シニアと大学(2) シニアが大学の学びに触れる企画、増加中

マイスターです。

■シニアと大学(1) リタイアしても大学で学びたい!

先日、シニア層の方々と大学の関わりについて、いくつかの例をご紹介しました。
前回に引き続き、他の動きもご紹介したいと思います。


■「セカンドアカデミー」(株式会社ウイン・アクション)

【概要】
セカンドアカデミーは、「時間・経済的に余裕が出来つつある40代・50代からの方」「知的好奇心が旺盛で、同好のコミュニケーションの仲間を求めている方」を対象に、大人の社会人(40・50代~)が、ビジネス・人生の幅を広げるための大学の公開講座や、専門学校の授業・オープンカレッジを紹介するサイトです。
セカンドアカデミーのこだわりは「コミュニケーション」を重視しています。学校に通う目的は、知識の習得だけではなく、同好の知人や一緒に切磋琢磨できる仲間を作ることも大きな目的かと思います。セカンドアカデミーで紹介する講座・授業では、「講師や参加者間のコミュニケーションに工夫がある講座」をオススメ講座として紹介します。また、参加者による講座のレビュー機能を設けるなど、サイトの作り自体にもコミュニケーションを活用します。また将来的には、セカンドアカデミーを中心にユーザー間でコミュニケーションが図れるように、ソーシャルネットワークサービスの提供も検討しています。
【掲載講座について】
また、以下のような講座をセカンドアカデミーではご紹介していきたいと考えています。

* 自分と知的好奇心が似通った人と新たに「コミュニケーションを取れる機会」がある
* 教科書を中心とした講義だけではなく、「実社会や実世界の体験を通じた学び」ができる
* 分野の専門家や匠などが講師をするというように、「講座の内容が本物志向」である
* 受動的に受けるだけではなく、参加者も主体的に「講座・授業運営に参画」できる
* 受講料がそれほど「高価ではない」
* 時には若い学生・ビジネスマンと交流することで、「若い・新鮮な気持ち」になれる

(「セカンドアカデミーとは」より)

シニア向けの学び情報を紹介するポータルサイト、なんてものもついにできてしまいました。いい時代になりましたね。

このサイトを運営しているのは、株式会社ウイン・アクションという民間企業です。世の中の大学や専門学校の生涯学習プログラム、および科目等履修生向けにオープンにされている科目の情報を集めて整理したのが、このポータルであるとのこと。
有料・無料含め、大学が実施する公開講座の情報が、特に充実しているようです。

○テーマ別に、各大学の講座を横断的に紹介してくれる。
○受講に必要な金額が、それぞれちゃんとわかりやすく書いてある。開催日程や拘束時間、申し込みの締め切り日なども比較検討できるように見やすく記述されている。
○「講座の詳細」から、シラバスの内容が読めるようになっている。
○検索結果から直接、資料請求することができる。
○「講師陣の著書」や、「関連講座」などの情報が

などなど、なかなか機能も充実しています。

このサイトの特徴は、「リタイアした方々に、コミュニケーションの場を提供する」ということを狙いにしている点です。
そのために、自分の興味関心に合わせて各大学の講座を横断的に検索したり、レビュー機能を搭載していたりするわけですね。SNSの提供も検討中とのことです。

若者しかいない場に一人で飛び込むのは勇気が要りますが、このポータルサイトで、シニアの「同好の士」を見つけられれば、そんな抵抗感もかなり軽減されるでしょう。
通常、ひとつの大学の講座だけでは、そこまでの広がりは生まれません。このポータルサイトでは、そういった講座情報を束ねることで、ちょっと違った価値を作り出そうとしているわけです。
随所に、「WEB2.0」の発想が見られます。

このようにシニアの皆さんは、「どこの大学に進学しようか?」ではなく、「自分が興味を持っている○○学については、どこの大学で、どんな講座が行われているのかな?」と、自分の興味に合わせて講座をつまみ食いできるのです。
大学の垣根を越えて自分主導の学びを進められるというのは、単位や学位にこだわる必要がない、シニアならではなのかもしれませんね。

さらに最近では、シニア層をターゲットにした、地域滞在型のサマーカレッジなども登場しています。

■「シニアカレッジ」(JTB)

シニアカレッジとは、向学心の高い全国の50歳以上を対象とした国立大学の生涯学習プログラムです。様々な地域文化を持った人々が大学のある地に滞在して、交流しながら学ぶ新しいスタイルの地域学習プログラムでもあります。
(上記ページより)

上記は、JTBが運営している、シニアカレッジ専用サイト。
JTBが、各大学と共同で企画した

・観光地を訪れて観光を楽しみつつ
・大学で学ぶ体験を味わう

……というシニアカレッジの企画を、随時紹介しています。

最近は、各地域や大学が、独自にこういった企画をおこなう例が増えています。

(例)
■「教養講座・京都の歴史と文化コース:佛大『京都学』始まる!!」(佛教大学通信教育部)
■京都検定推薦事業:楽洛キャンパス
■「京都歴史回廊文化塾」(京都歴史回廊協議会)
■「滋賀大学サマーカレッジ開校 平成滋賀塾」(近畿日本ツーリスト株式会社)

さすが旅行会社、こうした傾向を見逃さず、全国の国立大学と手を組んで、専用サイトを立ち上げたというわけです。

■「シニアカレッジ:講義一覧」(JTB)

講義一覧を見ると、なるほど各大学とも、地域色を打ち出した内容になっています。
(必ず、食べ物に絡めた講義があるのは、JTBの要請でしょうか)
シニア層の興味をひきそうな講義がそろっています。
講師陣もなかなか多彩。宮崎大学では、東国原知事も登場します。

単なる観光ツアーでもなく、教室でのお勉強だけでもない。知的な刺激も味わえる、ちょっと大人の時間の過ごし方。
社会の中で活躍し、知的レベルも高いシニアだからこそ、「本物の学問に触れたい」という欲求も強いのではないでしょうか。
マイスターも、自分がシニアだったら、こういうのに参加してみたいです。

実はこのJTBのシニアカレッジ、2007年度では、香川大、山口大、高知大、宮崎大の回で参加者が集まらず、中止になってしまったという苦い経緯もあったりします。
そんな失敗もありましたが、そうは言ってもこれから、この手の取り組みはますます広がっていくのでしょう。

というわけで今日は、シニア層の方々が気軽に大学レベルの学びに触れられる、そんな取り組みをご紹介しました。
ご興味のある方は、ぜひ参加してみてください。

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。

1 個のコメント

  •  小生こと「ひげじぃ」は関西国際大学の総合ビジネス学科3年生の68歳である。
    この2年、孫のような学生たちと肩を並べ、毎日楽しく勉学に励んでいるのだが、一般学生は社会に羽ばたくための大学であり、我々には最後の大学への夢を果たそうとしている違いがある。
     そこには、横たわるリクルート絡みの必修科目があり、我々にはあまり必要性を感じないのである。
     そこで、シニアのための「履修プログラムや受け入れプログラム」を開発研究すべきと、大学に申し入れたところ、課題研究Ⅰでシニアである小生が学内シニアの意見や広く学外からの情報も含め、開発研究することと成り、他大学のシニア諸氏にシニア「受け入れや履修プログラム」開発研究関する意見を集約すべく、投稿したのである。