マイスターです。
今週も日曜日になりましたので、恒例のニュースクリップをお届けします。
国立大学のAO入試、拡大中。
■「国公立大入試の概要発表、AO入試は国立で15%」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0828/TKY200708280385.html
文部科学省は28日、国公立大学の08年度の入試概要を発表した。高校からの推薦書で判定する推薦入試や、書類審査や面接などで合否を決めるAO入試で募集する定員が、国立で全体の15%、公立では24%といずれも過去最高になっている。
推薦入試やAO入試の導入は私立大が先行したが、国公立大でも最近、実施する大学が急増している。08年度は、国公立全体の92%の142大学が推薦入試を、38%の59大学がAO入試を実施する。
(上記記事より)
国立大学のAO入試導入が進んでいます。
詳細は、以下をご覧ください。
■「平成19年度国公立大学入学者選抜の概要」(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/08/06082405.htm
なお報道では、
「推薦やAOでの募集を増やすのは、(学生が集まりにくい)地方国立大の工学部系が多い。欠員が出れば授業料収入が減るなど経営にかかわるので、早めに学生を確保する手段に使っている」と話している。
(上記記事より)
……という予備校関係者の声が紹介されていますが、仮にこの通りだとしたら、個人的にはちょっと心配でもあります。
工学部というのは通常、入学後に、数学や物理といった基礎学力がダイレクトに問われるカリキュラムだったりするのです。
個人的にはAO入試の導入が進むのは賛成なのですが、理工系で(志望理由書や面接中心の)AO入試を行う場合は、入学後、いかに基礎学力をつけさせるかということも一緒に考えておかないと、脱落者を増やす原因になるような気がします。
そのあたりも総合的に考え、体制を整えていくことが大切です。
放送大学の放送手段、変更。
■「放送大学 BS移行へ…受講の機会拡大」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20070904ur21.htm
自宅のテレビとラジオで授業を受け大学の学位が取得できる(石弘光学長)は、2011年度に現在のCS(通信衛星)放送での授業配信を廃止し、BSデジタル放送への移行を目指す。
CS放送の4倍強の普及率があるBSデジタル放送に移ることで、教育の地域間格差をなくすとともに、生涯学習や資格取得など多様なニーズに応じた授業の充実を進めていく考えだ。
(略)現在、放送大学の授業は〈1〉スカイパーフェクTVによるCS放送〈2〉地上波のテレビやFMラジオ放送(関東の一部地域のみ)〈3〉ケーブルテレビ ――で視聴できる。CS放送は、全国どこでも無料で授業を視聴できるが、アンテナやチューナーを購入する必要がある。視聴できる世帯は全国で約300万世帯(全世帯数の約6%)にとどまっている。文科省では「当初の予想に反して、CS放送の一般家庭への普及が伸び悩んだ」(幹部)と見ている。
(上記記事より)
インフラの見直しをはかる放送大学です。
放送大学の性質上、誰もが受講できる、ということを目指すことは大切です。
少しでも普及率の高いメディアに対応するのは当然かも知れません。
インターネットで授業を行う大学も登場する中、放送大学も少しずつ、変わっていかなければならないと言うことでしょうか。
航空業界、大学で人材の囲い込み。
■「全日空と同志社女大、人材育成や研究で協定」(SankeiWEB)
http://www.sankei.co.jp/kyouiku/gakko/070906/gkk070906000.htm
全日空グループのシンクタンク「ANA総合研究所」と同志社女子大(京都府京田辺市)は6日、人材育成や研究で協力する協定を結んだ。
今秋から研究所が同女大に講師を派遣し、3年生を対象に航空産業の現状を紹介する講演会を開く予定。同女大は平成20年度をめどに、全日空グループ企業での就業体験(インターンシップ)を組み入れた新講座の設置を検討している。
(上記記事より)
航空機のパイロット養成コースを設ける大学が出てくるなど、航空産業と大学との連携がここ数年で急激に増えています。
パイロットだけではなく、最近では、キャビン・アテンダントを養成するコースもできていますね。
(過去の関連記事)
・キャビン・アテンダントを目指す大学のコースが大人気?(2007年02月03日)
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50286739.html
航空産業では、人材不足が大きな課題のようです。
上記の報道でも
22年には羽田空港の滑走路が1本増えるため、全日空は約20%増便する予定。それに備えて優秀な人材を囲い込むことも協定の目的の1つ
という、関係者の声が紹介されています。
JALなどのライバル社も、同様の試みを進めていくかも知れませんね。
より安い学食を求めて。
■「物価高騰で、学食は別の大学へ」(中国情報局)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0905&f=column_0905_010.shtml
最近、北京大学関連のBBSには、学食値上がりの話題が多く書き込まれ、沢山の学生が北京大学と清華大学の学食の価格を比較し、清華大の学食の方が安いとして、北京大の学生は清華大の学食を食べに行くという構造が出来上がりつつあるという。そしてBBSでは、清華大の学食カードの手続き方法まで紹介している。
記者は北京大の学生に手伝ってもらいBBSを覗いた。少なくない学生が「食堂」などの掲示板に学食の値上がり問題を書き込んでいる。学生にとっては、学食が高くなり量が減るのは痛い。
ある学生は清華大学の学食の価格票を掲載し、地図を描いて、清華大の各食堂の位置とオススメメニューを紹介する。一部の学生は自転車で清華大まで食事に行く。
北京大の一人の学生は、校内の食堂では、料理の価格の値上がり幅がそれぞれ異なると指摘する。例えば学一食堂では、小炒滑蛋牛柳という料理が6.5元だったのが8元に、カレー牛肉が3.5元から4元に、学五食堂の鶏腿一斤が16元だったのが20~22元に値上がりしている。
その学生曰く、北京大学の学食の価格は本来、清華大学よりも高かった。現在の値上がりで、同級生の多くは自転車で清華大学まで行き食事をする。たとえ10%の臨時学食カードの手続き料を支払っても、北京大よりも安くなる計算だ。
(上記記事より)
北京大学と言えば、中国を支えるエリートが集う大学の一つのはずですが、このように、涙ぐましい努力をしているようです。
もっとも、どの国でも学生さんというのはお金を持っていないものですから、あまりこうした点は変わらないのかも知れませんけれど。
以上、今週のニュースクリップでした。
今週も一週間、本ブログをごひいきにしていただき、ありがとうございました。
これからも、どうぞ宜しくお願いいたします。
マイスターでした。