ニュースクリップ[10/21]「国立大学も寄付金運用で株投資OK、文科省が法改正へ」ほか

マイスターです。

日曜日になりましたので、恒例のニュースクリップをお届けします。

なお今日は、最後にちょっとしたお知らせがあります。

大学の基金運用、より自由に。
■「国立大学も寄付金運用で株投資OK、文科省が法改正へ」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20071020i105.htm

文部科学省は、国立大学に対し、寄付金の一部を株式の投資信託で運用することを認めるなど“財テク”のための裁量権を拡大する方針を固めた。

(略)寄付金については、06年度、87の国立大で計約693億円に上った。東大の102億円を筆頭に、九州大46億円、大阪大45億円と多額の寄付を受けた大学も多く、大学法人にとって寄付金の獲得や運用が重要になりつつある。

政府の教育再生会議も今年6月の第2次報告で「民間の寄付金運用の弾力化」を盛り込み、寄付金に限定した大学法人の資産運用を認めるように求めていた。

こうした状況を踏まえて、文科省は、寄付金の運用に関し、国債や地方債など元本保証のあるものに限定している点を法改正し、元本保証がない株式投資信託などへの運用も可能にする。また、大学の教員や学生などが研究成果や新技術、特許をもとに設立する「大学発ベンチャー」への出資も認め、資金調達で苦戦している地方の「大学発ベンチャー」を支援する。

(上記記事より)

アメリカの有名大学が、基金をプロに運用させ、得られた巨額の資金を教育・研究の強化に充てているというのは、よく知られています。

中でもハーバード大学の基金運用は、飛び抜けた規模と運用益を誇っています。

(過去の関連記事)
・ハーバード大学の基金運用担当者(2006年02月27日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50158024.html

プロフェッショナルの運用チームが総額3兆円近い基金を運用し、その運用益だけで毎年、数千億円もの額を生み出しているのです。
この巨額の資金が、「世界最高学府」と呼ばれるハーバード大学の強さを支えていることは、言うまでもありません。

この規模にはまだまだ到底及ばないかも知れませんが、日本の国立大学の間でも、寄付金による基金を持ち、それを運用することで資金を捻出しようという動きがあります。旧帝大を始め、いくつかの大学が「200○年までに○十億円」といった目標額をあげて寄付金集めに取り組んでいます。

でも、せっかく集めたその基金を、これまでは十分に運用することができなかったのですね。
公的な機関ですから、確かに、元本割れのおそれがある株式投資に使えないというルールは分からないでもありません。が、せっかく基金を設立しても、これではあまり意味がありません。

それが、これから大学の裁量権が拡大され、株式投資もできるようになるわけです。

とは言いつつ、やっぱり大学ですから、それほどリスクのある投資はそうそうしないはずです。現実には、「ちょっと好調な大学」と、「あんまり増えてない大学」が出てくるくらいなのではないかな、なんて想像します。

夜回り先生、大学の教壇に立つ。
■「夜回り先生、花園大客員教授に 来春から青少年問題など講義」(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007101600139&genre=G1&area=K1C

花園大(京都市中京区)は16日、「夜回り先生」として知られる水谷修氏(51)を来年度、客員教授として招くことを決めた。水谷氏が、大学で講義を担当するのは初めて。

水谷氏は2008年4月から、毎週二科目を担当する予定。昨年11月に花園大で講演したことがあり、大学側が教授の就任を要請していた。同氏は、2004年9月に横浜市立高の教員を退いており、3年半ぶりに教職に復帰する。

(上記記事より)

教育関係の方はもとより、一般にも知名度の高い、「夜回り先生」こと水谷修氏。マイスターも何冊か著書を持っています。
「尊敬する教師」として、水谷氏の名前を挙げる学生や教員の方は、少なくないのではないでしょうか。
教員のタマゴのときに、直にこういった方と毎週意見を交わし合った経験は、後の教師生活に大きな影響を与えるかもしれません。

Ritsは?
■「Rで力強さや信頼感を表現 立命館の象徴 新マーク制定」(京都新聞)
http://kyoto-np.jp/article.php?mid=P2007101000155&genre=G1&area=K10

