【キャンパス・ウォッチ】 中国の頭脳(2) 清華大学

マイスターです。

昨日に引き続き、北京市内の大学を紹介します。

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こちらは、北京大学とともに中国を代表する大学、清華大学です。


■清華大学

この清華大学こそ、現在の中国でナンバーワンの評価を集めている大学です。

人文・社会科学系に強い北京大学に対して、理工系に強い清華大学、という評価が一般的です。
実を言うと、もともとはどちらも総合大学だったのですが、1952年、政府の方針によって大学ごとに学部の調整がなされ、清華大学の人文・社会科学系学部は北京大学へ、北京大学の工学部は清華大学へ、それぞれ移されたのだそうです。

さて、大学入学時に受ける統一試験の点数で最高レベルを求められるという人気ぶりも目を引きますが、中国のトップ官僚9人のうち、胡錦涛国家主席を含め4人が清華大学卒だとのことですから、実績も圧倒的。
(ちなみに、この9人は全員、大学か大学院でエンジニアリングを学んだテクノクラート。科学技術立国を標榜し二桁成長を達成している中国の、これが大きな特徴です。トップ官僚や政治家に理系がほとんどいない日本とは逆ですね……)

詳しくはここでは説明しませんが、皆さん、高校の世界史で「義和団事件(庚子事変)」という出来事を習ったと思います。
義和団を鎮圧した各国は、当時の清政府に対して賠償金を要求しました。ただ、その額があまりに莫大で、国際社会から批判を浴びたため、それぞれの国が、後にいくらかずつ賠償金を返還したのです。

その際、アメリカは、「将来アメリカと対等に話ができる、この国の幹部候補生を育成して欲しい」という趣旨で、学校設立のためという使い道を特定して返還しました。
そのときの返還金を元手にしてつくられたのが「清華学堂」、現在の清華大学です。
(そのため設立当初からアメリカの大学に留学する学生が多く、現在までもその伝統が続いているとのこと)

清王朝皇帝の庭園だった「清華園」という場所に設置されたので、この名前がついたのだそうです。
ちなみに設立された1911年は、辛亥革命が起きた年。「ラストエンペラー」として有名な宣統帝溥儀が在位していた清朝末期から、ちょうど時代がかわる境目にできた大学なのですね。偶然でしょうが、清華という名前は、「清」から「中華(民国)」へという意味にもとれそうで、興味深いです。

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↑そんなわけで、冒頭の写真は、大礼堂(オーディトリアム)。

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↑芝生が広がる広場に、赤煉瓦の西洋風建築というあたりも、まるでアメリカの大学のよう。

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↑こちらは清華大学のメイン・ビルディング。
やはり大きいです。

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↑とにかく広い大学内。

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↑政府による指定研究機関であることを示すパネル。
そこら中の建物の入り口にありました。

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↑理工系に強い大学らしく、天文台なども。

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↑こちらは、「清華大学美術学校」。
Art’s & Disignの分野もあるのですね。

近代的な印象の清華大学ですが、↓やっぱり中国風の風景もあったりします。

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↑キャンパス内には、やはり美しい庭園が。
というか、庭園があった場所に大学をつくったという方が正確なのかも知れませんが。

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↑こちらは、上述した「清華園」です。

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↑一歩キャンパスを出ると、隣接して広がっているのは、清華大学サイエンス・パーク。
MicrosoftやSun Microsystemsなど、IT系の企業の名前がずらりとならんでいます。
産学連携のための一大拠点がここに。

……と、あくまでも雰囲気だけですが、清華大学キャンパスの様子をご紹介しました。

清華大学、北京大学は、文字通り中国の「頭脳」。
そして優秀な学生を留学生として世界中に送り出し、欧米から熱く注目されている教育研究機関です。
日本の大学は、うかうかしていられません。

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。