マイスターです。
海外に行ったときの楽しみは、現地の本屋に入ること。
「日本の本はどのくらいあるのかな」と思って探してみると、圧倒的に目立つのはやはり、マンガです。
一つのコーナーが、ほとんど日本のマンガで埋め尽くされているような場合も少なくありません。
他の国のマンガと比べて、マンガの数の多さと、描かれる題材の幅の広さが圧倒的であるように思います。
それくらい、日本では様々なマンガ家の方が活躍しているということなのでしょう。
さて、そのマンガに関して、興味深いニュースを見つけましたので、ご紹介します。
【今日の大学関連ニュース】
■「マンガ仕立ての教材など注文殺到・・・京都精華大」(読売オンライン)
全国で唯一、「マンガ学部」がある京都精華大(京都市)に、全国の官公庁や企業、団体から、マンガ仕立てのマニュアル、パンフレット、教材などの注文が殺到している。伝統産品を紹介した小学校教材から、水害対策をPRする国土交通省の啓発マンガまで、5年間で100点を突破、契約総額はポスターや広告イラストなども合わせて数千万円にも上る。作者は学生や卒業生の若手マンガ家らで、読みやすさと絵で訴える情報量の多さが人気の秘密。大学は「駆け出しの漫画家を育てる絶好の機会で、学生たちにとって社会経験の場にもなる」と歓迎している。
2003年に、教授を務める漫画家竹宮恵子さんが自治体から記念誌マンガの制作の依頼を受け、学生が手がけたのをきっかけに、口コミで注文が広がった。
現在では大学が窓口となり、発注を受ける。学生やOBから選ばれた作者が、企画から取材、作画までをこなす。今年度も約20件を受注した。
(上記記事より)
日本唯一の学部ということで、しばしば取り上げられる、京都精華大学のマンガ学部です。
■「マンガ学部」(京都精華大学)
いくつか学科・コースがあるのですが、例えば↓こちらのコースなどは、完全にマンガ家養成のためのカリキュラム。
■「マンガ学部:マンガ学科」(京都精華大学)
こういった学科の学生が、上記の記事にあるような仕事にあたっているのでしょう。
外部からの発注を受けて、学生達がマンガを制作。
「5年間で100点を突破、契約総額はポスターや広告イラストなども合わせて数千万円にも上る」とのことですから、かなり好評なのでしょう。
例えば他大学のデザイン系の学生に、日常的にこんなに多くの依頼を受ける機会があるかと考えると、これはなかなかすごいことだと思います。
京都府立医科大から依頼を受けて制作したのは、「くも膜下出血」「脳出血」の2冊の冊子。患者や家族向けの説明資料として活用されている。同医科大脳神経外科の笹島浩泰准教授は「マンガなら病気や治療方法を短い時間で理解できる。写真に比べ、患者、家族の精神的ショックを和らげるメリットもある」と話す。
日本貿易振興機構(ジェトロ)大阪本部が、海外進出を目指す中小企業向けに、ノウハウや心構えなどを紹介したマニュアル4巻の制作も請け負った。同本部の担当者は「マンガにしてから、『参考になった』など、反応のメールや手紙が多くなった。ストーリーがあって読みやすい」と手応えを感じる。
(「マンガ仕立ての教材など注文殺到・・・京都精華大」(読売オンライン)記事より)
なんと、他の大学から発注を受けています。
こうして見ると、やはりマンガ表現に期待している団体が多いのですね。
マンガそのものに、ニーズがあるのでしょう。
こうして大学を通じて受注しているのは、基本的に外部の団体のマニュアルや教材のよう。
となると、マンガとして面白くても、伝えるべき内容を伝えられていなかったらダメでしょう。ですから、その団体への取材などを相当ていねいにやる必要があります。
専門学校ではなく、大学のカリキュラムとしてマンガ制作の指導をする点をウリにする同大に、こういった仕事が集中するのも、そのあたりに信頼感があるからなのかなと想像します。
こういった取材なども含め、学生にとっては非常に良い経験になるんじゃないでしょうか。
発注する側としても、良質なマンガを制作してもらえると同時に、若手マンガ家の支援もできるのですから、悪くないと思います。
受験生向けのパンフレットなどにマンガを取り入れようかと考えている大学の方、京都精華大学に相談されてみてはいかがでしょうか。
というわけで今日は、こんな取り組みをご紹介させていただきました。
以上、マイスターでした。
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。