G8大学サミット 「札幌サスティナビリティ宣言」を採択

マイスターです。

北海道洞爺湖サミットを前に、札幌にて、世界の大学関係者によるサミットが開催されました。

【今日の大学関連ニュース】
■「持続する社会」へ札幌宣言 G8大学サミット閉幕」(北海道新聞)

国内外三十五大学の学長らが集まり、札幌市内で開かれていた「G8(主要八カ国)大学サミット」は一日、北海道洞爺湖サミットに出席するG8首脳への要請を盛り込んだ「札幌サステナビリティ(持続可能な社会実現)宣言」を採択し、二日間の日程を終えた。
この日は全体会議を開き、国際研究ネットワーク構築と次世代の教育に関する初日の分科会の議論を基に、宣言をまとめた。第二回大学サミットを来年のサミット開催地であるイタリアで開くことを決め、閉幕した。
宣言は大学の役割と決意などに加え「サステナビリティに関する政策の立案、実施にあたり、大学とのパートナーシップを深めること」など、G8首脳へ五項目の要請を盛り込んだ。宣言文は四日、議長団が首相官邸で福田首相に直接手渡す。
(上記記事より)

日本の14大学と海外20大学+国連大学の学長が参加して開催されたG8大学サミットが、2日間の日程を終えて無事、閉幕しました。

■G8大学サミット

環境教育などにおける大学の役割などについて議論がなされ、最終的に、「持続可能な社会の実現に向け、大学が原動力となる」などの項目からなる「札幌サスティナビリティ宣言」を採択したとのこと。

その「札幌サスティナビリティ宣言」の内容が、まだどこにも公開されていないのですが、報道を見る感じでは、↓こんな内容のようです。

宣言文は、地球規模の環境問題解決に向け、持続可能な社会の実現が国際社会にとって緊急の政治課題であるとの認識を示し、大学がその原動力となるとの決意を盛り込んだ。
「G8大学サミット:「持続可能な社会へ」宣言--閉幕」(毎日jp)記事より)

地球規模での持続可能な社会実現に向けて、大学が国や社会を積極的にリードしていく必要性を盛り込んだ札幌宣言をまとめた。「持続可能な社会の実現がもっとも重要な政治課題」とする認識を示したうえで、北海道洞爺湖サミットの中心議題になる地球温暖化による気候変動について「国際社会が科学的に適切な政策を実施し行動を起こすこと」を訴えている。
「G8大学サミット:「温暖化対策に科学的行動を」--宣言」(毎日jp)記事より)

環境や貧困といった問題を解決しながら持続可能な発展をしていくため、大学は政治や社会に対して必要な科学的知見を提供し協力していくべきだとする「札幌サステイナビリティ宣言」を採択し、閉会した。
宣言文は、環境問題などの複雑な問題に対応するために大学間の研究ネットワークを強化することや、途上国の研究機関と協力が必要とした。
7日から始まる北海道洞爺湖サミットに集まる主要国首脳に対しては、大学と緊密に連携し、科学的知見に基づいた政策を遂行するよう求めた。
「政治と協力し問題解決を G8大学サミットで宣言文」(47NEWS)記事より)

具体的な政策的提言と言うよりは、大学が果たす役割を再確認するという意味の、完全な「宣言文」です。
このように社会全体への問題提起を行い、各国の大学に具体的な行動を呼びかけるというのが、各国のリーダー層が集うサミットのような場の役割なのでしょう。

つまり、ここで終わっては意味がないということですね。
この宣言文を受けて、各大学が何かしらの行動を起こして、初めてサミットの成果と呼べるのだと思います。

環境対策で世界に対してプレゼンスを発揮したい日本としては、サミットに参加した14大学を始め、各大学の取り組みに期待がかかります。
環境に関わる学問を教育・研究する大学も年々増えていることですし、大学にとっては、アピールのしどころだと思います。

ちなみに北海道大学は、(「大学サミット」ではなく、各国首脳による洞爺湖サミットの方ですが)、この半年間、サミットにあわせて↓こんなキャンペーンを展開しています。

■「G8サミットに向けた北海道大学の取り組み」(北海道大学)

北海道大学は、2008年に開催されるG8北海道洞爺湖サミットに向け、2007年9月から20以上の環境関連分野の国際シンポジウムやワークショップを継続的に開催します。 これはいわば、
“Sustainability Research and Education Promotion Marathon” (サステナビリティ・リサーチ・アンド・エデュケーション・プロモーション・マラソン) つまり、『持続可能な社会づくりに向けた研究・教育推進キャンペーン』と呼ぶべきものであり、研究者・教育従事者・市民・学生が参加する「議論と情報発信の機会」です。
(上記記事より)

■北海道大学 サステナビリティ・ウィーク 2008

絶好のタイミングをうまく活かして、大学の存在感を発信していると思います。

↓昨日の記事でご紹介した環境報告書などとあわせて、参考になればと思います。

■大学が進める環境対策

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。