浜国立大学ビジネスゲーム、略して「YBG」です。

■「横浜国立大学ビジネスゲーム Yokohama Business Game」(横浜国立大学)

【YBGの開発と提供】
ビジネスゲームの開発と運用を支援するためのシステムとして,横浜国立大学ビジネスゲーム開発システムYBG(Yokohama Business Game)を開発しています.本システムは、ビジネスゲームを実行するだけでなく,容易に開発することを目的とするものです.
ビジネスゲーム開発支援機能では,日本語まじりのソースコードを記述すると,インターネット/イントラネット上で動作するビジネスゲームが自動生成されます.ビジネスゲームを実行するのに必要なプログラム群を自動的に生成するため,ゲーム開発者はプログラミングを意識する必要がありません.
また,ビジネスゲームの運用支援機能として,教員と学習者間,学習者と学習者間のコミュニケーション機能や,ゲームの自動進行管理機能,学習者各自の独習機能などを実現します.
本システムは,横浜国立大学での教育だけでなく,他大学,民間企業,官庁,自治体などにも提供範囲を拡大していく予定です.
■「YBG紹介」(横浜国立大学)より)

このYBGは、「体験型経営学教育のための教員養成計画 経営体験型シミュレーション教育の全国FD展開 」として、特色GPの指定を受けています。
さらに、YBGをベースにしたeラーニングプログラムを開発・運用し、その取り組みが「経営学eラーニングの開発と実践 ~ゲーミングメソッドを基盤として~」というテーマで、現代GPの採択も受けています。

冒頭の記事では、「YBGでは、起業、生産・販売計画、同業他社との競争、決算など、企業経営に関するさまざまな疑似体験ができる。学生らは数人のグループに分かれ、パソコンの仮想市場の中で業績を競う。」と説明されています。

まさに、こうした経営シミュレーションをコンピューター上で行える教育メソッドなのですが、特徴的なのは、教員が、簡単に新しいゲームのシナリオを作成できるという点。
それも、プログラムの知識があまりない方でも、簡単に行えるという工夫がなされています。

↓オンラインチュートリアルも整備されています。

「YBG ゲーム開発者向け オンライン操作マニュアル」(YBG)

こういった仕組みが無償で提供されているということもあり、40大学で使われることになりました。
というか、もともと、こうして広く使われることを想定して開発されたプログラムなのですね。

特色GPの、「今後の実施計画」のページでも、

2)ビジネスゲーム・コンソーシアムの結成
体験型経営学教育の普及のために,既存のビジネスゲーム利用大学を地域ブロックごとの幹事校としてビジネスゲーム・コンソーシアムを結成する。この幹事校を中心に,さらに各都道府県に拠点大学を育成し,大学間ネットワークのノード校とする。これにより,各地域のノード校が地域内の大学と対面して指導育成できる人的支援体制を整備し,3)のビジネスゲーム・ネットサービスによるノウハウ交換支援と両面で本取組の参加者をサポートすることが可能となる。
このコンソーシアム結成のために,本取組の重点活動の1つとして,各都道府県において順次,集合形式でのFD大会(チュートリアル)を実施する。
「体験型経営学教育のための教員養成計画 経営体験型シミュレーション教育の全国FD展開 」(横浜国立大学)より)

……という展望が語られています。

全国で広く使われる教育プログラムを開発するというのは、意義があることですよね。
個人的には、経営分野を志す高校生達にも体験させたいと思いました。

ちなみに、特定大学が開発し、広く使われるようになったという点では、↓こんな取り組みもあります。

■「全国工学系学部 工学系数学統一試験 実施要領」

こちらは「工学系の数学基礎学力」をはかる統一のモノサシを作ろう、という取り組み。
広島大学工学部と山口大学工学部が協力して作った試験です。
二大学での共同申請として、特色GPにも認定されています。

■平成17 年度「特色ある大学教育支援プログラム」採択取組の概要および採択理由:工学系数学基礎学力の評価と保証 -グローバルスタンダードをめざして-(PDF)」(文部科学省)

エンジニアに求められる数学力を、どの大学でも気軽に使える「試験」という形で規定し、提供する。
これも、なかなか社会的意義のある取り組みであるように感じます。
昨年度は、全国30箇所以上の大学で試験が実施されました。

こういった取り組みは、ぜひ多くの方々に知っていただきたいと思います。
本ブログでも可能な範囲でご紹介していきますので、ユニークな事例などをご存じの方は、情報をお寄せください。

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。