ニュースクリップ[-3/2] 「東海大:ルマン参戦申請 レース車両、学生ら設計・開発--日本の大学初」ほか

マイスターです。

我が家のオーブントースターは、1000Wの出力を誇る一品。
しかし強力すぎて、かなりの高確率でパンを黒コゲにします。
強ければいいってものではないのだと、メーカーの方に一言申し上げたい今日この頃。

さて、日曜日になりましたので、今週も一週間の教育ニュースの中から、いくつかを選んでご紹介します。

【世界最高峰のレースに挑戦。】
■「東海大:ルマン参戦申請 レース車両、学生ら設計・開発--日本の大学初」(毎日jp)

東海大学(神奈川県平塚市、松前達郎学長)は4日、08年6月にフランスで行われる世界的な自動車耐久レース「ルマン24時間」に、学生が中心となって設計・開発した車両による参戦を申請すると発表した。日本の大学では初の試み。
東海大では01年以来、林義正・工学部教授の研究室を中心に、山形県内の機械製作メーカー「ワイ・ジー・ケー」と共同で、ルマン挑戦プロジェクトを進めてきた。資金面などの環境が整ったため、参戦を決めた。
林教授は日産自動車の元エンジニアで、同社のルマン用レース車両のエンジン開発責任者も務めた。「ルマン挑戦は、学生の技術力だけでなく、協調性や国際性など人間性も養う」と話す。これまでプロジェクトに携わった学生は200人以上。同学部によれば「レーシングカーを作りたい」と入学を希望する学生も増えたという。
最高出力500馬力以上のエンジン「YR40T」は、すでに完成。参戦用車両「TOP03」は、学生たちの設計を基にフランスのレース車両専門メーカーが部品を製作。学生が組み立て、08年2月の初走行を目指す。
レースを戦うチームは、同学部4年生を中心に構成する予定。エースドライバーは、日産やトヨタなどから12回のルマン参戦経験を持つプロの鈴木利男さん(52)が務める。マネジメント担当の同大学院生、坂本優亮さん(23)は「先輩たちの思いも胸に完走を目指したい」と話す。実績がないため参戦申請が認められるかの不安はあるが、林教授は「私と、パーツ製作メーカーには実績がある」と自信を見せた。申請受理の可否は3月に判明する。
(上記記事より)

モータースポーツに疎いマイスターも、名前くらいは知っている世界的な耐久レース、ル・マン。世界的に認められているレースであり、各国の大手自動車メーカーが参戦しています。
そんなレベルの高いレースに参戦する、学生チーム。ル・マンの歴史の中でも、大学チームの参加は史上初だそうです。

世界レベルの舞台に挑戦する学生達。わくわくしますね。
教育的にも、要注目の取り組みだと思います。

【悪天候で混乱も。】
■「強風・大雪で北海道の大学など時間変更 国公立大2次」(Asahi.com)

国公立大入試の2次試験の前期日程が25日、全国で一斉に始まった。文部科学省の午後7時現在のまとめでは、強風や大雪の影響で北海道大が全学部の試験を26日に延期したほか、20大学が試験時間を繰り下げ、16大学が26日以降の追試験の実施を決めた。
(上記記事より)

2月25日は、国公立大学2次試験の前期日程でした。
……が、あいにく天候が荒れ、試験開始時間の変更や、試験の延期が行われる結果に。
前日のうちに、遠方の試験会場に移動しようとしていたところを、足止めされてしまった受験生もいたようです。

多くの関係者を不安にさせた試験日でしたが、後は普段の努力の成果が出ることを信じて、待ちましょう。

【虚偽の申請。】
■「大学・学科新設書類にうそ 文科省、2法人を処分」(Asahi.com)

大学や学科の設置申請の書類にうその記述があったとして、文部科学省は27日、大学設置基準などに基づき、学校法人夙川学院(兵庫県西宮市)に対して4年間、学校法人純真学園(福岡市)に対して2年間、新たな学部や学科の設置申請を受け付けない処分を科すと決めた。同日処分を言い渡された両法人の理事長は「真摯(しんし)に受け止める」と話したという。
夙川学院は06年4月に文科省に神戸夙川学院大(神戸市)の開設申請書を出した際、「開学までに神戸市から20年契約で土地を借りて運動場を確保する」と約束して認可を受けた。しかし、実際に借りた大学近くの市有地の契約期間は10年だったうえ、その土地を現在は駐車場などとして使い、同大には現在も運動場がない。同省は「基本的な約束を守らなかったことは非常に問題だ」として、4年間、学部や学科の設置申請を認めない処分を科した。
一方、純真学園は福岡市の純真短大に4学科を新設することを07年6月に申請した書類の中で、山崎正行学長(当時)が、別の大学で助教授を務めたとうその履歴を書いていたことが見つかった。
(上記記事より)

