ニュースクリップ[-7/13] 「大学海外校に初の設置基準」ほか

マイスターです。

さて、日曜日になりましたので、今週も一週間の教育ニュースの中から、いくつかを選んでご紹介します。

【「日本の学位」の条件。】
■「大学海外校に初の設置基準」(読売オンライン)

文部科学省は、日本の大学などが海外校を設置する際の基準を決めた。海外校が授与する学位を日本の本校が授与する学位と同等に扱うことなどが主な内容だ。
2004年の政令改正で大学などの海外校設置が可能になったが、これまでに海外校を設置した大学はない。最近、複数の学校から海外校の設置基準に対する問い合わせがあったため基準策定を急いだ。
設置基準は、学位の扱いのほか〈1〉選任教員や校地・校舎面積は、日本の大学設置基準を満たす〈2〉日本の大学長が、海外校の職員を管理・監督する――ことが柱。
(上記記事より)

海外大学の日本校は、母国の大学の基準に沿って設立されています。日本の大学の設置基準は必ずしも満たしておりませんが、日本の学位を出すわけではなく母国の大学の学位を出すものですので、母国のガイドラインを満たしていればいいわけです。

参考:■「外国大学 日本校」をご存じですか?

それとは逆に、日本の大学が海外にキャンパスを設置し、日本の学位を出そうとした場合はどうか。
当然ですが、日本の大学の設置基準を満たす必要があります。

そんなわけで上記は、その「日本の大学の海外校」に関する設置基準が初めて作られた、という記事。
「最近、複数の学校から海外校の設置基準に対する問い合わせがあったため」という部分が、気になります。

【「純大学」チーム。】
■「ドライバーは教員 純大学チームでWRC参戦」(岐阜新聞)

世界最高峰の自動車レース「世界ラリー選手権(WRC)」に、学生がメカニックとして毎年参戦する高山自動車短大=高山市下林町=。今年は、ドライバーに同大の教員を起用し、初の“オール大学チーム”を結成。8月のニュージーランドラリーに参戦し、13年連続完走に挑む。
同大は、1996(平成8)年から授業の一環で同レースに出場。学生たちは、競技の合間の限られた数十分で、車両の整備や修理を行うメカニックを担ってきた。
これまでは、過酷な同レースを戦い抜くため、実績のあるプロのドライバーやメカニックを加えてレースに挑んできた。だが、今年はドライバー、メカニックともに学生と教員のみの16人で臨む。
ドライバーに抜てきされた大橋智樹さん(35)は、2001年にメカニックとして同レースに出場したOB。卒業後、大学に残り、同大の支援を受けて国内のレースで腕を磨いてきた“生え抜き”のドライバーだ。チームの期待を一身に受ける大橋さんは「大きな重圧を感じているが、自分にとってもWRC出場は夢だった。必ず完走を成し遂げたい」と意気込んでいる。
(上記記事より)

先日も、東海大学がル・マンに挑戦しておりましたね。


ニュースクリップ[-3/2] 「東海大:ルマン参戦申請 レース車両、学生ら設計・開発--日本の大学初」ほか

今回、世界ラリー選手権(WRC)への挑戦が取り上げられている高山自動車短大には、これまでもWRCに参加してきた実績があります。
ただ、これまでプロのドライバーやメカニックが混じっていたことに対し、今回は大学の教員と学生だけでチャレンジ。
ぜひ、完走していただきたいですね。

【大学生向け家庭教師?】
■「キャンパる・なにコレ!?:大学生向け家庭教師」(毎日jp)

中高生向け家庭教師派遣で30年以上の実績を持つ「お茶の水WELLSグループ」は、3年前から大学生を対象にした家庭教師を派遣している。相談者からの要望が多かったために始めた。利用学生は年々増えており、「その背景には授業についていけない大学生の増加がある」と同グループ教育コンサルタントの田中淳さんは話す。
利用学生のトップは薬学部、それに続くのも理系の学部が多い。そのため、ニーズが高い科目は数学、物理、化学、生物など。また仏語のように大学で初めて学ぶ語学系の科目も需要がある。さらに、ごく少数だが、司法試験や留学を目指す学生もいる。
(略)担当の教師は、登録されているプロの家庭教師や大学の臨時講師らから適任者を探す。大学生でも基礎科目なら問題なく教えられるが、専門性の高い科目となると要望に応えられないことがあるからだ。
派遣先は、最初は付属校の内部推薦生やAO入試で入った学生が多かったが、最近は一般入試で入った学生も少しずつ増えている。ゆとり教育の影響や、大学の授業が難しくなっていることが一因だが、学力の遅れを周りに相談できない孤独な学生が増えていることも原因にあげられる。そういう学生はまじめで、友人が少ない人が多いため、相談できないまま問題が深刻化してしまうという。問い合わせの電話は、半分は学生、半分は親によるものだそうだ。
(上記記事より)

まだそう広く普及してはいないようですが、大学生向け家庭教師なんてサービスがあるようです。
また色々と物議を醸しそうですが、ドロップアウトしそうな学生の学習を丁寧にサポートするという意味では、最近、理工系の大学を中心に整備が進んでいる「学習支援センター」も同じ。
色々と考える記事です。

【中国のカンニング事情。】
■「全国統一大学入試で横行するカンニング」(NBonline)

詳細は元の記事をご覧ください。
中国で言うセンター試験「高考」の季節には、毎回、カンニングの摘発報道が少なからず流れますが、こういったカンニングに対する意識や考え方にも、国ごとの違いがあるのでしょうか……?
うーむ。

【映画人らから多額の寄付を集める大学。】
■「南カリフォルニア大学にG・ルーカスらが多額の寄付」(Variety Japan)

数多くの有名フィルムメイカーを輩出し続け、ハリウッドへの貢献度は計り知れない南カリフォルニア大学(USC)。その映画芸術学部(School of Cinematic Arts)内の総合施設の新設にあたり、そうそうたるメンバーが寄付金をおくっている。
プレイボーイ誌の発刊者で、今もなお米人気テレビ・シリーズ“The Girls Next Door”でおなじみのヒュー・ヘフナー、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミー、そしてUSCが誇る卒業生であるジョージ・ルーカスは、記録破りの1億7500万ドルを寄付している。
新たに50万ドルを寄付することが明らかになったのは、アルフレッド・ヒッチコックとその妻アルマの冠による基金「アルマ・アンド・アルフレッド・ヒッチコック・ファウンデーション」だ。
施設のメイン部分は、USCのユニバーシティ・パーク・キャンパス内に位置し、12月に完成する予定。新たなフィルムメイカー伝説が生まれそうだ。
(上記記事より)

南カリフォルニア大学(USC)は、ジョージ・ルーカスを輩出したことでも知られる大学。
映画関係の専攻が有名で、ハリウッドへの貢献度は相当なものです。

そんなUSCの施設建設にあたり、映画関係者らがこぞって寄付。さすがですね。
特にジョージ・ルーカスの寄付額が、とんでもないことになっています。

この施設には、寄付をした方々の名前が残るでしょう。
将来、映画芸術学部で学ぶ学生達にとって、彼らは身近な存在であり続けるわけです。

以上、今週のニュースクリップでした。

今週も一週間、本ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。
来週も、お互いがんばりましょう。

マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。