ニュースクリップ[-2/17] 「教育機関向け『Yahoo!メール』、採用第1号は早稲田大学に」ほか

マイスターです。

日曜日になりましたので、今週も一週間の教育ニュースの中から、いくつかを選んでご紹介します。

【囲い込み戦略】
■「教育機関向け『Yahoo!メール』、採用第1号は早稲田大学に」(NIKKEI NET)

ヤフーは2008年2月13日、同社の教育機関向けメールサービス「Yahoo!メール Academic Edition」が早稲田大学で導入されることが決まったと発表した。2008年夏頃を予定しており、同サービスを導入する最初の教育機関となる。
Yahoo!メール Academic Editionでは、「***@yy.大学名など.jp」という学校独自のドメインで、在学生やOB/OG、教職員にメールアドレスを無料で付与する。同時に「***@yahoo.co.jp」のアドレスも付与し、どちらも利用できるようにする。メールボックスの容量は1GBになる。
早稲田大学では在学生と教職員合わせて7万人にメールアドレスを配布する予定。今後、すでに卒業しているOB/OGに対しても住所が判明している卒業生50万人にも配布する予定だ。また、在学生はそのアドレスを卒業後も使い続けられる。
(略)ヤフーのソーシャルネット事業部企画部リーダー堀下剛司氏は「高校では携帯電話の利用が主かもしれないが、大学に入りパソコンを使う機会は増える。そのときのファーストメールにしてもらい、かつ生涯メールになれば理想」としている。
(上記記事より。強調部分はマイスターによる)

大学向け無料メールサービスについては、Google、Micorosoftなど、他社も力を入れています。

■「Google Apps Education Edition が日本大学に採用されました」(Google Japan Blog)
■「『Windows Live(TM)@edu』、日本体育大学、日本体育大学女子短期大学部、杏林大学で採用、2007年秋より導入開始」(マイクロソフト株式会社)

記事にもあるように、学生のうちに使い慣れたソフトやサービスであれば、その後も使い続けてくれる可能性が高い……と思われています。だから、各社とも、無料サービスを大学に導入したがっているわけです。
上記の早稲田大学の事例の場合、在学生は卒業後もそのアドレスを使い続けられるとのことですから、そのままYahoo!ユーザーを続ける方も、結構いらっしゃるかも知れませんね。
学生数も多いですし、Yahoo!にとっては大事なお得意様になりそうです。

大学側にとっても、コスト削減の効果が期待できますし、学生も使い勝手の良いサービスを活用できる、Win-Winの関係といえるのかも知れません。
【『抜群』の報酬、高い? 安い?】
■「東北大、「抜群教授」に特別手当 最高月20万円」(Asahi.com)

東北大学が新年度から、優れた業績をあげた現役教授を「抜群教授」に選び、月給を最高20万円上乗せする。国立大では初めての制度といい、学外から優秀な「頭脳」を獲得するとともにその流出を防ぎ、世界最高水準の大学を目指す。
正式な称号は「ディスティングイッシュトプロフェッサー」。教育や研究、社会貢献などの業績がきわめて顕著で、将来も中心的な役割を果たすことが期待される教授を任命する。学内から推薦を受けた教授の中から、学外の有識者も含む選考委員会が選ぶ。
初年度は学内の約800人の教授から3%にあたる25人を選び、月額10万円を基本に最高20万円の特別手当を支給する。東北大教授の年間の平均給与は1101万円(06年度)なので約1割(最高で約2割)の上乗せになる。任期は3年で再任も可能。
(上記記事より)

給与に差を付けるという方法は、個人的にはまったく悪いとは思いません。
ただ、東北大学の優秀な研究者800人のうちのわずか25人、その中でも特に優れていると認められた上での待遇が、ようやく「2割増」だと聞くと、「思っていたより差がないな」、という感じもします。

「すごい、最高で20万円ももらえるのか!?」 と興奮する人と、
「なんだ、最高でも20万円しかかわらないのか」 と冷める人がいるような気が。
果たして、東北大学はどちらのタイプを求めているのでしょうか。それによってこの制度の成否が分かれそうです。