運動場がないということは、体育の授業はどうしているのでしょうか。文科省に出したカリキュラムの説明も、実態と食い違っているかもしれません。
(現状のあり方がベストかどうかは異論があると思いますが)本来は、教育の質を担保するための大学設置基準。
しかし両大学とも、「申請を通す」という目的のために、虚偽の申請をしてしまったようです。目的と手段が逆です。

新たな学部学科の設置申請を認めない、という処分が重いかどうかはその大学の状況にもよるでしょう。
もしも、ちょうど学部学科の新設を考えて準備を進めていたところだったとしたら、影響は小さくないと思います。

【ネットの誇大広告を見逃さない! 学生Gメン結成。】
■「ネット広告に『学生Gメン』 都、3大学に調査依頼」(Asahi.com)

「寝る前に飲むだけでマイナス15キロ」。そんなインターネット上の誇大広告を東京都内の3大学の学生が見つけ、行政による業者への改善指導につなげた。若者が被害にあいそうな不当表示を、若者自身の目で調べてもらおうという都の取り組みで、着々と成果があがっている。
都消費生活部などは昨春、拓殖大、首都大学東京、大妻女子大の3大学でマーケティングや食品学などを学んでいるゼミに、ネットショッピングの問題点についての調査を依頼。ゼミの学生52人が5~10月、大学や自宅のパソコンで不適切な広告を探った。
(略)学生たちは263事業者の広告519件を「不当表示ではないか」と都に報告。都は、このうち健康食品やダイエット器具など37業者について、根拠がないなら景品表示法に違反するとして昨年末、文書や電話で改善を指導した。
(上記記事より)

元記事には、学生達が見つけた具体例が紹介されていますので、よろしければご覧ください。
いずれも、ちょっと批判的な目で見てみると「こりゃひどい」と思えるものばかり。しかし案外、こうした誇大広告に目を奪われてしまうことも多いのだと思います。

公共の役に立ち、かつ、学ぶ素材にもなるのですから、なかなか優れた取り組みだと思います。
調査の成果は、学会などで発表するだけでなく、市民向けセミナーの話題としても歓迎されそうですね。

【ベトナムから、博士課程に1,000人!?】
■「博士養成、ベトナムから1千人 政府、ODAで受け入れ」(Asahi.com)

政府は08年度から20年度にかけて、途上国援助(ODA)を使ってベトナムの若者1000人以上を日本の大学院に入学させ、博士を養成するプロジェクトを始める。ベトナム戦争などの影響で高等教育を受けた人材が少ないベトナム側と、少子化が進み海外から優秀な学生の受け入れを模索する日本側が「戦略的パートナー」(外務省幹部)になろうという試みだ。
日本はこれまでタイ、マレーシア、インドネシアの学生計約3000人を対象に、留学生受け入れのための円借款を実施しているが、博士課程のみを対象にした枠組みは初めて。グエン・ティエン・ニャン副首相兼教育訓練相が3月下旬に来日する際に正式に合意する予定だ。
外務省などによると、ベトナムが求めているのは主に理系の分野で、情報技術(IT)、機械工学、素材、ナノテクなどの先端技術をはじめ、全般にわたる。ベトナムから国費で受け入れている博士課程の留学生は現在年25人程度だが、この枠を08年度から徐々に拡大し、3年後をめどに大規模な受け入れを目指す。受け入れに前向きな主な大学院は東京、京都、早稲田、慶応、立命館、長岡技術科学など。日本側は200億円以上の費用が必要とみられる。
(上記記事より)

ODAを使い、ベトナムから日本に留学生を受け入れるというプロジェクトです。

ベトナムの将来を担う人材が日本で学び、研究をする。
そして、高度な知識や技術を身につけ、母国に帰って国を良くしていく、というわけです。
日本とベトナムとの間に、人と人とのネットワークもできるでしょう。
両国の未来に対する投資です。

ODAの使い方としては、高く評価できる部類に入るのではとマイスターは思うのですが、いかがでしょうか。

ただ、「1,000人」という数字は小さくありません。
何が何でもとりあえず1,000人入学させてしまえ、ではなく、ちゃんと適切な指導ができるよう、環境を整えておくことも大事。
日本語の学習や日本での生活をサポートする体制が必要になりそうです。

ちなみに、日本学生支援機構によると、平成19年5月1日時点でのベトナムから日本への留学生数は2,582人。これは中国、韓国、台湾に次いで4番目に多い数字であり、しかも前年比21.8%増で、大幅に増えている最中です。
実は既に、日本の留学生の中では、ベトナムからの留学生は結構な存在感を持っているのですね。

■「平成19年度外国人留学生在籍状況調査結果」(独立行政法人日本学生支援機構)

以上、今週のニュースクリップでした。

トースターには、「調理例」として、代表的な料理の加熱時間が書かれています。
しかし、例えば調理例に「ホットドッグは8分~10分」などと表示されていますが、我が家でそんなに加熱したら、間違いなくホットドッグが消し炭に。
これは何かの罠か? 罠なのか? と思わずにはいられません。

今週も一週間、本ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。
来週も、お互いがんばりましょう。

マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。