東海地方の私大志願者、東西に流出?

マイスターです。

大学間の受験生獲得競争は、年々激しさの度合いを増していると聞きます。
最近も、↓こんな報道がずらっと出ました。

■「私立短大:定員割れ、初の6割超--私学振興・共済事業団調査」(MSN毎日インタラクティブ)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2007/08/20070801ddm002040010000c.html
■「私立短大の6割が定員割れ、過去最悪 4年制私大も4割」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200707310417.html
■「私大定員割れ、依然4割 志願倍率の格差拡大」(京都新聞)
http://kyoto-np.jp/article.php?mid=P2007080100006&genre=G1&area=Z10

さて、個々の大学の競争力もさることながら、昨今では「学問分野」「所在地域」などの要素が経営に与える影響も、以前よりさらに大きなものになってきているようです。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「私立大:東海の志願者数、2年連続減 東西への流出、顕著に--07年度」(MSN毎日インタラクティブ)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2007/08/20070801ddh041040005000c.html
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東京や京阪地区などの大都市圏の私立大が出張入試などで07年度の志願倍率をアップさせる中、東海地区の私立大は志願者数や志願倍率が2年連続で低下したことが、日本私立学校振興・共済事業団(東京都)の調査結果で31日分かった。事業団は「東海は都市圏ながら、東西に志願者が流出する傾向が顕著になっている」と分析。今後、東海地区の私大経営は厳しさを増しそうだ。

同事業団が実施した入学志願動向調査によると、愛知、岐阜、三重、静岡4県にある4年制私立大は65校181学部(5月1日現在)で、07年度の入学定員は06年度より微増の4万2976人。一方、志願者数は21万4685人で同4553人減。志願倍率も5・16倍から5倍に低下した。

(略)ある東海地区の私大学長は「以前から東京や関西の大学は愛知県をはじめとする東海地区の受験生獲得に熱心で、その影響が出ているのだろう。学部の新設などで受験者を引き留めないと志願者の増加は難しい」と話し、同事業団情報支援室の比留間進室長は「東海は志願倍率が下がったが、合格者数は増やし、定員充足率を上げた。志願者の減少などに伴う厳しい環境から大学全体として経営を重視した結果だろう」と分析している。

(上記記事より)

というわけで、東海地方で静かに、大学の地盤沈下が進んでいます。

東京の大学が関西に、近畿の大学が東京に、それぞれ事務所やサテライトキャンパスを展開する動きがここしばらくの間、目立っていました。
お互いにアウェーにスタッフを派遣し、オフィスを構えて、「受験生を奪ってやろう」というどん欲な姿勢が感じられました。
(※成功しているかどうかはわかりませんけれど)

しかし言われてみると確かに、東海地区の大学の動きはあまり印象に残っておりません。
単に、東海地方のメディアの情報があまりwebで流れていない……ということならいいのですが、実際、上記の報道のような数字が出ていると、「やっぱり元気がないのかな」と思ってしまいます。

個人的には、東海地方というのは「名古屋を中心にした、他が立ち入れない受験マーケットがある程度確立されている地域」だという印象を持っていました。
実際、今でもそういう部分はあると思います。

しかしそんなクローズドなマーケットも、市場の縮小に危機感を強めた東京と近畿の大学達によって、切り崩されはじめてきているということなのかもしれません。

実態は、さて、どうでしょうか。

以上、マイスターでした。