大学 × 「Second Life」 最近の事例

マイスターです。

一時期、話題になった、「Second Life(セカンドライフ)」。
以前から、ちょくちょく本ブログでもご紹介してきました。

(過去の関連記事)
・仮想社会の中で、リアルな動きを起こそうとする人々(2006年11月02日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50259424.html

・「Second Life」内にキャンパスを建設する大学、増加中(2007年02月21日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50291733.html

・慶應義塾大学 「セカンドライフキャンパス」設立 日本の大学で初(2007年08月01日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50331545.html

ただ、最近はあまり話を聞かなくなったなぁ……と思っていました。
企業の広報やPRのためのツールとしては、正直、ちょっと「飽きられてきた」という感があります。

大きな可能性を感じるメディアではあるのですが、特に日本では、実際のユーザーの活動よりも企業のプロモーションの話題が先行し、実態よりも評判が先に盛り上がってしまったようなところがあったように思います。
その前評判が一段落し、今は、実態がどこまで追いつけるかという転換点に来ているような気がします。
「リアル社会を補完するサイバースペース」の最有力候補として生き残るのか、それとも一時の話題を集めただけの、ちょっと目新しい広告メディアとしてしぼんでいくのか、という局面です。

最近はそんな状況であるように思うのですが、ここに来て、なんだか大学とセカンドライフの話題を見かけるようになってきました。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「プレスリリース:人間総合科学大学、セカンドライフ内に仮想キャンパスをオープン 〜バーチャル上でリアル講義を展開! 美術館も公開!〜」(ValuePress)
http://www.value-press.com/pressrelease.php?article_id=20284&php_value_press_session=c9e4ca230e725343af541df00589f305

■「プレスリリース:インターリンク、大学や教育機関のセカンドライフ活動の支援を開始 〜第一弾として神戸大学。市民と科学者の対話の場をセカンドライフ上で実施〜」(NIKKEI NET)
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=177734&lindID=1

■「洗足学園音楽大学がセカンドライフ内に仮想キャンパスをオープン」(セカンドライフマガジン)
http://sl.impressrd.jp/e/2007/11/22/414

■「セカンドライフで看るバーチャル看護師。タコマ地域短期大学の実践」(CNET Japan)
http://japan.cnet.com/blog/kakkak/2007/12/12/entry_25002940/
————————————————————

「Second Life」にちゃんとしたスペースを作り込み、人を配置して「生きた空間」にするには、時間もコストもかかります。
そんなわけで、一時の過熱ぶりが少し落ち着いた頃にやってきた、大学のSecond Lifeにおける取り組み達。

詳細は上記のニュース記事の他、↓このあたりからもご覧いただけます。

■「サイエンスカフェ神戸:神戸大学大学院人間発達環境学研究科」(インターリンク)
http://www.hachikokuyama.net/scafe.html

■「洗足オンラインスクール:セカンドライフに特設会場を設けました!」(洗足学園音楽大学)
http://www.senzoku-online.jp/secondlife/index.html

神戸大学大学院は、企業が作り上げた「八国山アイランド」にあるようです。

ここは、環境保護団体や人道支援団体、NPO 団体等、環境保護関係の組織が集まるアイランドということで、日本ユニセフ協会なども入っています。
赤い羽根共同募金まで、Second Life上で行われているんですね。

その中で、大学として唯一、神戸大学大学院人間発達環境学研究科が入っています。

単なるブース設置などにとどまるのではなく、市民と科学者の双方向コミュニケーションの場として開催して、リアル世界でも行われている「サイエンスカフェ」を実施するなど、実際の交流や情報交換のための場にしようという意図が感じられます。

洗足学園音楽大学は、実際の教育活動、音楽演奏活動のためのスペースとして、「Second Life」を活用しようということのようです。

正直、これらの取り組みが今後、成功するのかどうかはわかりません。

もはや、「Second Lifeに何かを作れば、それだけでとりあえず人が来る」ということでは、ないようです。
ですから、作っ「た後」に、それをどう、実質的な活動に結び付けていけるかが重要。

単なる話題性だけを目的とせず、じっくり腰を据えてサイバー空間の可能性を追求していこうというのなら、その大学にとって必要不可欠な場所を作ることができるかもしれません。

以上、マイスターでした。