もちろん実力のある教授なら、研究成果の商品化などで得られる利益など、このほかにも様々な収入源を持つでしょうから、実際の収入の差はもっと大きいと思います。
それに、大学が支払う人件費がふくれあがってしまうことは、学費の上昇にも繋がりますから、あんまりむやみに高給をだすのも考え物ではあります。
そのための、「上限20万円」なのかも知れません。

【留学生向け住宅紹介フェア】
■「留学生に良い住まいを 下京で物件紹介フェア」(京都新聞)

留学生向け中心の賃貸住宅物件を紹介する「KYOTO留学生ふれあい住宅フェア」が9日、京都市下京区のキャンパスプラザ京都で開かれた=写真。手ごろな物件を求める留学生が訪れ、希望の条件にかなう情報を集めていた。
市国際交流協会や日本賃貸住宅管理協会府支部、大学コンソーシアム京都が、一般の学生に比べ物件を借りにくい留学生のために毎年開催している。今回は府内や滋賀県内の物件約1000件を紹介。家賃の安い部屋や、家族を連れて留学している人向けに部屋数の多い物件などを集めたという。
(上記記事より)

大抵の大学では、学生課などで住まいの紹介・斡旋をしているかと思いますが、「留学生向け」のサービスまでは、なかなか手が回っていないところもありそう。
そんなわけで上記は、大学コンソーシアム京都などが手がけている、留学生向けのフェアです。
京都は大学が多いですし、留学生もたくさんいるでしょうから、こうして共通のフェアがあると便利でしょうね。
各種の相談にも乗ってくれるそうですし、留学生にとってはうれしいサポートだと思います。

2月26日までだそうですので、ご興味のある方は足を運ばれてはいかがでしょうか。
大学の学生課や厚生課、国際交流課などで働いていらっしゃる方々にとっても、参考になりそうですよ。

【大統領選の争点に?】
■「銃規制を争点にしたがらない民主党両候補」(MSN産経ニュース)
■「大統領選争点に銃規制が急浮上」(東京新聞)
■「オバマ氏、銃規制強化訴え=米大学銃乱射」(時事ドットコム)

争点になっているのか、なっていないのか。
候補者達はこの話題に触れたいのか、触れたくないのか。

「選挙のプラスになるから、何らかのメッセージを有権者達に発信しておきたいけれど、
選挙のマイナスになるかも知れないから、あんまりつっこんだことをハッキリ言いたくはない」
……といったところなのでしょうか。

銃規制はアメリカが常に向かい合っていかなければならない大きなテーマのひとつですが、今回の事件が、この問題に対する議論のきっかけになるかも知れません。

【涙ぐましい親の努力】
■「子どもが大学卒業時に抱える借金に備え、多くの親が「へそくり」!」(JAPAN JOURNALS )

大学授業料の値上がりなどに伴い、大学卒業時に子どもが抱える学生ローンの返済などを助けるため、多くの親が「へそくり」をしており、親の「へそくり」による援助額は平均7,000ポンド(約140万円)にのぼるほか、こうした親の半数が子どもに内緒で預金をする理由として、「使えるお金がもっとあると知ったら、子どもはさらに浪費するから」と答えていることが調査の結果明らかになった。
(上記記事より)

イギリスのニュースです。

イギリスでは、10年ほど前まで国公立大学の学費は無料でした。
(※イギリスの私立大学はバッキンガム大学1校だけで、後はすべて国公立大学です)
しかしその後、様々な批判を受けつつも、学費が有料化。さらに2006年には、その学費が3倍程度に値上がりました。

そんなわけで、イギリスの保護者は、こうして子供のサポートのために、こっそりへそくりを貯めておられるというわけです。なんて泣ける話でしょうか。

ちなみに、3倍に上がったとはいえ、その額は日本円でおよそ60万円ほど。
日本の大学の学費に比べれば、まだまだ安いのです。
日本の学生さん達は、親御さん達にちゃんと感謝してくださいね。

以上、今週のニュースクリップでした。

今週も一週間、本ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。
来週も、お互いがんばりましょう。

マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。