学校法人立命館(京都市中京区)は10日、学園が作成する印刷物やTシャツなどにプリントするマークを制定した。えんじ色のゴシック体「R」のアルファベットの下に「RITSUMEIKAN」と添えたデザインで、立命館の象徴として活用する。

立命館は既に、シンボルマーク「Rits」を制定し、冊子には印刷してきたが、商標上の関係で、Tシャツやバッグ、文房具などの商品には使用できなかったため、新たなマークづくりを進めていた。

(上記記事より)

立命館大学を表すシンボルマーク「Rits」。
個人的には、大学の略称としてはかなり普及しているなぁと感じていただけに、なんだかもったいないように思います。
最初から、商標的に問題があったのですね。大きな痛手です。

■立命館大学
http://www.ritsumei.jp/index_j.html

現在の公式サイトには、まだ「Rits」が残っていますが、今後は「R」の文字に一元化するのでしょうか。それとも、使えるメディアでは「Rits」を使い続けるのでしょうか。

■Rits Kids リッツキッズ
http://www.ujc.ritsumei.ac.jp/ujc/RitsKids/index/index.html
■リッツ ベースボールクラブ
http://blog.goo.ne.jp/ritsbbc

↑このように、大学本体からちょっと離れたところでも、色々と使われています。
これらを全部変えて、新しいロゴを普及し直させるのだとしたら、ちょっとやっかいですね。

大学オリジナル・フォント。
■「順天郷大、大学専用“順天郷フォント”開発」(中央日報)
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=91786&servcode=400&sectcode=400

忠南牙山(チュンナム・アサン)にある順天郷(スンチョンヒャン)大学は、561周年ハングルの日を迎え、大学専用フォントである“順天郷体”を開発したと8日、発表した。

開発された書体はハングル2350字と英文94字のほかにも数字、アイコンなど986字が含まれ、パソコンに設置するとハングルワープロなどの文書と書式作成プログラムなどで活用することができる。

順天郷大側は「順天郷体」は大学構成員の自負心を鼓吹するためのもので、ハングル書体に簡潔美と洗練美が加味され、既存使っている大学のロゴと調和を成すと説明した。

順天郷大は「順天郷体」を大学ホームページで一般人に無料で提供し、学生や同窓生らにも普及するという計画だ。

(上記記事より)

デザインの三要素と言えば、「色」、「形」、そして「フォント」。フォントが与える印象というのは、非常に大きいものがあります。

上記の記事は、韓国の大学についてのものです。
この通り、大学オリジナルのフォントを作り、webサイト上で無料配布するとのこと。
愛校心のあるOB・OGや在学生は、好んで使うことでしょう。もちろん、大学の広報物にも多用するといいでしょう。
なかなか面白い切り口の活動です。

そして、本日最後のニュース、というかお知らせです。

■「大学行政管理学会」
http://juam.jp/

大学職員を中心とした学会、「大学行政管理学会」のwebサイトがリニューアルされました。
さっそく、上記リンクから「JUAMサイトへアクセス」をクリックし、トップページを開いてみてください。

画面中央、新しく登場した「News記事(RSS)」というエリアが気になりますね。
よくご覧いただくと……あれ、何か見覚えのある文字が!?

そうです。

大学行政管理学会の新トップページには、
この「大学プロデューサーズ・ノート」の最新ニュースが、
毎日、RSSで自動配信されるようになっています。

今現在、個人のブログとしてこの栄誉に預かっているのは、「大学職員.network」の運営者として業界で有名な「とある大学職員」さんが運営する「大学職員.net -Blog/News-」と、マイスターの「大学プロデューサーズ・ノート」だけです。

大学の最新ニュースが並ぶ「大学職員.net -Blog/News-」さんはともかく、マイスターなんぞのあやしいブログを、よりもよって神聖な学会のトップページに持ってくるとは、なんと懐が深いのでしょうか。
大学行政管理学会運営者の皆様方、漢だぜ。勇者だぜ。

そんなわけで、ますます、うかつにおかしなことを書けなくなった本ブログ。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

以上、マイスターでした。